#53 新しい記憶の扉
さて。
俺はどうしてこの少女をお姫様抱っこして森の中を歩いているのだろうか。
いや、歩くというよりは小走りか。
首の付根に刺さった何かを抜いた瞬間から、俺の体は急激に自由を失い始めた。
体だけじゃない。
意識も、目に見えない圧迫感に握りつぶされてゆくように細く小さくなっていった……のに。
地面から突き出している木の根を飛び越える。
昼間に走っているみたいに、つまづくこともなく。
俺の体ではあるけれど、俺がそうしているわけじゃない。
自分の行動が他人によって動かされていることの違和感と不安感……いや、俺は不安だなんて言っちゃダメだな。
ずっとリテルの体を使わせてもらっているんだから。
少女が俺に使用した『熱の瞳』は、視界をサーモグラフィのように切り替えることができる魔法。
『魔力感知』を宇宙モードで使ったときよりは、暗闇の森を把握しやすい。
俺の体が感じている視覚や聴覚、皮膚を通して得られる重さや温度はちゃんと俺にも感じられている。
でもそれは俺がダイレクトに感じているのではなく、俺の体を使っている誰か……おそらく俺が抱えているこの少女に、精神的に触れることで、俺にも間接的に流れ込んでいる、というか。
例えば動画があったとき、それを直接再生するんじゃなく、再生しているのをスマホで撮影して、その撮影したほうを見ている、みたいな。
それにしてもこの少女、俺の中で何かを手探りで探そうとしているのを感じる。
その度に俺は、少女の意識から「俺」を遠ざける……うまく遠ざけられているのかな?
少女の手探りな感じってのが、俺がリテルの記憶にアクセスするときと感覚的に似ていたんだ。
だから少女の意識が触れたって感じたとき、俺の意識の方を閉じるイメージを持って……そしたら少女の意識はそこを素通りしてゆく。
精神の方はそうやってなんとか耐えているんだけれど、体の方は全くといってよいほど主導権を握られてしまっている。
また幾つかの木の根を飛び越える。
この『熱の瞳』は本当にすごい。
すごいと言えば、さっきの「何も見えない」状態を作り出していたのが『魔力感知逃れの衣』という魔法だということもわかった。
仕組みとしては『魔法偽装』と同じなんだけど、自分の寿命の渦に対して当てるのではなく、『魔力感知』の波長に対して当てている感じ。
そういう手があったか……しかもこれなら、うまく『魔法偽装』できないマドハトなんかにも使えるな。
ふいに俺は立ち止まった。
進行方向、遠くに小さくほんのりと赤いものが見える。
おそらく俺がさっきまでいた小屋……ルブルムとケティ、スノドロッフの子ども達が居る小屋だろう。
続けて少女が『魔力感知』を使った……のを、俺も感じることができてるっ!
これも、俺の中に入り込んで来ている少女にアクセスする感じで。
しかし少女の『魔力感知』、俺よりも範囲が狭いな。
『魔力感知』の範囲が人それぞれなら、俺も習熟したら『魔力感知』の範囲を広げることができるのかもな……なんて言っている場合じゃないんだけどね。
少女の『魔力感知』範囲内に人サイズの寿命の渦は感じられない。
俺も使ってみたくはあるけれど、まだ動く時じゃない。
ぐっとこらえて……え、なんだ?
俺は突然、片膝をつく。
お辞儀?
誰に?
まさか見えない何かが近くに潜んでいるのか?
俺の体は少女を優しく大木の陰に下ろす……お辞儀ではなくちょっとホッとした。
でもさ。なんでその後、少女の太ももをまさぐり始めるんだよっ!
もちろん素肌ではなく下着ごし……見た目はズボンごしにだけど。
いやでも素肌じゃないってだけで罪悪感がまるで違う。
元の世界で見ていたファンタジー系のゲームやマンガでは、スカートとか生足とか水着みたいな鎧で冒険している女子がやたら多いけれど、こちらではそういうの、まだ一人も見ないな。
あ、タービタさんは全裸だったっけ。
俺は少女の左太ももから革製の細長いケースを外す。
革ケースには革紐が三本取り付けてあり、二本を太ももに結びつけ、残り一本を革ベルトへと結びつけていた。
それを俺の左太ももにつけようとして……ああ、少女は華奢なんだな……ちょっと革紐の長さが足りずに断念し、代わりに俺の左足の脛当てにくくりつける。
中身を取り出して確認してくれたおかげで、その革ケースの中身が吹き矢だということが分かる……残り吹き矢はあと四本。
次に俺の手は、俺のウエストサイズを指で測りだす。
そのまま少女の腰ベルトを同様に測り、俺は溜息をつく……すごいな、溜息まで操れるのか。
少女の腰ベルトにつながっている小剣の鞘から、吹き筒を取り外す。
吹き筒だけ剥き出しで持ってゆくつもりっぽいな。
この少女の目的は何なんだ?
ルブルムやケティたちを狙うつもりか?
それとも性懲りもなくまたスノドロッフの子どもたちを狙うつもりなのか?
ということは、ウォルラースとつながっているってことか?
俺の手はさらに少女の革鎧へ伸びる。
革鎧と少女の胸の隙間に手を突っ込む……革は動きやすさ重視なのか柔らか仕上げだが、鎧の大きさに対して少女の胸が大き過ぎるせいかかなり窮屈だ。
お、俺じゃないですよ。この少女が自分で触っているんですよ……あー、革鎧の内側に隠しポケットが作ってあるのか。
そこから小さな指輪を取り出し……俺の右の小指になんとかはめる。
この指輪、小さく鋭い突起がついている。
その突起を内側にして……これって、握手すると相手に刺さるやつ?
俺は続けて少女の右太ももをまさぐり始める……これ、見た目は本当にただの痴漢だな。
右太ももにも革ケースが装備されていたが、今度は取り外さずにケースを開き、中から金属の筒を取り出す……これ、ウェスさんからもらった毒の容れ物に似ている。
コルクっぽい栓を外して毒容器を水平近くにまで傾けると、その入口へ指輪の突起部分を浸す。
その後は慎重に毒容器に栓をして、革ケースへと戻した。
この流れ、あの小屋に襲撃かけるつもりと見て間違いないよな?
行かせちゃいけない……全身に力を入れる。
俺の動きがわずかに止まる。
もしかしてもう自分で動かせるのか?
急に俺の右手が手のひらを広げ、俺の顔をつかもうと向かってきた。
指輪の毒針でもう一度、俺に麻痺毒を注入しようって魂胆か?
必死に左手で迎撃に向かい、右手首をつかんだものの、今度は左手を動かされそうになる。
くっそ。何か手はないか?
少女が俺に使っているこの魔術……『同胞の絆』を『魔法封印』で無効化するってのは考えたけれど、あれは対象魔法なり魔術なりの魔法代償の六倍を追加で使用しなきゃだからな。
『同胞の絆』は魔法代償を十も使っていた魔術なんだ。
この場合、『魔法封印』は現実的じゃない。
俺は体の向きを変える。
腕の力ではなく体全体で少女の方へと倒れ込もうとする。
この指輪の毒針を少女に刺せたら……くっ。
今度は地面についていた片膝が急に膝を伸ばしやがる。
バランスを崩して倒れ込んだ俺の顔は、少女の顔へと近づいてゆく。
ドキドキする間も唇を意識する間もなく、俺の額が少女の額に激しくぶつかった。
「痛っ」
少女が声をあげたとき、俺の中に居た少女の意識がフッと消えた。
自分の体の感覚が自分自身に戻ったのを感じる……ただ、まだ体がだるくて素早い動きができない。
少女は起き上がりつつ、自分の脛当てから細身の短剣を取り出して構える。
俺は慌てて手斧へと手を伸ばすが、この体勢からだと間に合わない……そう考えた時にはもう、腰のベルトポーチへ手を突っ込んでいた。
指先に触れたのはあの魔石……ウォルラースが落としたペンダントの。
迷っている暇はない。
魔法代償を五ディエス消費して、俺はそのペンダントに封じられている魔術を使用した。
激痛が走る……いや、これはペンダントの魔術の効果ではない。
これは『虫の牙』の傷ムカデが俺を咬んでいるせい。
俺が魔法代償を消費したから、『脳内モルヒネ』の効果はもう切れているのか。
しかし少女には効いているようだ。
少女は自身の下腹部を押さえて地面にうずくまっている。
このペンダントの魔術……『身籠りの祝福』……は、使って初めて分かったが、女性の体を妊娠可能な状態にまで整えるというもの。
範囲内の女性全てが対象。
初期魔法代償は五ディエスだけど、そこからは一ディエスずつ追加消費する感じで効果は継続できる……体感五秒毎か。
少女は悲鳴にならない叫びを呑みながら、体を震わせている。
もはや短剣を手放してしまっている少女の全身が赤く見えるのは、体温が上がっているせいか……やがて、少女の股間の温度がじわりと上昇する。
少女が驚いた顔で俺を見つめる……その一瞬の隙を逃すほど俺は抜けてはいない。
全身に力を入れ、できる限りの素早さで少女への距離を詰める。
少女は慌てて小剣を抜こうとする……その手の甲へ、俺は右手を添えて握り締めた。
指輪ごしに、指輪の毒針突起が少女の皮膚を破り、肉に食い込んだ感触を感じる。
すぐさま少女の中に魔法代償の集中を感じるが、俺は再び右手をベルトポーチへと戻し『身籠りの祝福』を使う……少女の集めかけた魔法代償は力なく散らばった。
少女の動きが急激に緩慢になり、やがて動かなくなる。
俺は『身籠りの祝福』から指を放した。
深呼吸をする。
ようやく体が落ち着いてきた。
さっきの、少女が近づいてきたときの状況を思い出す。
少女が俺の体を通して使った魔術を再現するために。
あのとき。
少女の放った吹き矢が俺に刺さった瞬間、それを抜きながら俺は賭けて魔法を使った。
『カウダの毒消し』に『魔法偽装』を添えて。
捕縛中のブラデレズンを使って練習しておいて良かった。
『カウダの毒消し』は効果が強くない。
体に回った奴らの麻痺毒から回復は可能だが、体の自由が戻るまではある程度時間がかかるし、抵抗力が備わるわけでもない。
だから毒消しを使ったことが相手にバレてはならないのだ。
地面に突っ伏した状態で、自分の中の寿命の渦を整える。
一般的な猿種の……カウダの麻痺毒にやられると、渦の速度が遅くなる……それを再現して。
体の自由はきかないものの、寿命の渦はちゃんと操作できるのは幸いだ。
これなら、いざってとき魔法は使えるよね?
不意に何かが俺の首筋に触れる。
皮膚で感じたのではなく、その触れた何かが魔法を使ったから分かったこと。
いきなり刃を突き立てられるんじゃなくって助かったとは思うものの、魔法は魔法で恐怖だよ。
それにしても今の俺、皮膚だけじゃなく音も匂いも感覚がことごとく鈍っている……遠くに感じるんだ。
瞼は地面に突っ伏すときに閉じたっきり、今は開くことができない。
ハッキリと感じるのは、ただ、俺に触れている相手の……使った魔法のみ……『同胞の導き』という魔法。
効果は、触れている相手の鼓動に自分の鼓動を合わせてゆく……ど、どういう魔法?
また魔法が使われた!
いや、今度は複雑な魔術……『同胞の絆』。
魔術の構成要素である魔法が情報として流れ込んでくる……ああ、そうか。
さっき、タービタさんを操っていたのはこれだったんだな。
『同胞の絆』は、触れた相手に呼吸と鼓動との速度を合わせながら使用すると、その相手と五感の一つを共有できる。
使用時に追加魔法代償を消費すると、共有できる五感の数が増えてゆく。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。
共有した側の少女は、俺の体が感じたそれを、効果時間……一ホーラの間はずっと受信できる。
ディナ先輩からゴーレムの感覚共有について受けた説明を思い出す。
ゴーレムからじゃなく、生きている人と共有できるってのがすごいな。
ただし共有している間、使用者自身の体は動かせなくなるみたいだ。
そしてこの機能が一番重要なんだけど、共有されている側の意識がなくなると、その間は、共有している側の意思で共有部分を動かすことができるようなんだ。
なるほど。それでカウダの麻痺毒か。
これで意識を失くせば体を動かせる……ああ、もしかしてケティをさらった死体のはずのアイツも、そうやって動かしたのか?
魔法の発動条件として鼓動と呼吸を合わせるってあるから、始めから死体に対しては使えないだろうけど、そう考えたら辻褄が合う。
少女が今回、俺に対して使った『同胞の絆』は視覚、聴覚、それから触覚。
待てよ……俺の元の世界のイメージで五感ってとらえたけれど、共有部分を動かせる効果、味覚の場合は会話ができて、触覚の場合は全身を動かせるって……正確には五感ではないんだな。
少女は俺を通して魔法を二つ……『熱の瞳』と『魔力感知逃れの衣』……使い、その後、俺の体を使って少女自身をお姫様抱っこさせる。
サーモグラフィな視界に入る少女は幼い顔立ち。
体型や背格好からすると俺よりも年下だと思う。
髪型はツインテールで、縛り上げているせいか耳がよく見える……耳があるべき場所に穴が空いているのが。
この耳はおそらく爬虫種。
動かなくなったそんな少女を抱えて、俺は夜の森を移動し始めたんだった。
俺は少女に触れて『同胞の導き』を使用した。
自分の中で鼓動のリズムが変わってゆくのを感じる。
触れたまま呼吸を整え、浅くなった少女の呼吸に合わせてゆく。
よし……『同胞の絆』……試しに視覚と触覚で。
なんか不思議な感覚……俺が初めてリテルの記憶を意識したときと似ている。
あっ……リテルの記憶にアクセスできない!
でも代わりにこれ……この少女……レムの記憶?
俺はレムの記憶にそっと触れた。
● 主な登場者
・利照/リテル
利照として日本で生き、十五歳の誕生日に熱が出て意識を失うまでの記憶を、同様に十五歳の誕生日に熱を出して寝込んでいたリテルとして取り戻す。ただ、この世界は十二進数なのでリテルの年齢は十七歳ということになる。
リテルの記憶は意識を集中させれば思い出すことができる。
ケティとの初体験チャンスに戸惑っているときに、頭痛と共に不能となった。
魔女の家に来る途中で瀕死のゴブリンをうっかり拾い、そのままうっかり魔法講義を聞き、さらにはうっかり魔物にさらわれた。
不能は呪詛によるものと判明。カエルレウムに弟子入りした。魔術特異症。猿種。
フォーリーでディナやルブルムへ異世界から来たことをとうとう打ち明け、そして新たな呪詛をその身に宿した。
ゴーレムを作ることができる紅魔石をディナよりもらった。
ルブルムとケティを守り抜こうと心に誓った矢先、ケティを守れなかった自分に不甲斐なさを感じている。
ホブゴブリンとゴブリンの魔法を少し覚えた。
またもや毒にやられたっぽい。
・ルブルム
寄らずの森の魔女カエルレウムの弟子。赤髪の美少女。リテルと同い年くらい。猿種のホムンクルス。
かつて好奇心がゆえにアルブムを泣かせてしまったことをずっと気にしている。
カエルレウムの弟子を、リテルのことも含め「家族」だと考えている。
質問好きで、知的好奇心旺盛。驚くほど無防備。
ディナの屋敷でトシテルとの距離がぐっと近づいた。
戦闘時の息の合い方はケティが嫉妬するほど。
ダイク戦の後、突然、倒れた。今は深い眠りの底。
・ディナ先輩
フォーリーに住むカエルレウムの弟子にしてルブルムの先輩。
男全般に対する嫌悪が凄まじいが、リテルのことは弟弟子と認めてくれた様子。
アールヴと猿種のハーフ。壮絶な過去を持つ。
ゴーレムを作る魔法品をトシテルへくれた。
フォーリー以北への旅について、大量の忠告をしてくれた。
・ウェス
ディナ先輩の部下。肌が浅黒い女性で、男嫌いっぽい。
兎よりもちょっと短い耳をしている蝙蝠種の半返り。
何につけてもプロフェッショナル。
リテルに「魔法を使えなくときもあるだろう」と毒をくれた。
・マドハト
赤ん坊のときに取り換え子の被害に遭い、ゴブリン魔術師として育った。犬種の先祖返り。
今は本来の体を取り戻しているが、その体はあんまり丈夫ではない。
ゴブリンの時に瀕死状態だった自分を助けてくれたリテルに懐き、やたら顔を舐めたがる。
リテルにくっついてきたおかげでちゃっかりカエルレウムの魔法講義を一緒に受けている。
フォーリーの街中で魔法を使ってしまい、三年分の魔法代償徴収刑を受けた。
勇敢なのか無謀なのかわからないときがある。いつも明るい。
・ケティ
リテルの幼馴染。一歳年上の女子。猿種。
旅の傭兵に唇を奪われ呪詛に伝染。
リテルがずっと抱えていた想いを伝えた際に、呪詛をリテルへ伝染させた。
カエルレウムが呪詛解除のために村人へ協力要請した際、志願した。
リテルとの関係はちょっとギクシャクしていたのだが、再会したときにはなんかふっきれていたが、ケティの記憶の中のリテルと今のリテルとの違いに、やっぱり違和感を覚えている。
鍛冶に使っていたハンマーを武器として使う。
死にかけたり、盗賊団の毒で意識不明になったり、散々な目に遭っている。
・ウォルラース
街道で襲われた商人。
ディナ先輩と因縁があるウォルラースと同一人物のようだ。
名無し森砦を守る兵士たちとグルで、スノドロッフの子どもたちを狙っていたっぽい。
本来は身を守るための魔法品を、相手の無力化に用いたりなど、魔法品を使いこなす。
ダイク達を残し、単身離脱した。
・スノドロッフの子どもたち
魔石が採れるという伝説の地スノドロッフに住む三人の子どもたち。
男子がトーム。ミトとモペトが女子。全員、猫種の先祖返り。
盗賊団に誘拐された挙げ句、ケティ同様の毒で意識不明状態にされていたが、白魔石に封じられていた魔法で回復した。
全員、無事に取り戻した。
・ベイグル
猫種の先祖返り。
槍を持つスノドロッフの村の住人。魔法に詳しい。
・タービタ
数日前に失踪したスノドロッフ村の女性。
槍を持ち、なぜか全裸で襲いかかってきた。どうやら操られている。
・レム。
魔法に長けた爬虫種の少女。
リテルより若いが胸はかなり育っている様子。髪型はツインテール。
カウダの毒を塗った吹き矢や短剣を使う。
● この世界の単位
・ディエス
魔法を使うために消費する魔法代償(寿命)の最小単位。
魔術師が集中する一ディエスは一日分の寿命に相当するが、魔法代償を集中する訓練を積まない素人は一ディエス分を集中するのに何年分もの寿命を費やしてしまう恐れがある。
・ホーラ
一日を二十四に区切った時間の単位(十二進数的には「二十に区切って」いる)。
元の世界のほぼ一時間に相当する。
・ディヴ
一時間の十二分の一となる時間の単位(十二進数的には「十に区切って」いる)。
元の世界のほぼ五分に相当する。
・クビトゥム
長さの単位。
本文中に説明はなかったが、元の世界における五十センチくらいに相当する。
トシテルが元の世界の長さに脳内変換しないでもいいくらい、リテルが日常的に使っていた単位。
・アブス
長さの単位。
元の世界における三メートルくらいに相当する。
・プロクル
長さの単位
一プロクル=百アブス。
この世界は十二進数のため、実際は(3m×12×12=)432mほど。
・通貨
銅貨、銀貨。
十銅貨(十二進数なので十二枚)=一銀貨




