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発作的捕食
おっひょー、旨そうな出汁巻きどもだ!
蜘蛛の子を散らすように逃げる出汁巻きたち。
なあ、今度はあっちにロールキャベツの群生地があるんだが。手当たり次第、ひとしきり出汁巻きを堪能した後、車麩は言った。
君、案内する気ないだろう。
何を言ってるんだ、案内するためにはエネルギーが要るのさ。
ふつふつと怒りが沸き上がってきた。こいつは食を楽しんで、そのために僕を連れまわしている。振り回している。仇、という文字が浮かんだ。こいつも一緒だ。あいつと。あいつ、誰だっけ。ともかく、一族の仇。気付けば、自分でもあり得ないと思うサイズに、僕の体は膨らんでいた。車麩を筒に取り込めるほど。断末魔は聞こえないふり。食べカスは筒後方の孔から排出。今なら仇も容易に討てるような気分なのに、困った。車麩を斃してしまったせいか、いよいよ警戒されて、少なくともその場の出汁巻き達は姿を見かけたと思ったらその場から消えてしまう。仕方なく、車麩が言っていたロールキャベツの群生地へ向かうことにした。