表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/44

6 作戦会議

「次はどうしたら良いのかしら?」


 自分で分かる範囲をあらかた調整し終えたのでルナに次の工程を尋ねる。


「温度変化で気候も安定したようですし、原始生命を誕生させましょう」

「えっ? もう? ……大気組成とかオゾン層とかいじってないんだけど大丈夫なの?」

「それらは生き物の進化に影響を与えますし、逆に生き物の影響でそれらも変化していきますので、下手にいじるより自然に任せたほうが結果的にスムーズに行くかと思われます」

「そうなのね。……でもうまくいくかしら……ちょっとした変化で宇宙人みたいな見た目に進化したら怖いんだけど……」

「シア様の力で目標に設定された願いに到達できるように補正されてますので、そこまで心配しなくても大丈夫ですよ。よほど大きな外部要因でもなければ失敗することはありません」

「例えばあんな感じの巨大隕石が落ちてこなければ~とか?」


 そういってたまたま窓の外に見えた小惑星を指差す。

 ちょっと遠くにあるためただの光点にしか見えないが、星である私にはなんとなく大きさがわかる。

 

「……そうですね。あのサイズの小惑星がまともに落ちてきたらシア様そのものが崩壊しかねませんね」

「生命誕生の前にアルマゲドンとか勘弁してほしいわ」


 場を盛り上げるためにやれやれといったジェスチャーでおどけてみせた。

 といっても私の他にはルナしか居ないのだけれども。


「……シア様、大変申し上げにくいのですが……これは直撃コースですね」

「……え?」


 あまりに唐突に告げられた事実を理解した直後、膝から力が抜けへなへなと床に座り込んでしまった。


 誰だよフラグ立てた奴はぁぁぁぁ!! 私だぁぁぁぁ!!!!

 まってまってまって! やばいやばいやばい!

 落ち着け私ぃぃ……落ち着いて素数を数えて……る場合じゃなーーーい!!


「このままですと衝突の衝撃でシア様は木っ端微塵になってしまいますね……」

「……こ、木っ端……そんなぁ……」

「多少の破損なら問題ないのですが、予想される損壊レベルですと確実にシア様は粉々になってしまいます」

「……粉々になっても再生できたりしない……? ほら……私、星だし……」

「確かに粉々になっても重力により再び結合して星の形にはなります。しかしそれはもうシア様とは別な星です。シア様の意識は完全に消滅してしまいます」

「……こんなところで終わるなんて……」

「できることはまだあるはずです。いろいろ手を尽くしてみましょう」

「うぅぅ……るなぁ……」


 涙でグシャグシャになった顔を拭いて立ち上がる。

 小惑星を示す光がさっきより大きくなった気がする。

 あまり時間が残されていないのかもしれない。




 能力で出したメガネと白衣を身に着け、指示棒を持ってホワイトボードの前に立つ。

「これより作戦会議を始めるわよ!」

「シア様……遊んでいる場合では……」

「何事も形は大事よ!」

「そうおっしゃるならば……」


 ルナが不服そうな声をあげるが無視して先に進める。


「第一案! でっかいクッションで受け止める!」

「…………シア様、短い間ですがお世話になりました」

「見捨てないでぇぇぇぇぇぇ! だっでだっでわだじだっでどうじだらいいが、わがんなぐでぇぇぇぇ」


 再び顔が涙でグシャグシャになる。


「ふぅ……いまからシア様の能力で生成したとしても、あの隕石のエネルギーを緩和するサイズまで大きくできませんし、できたとしても巨大すぎて星の構成物質の大半を使うことになりおすすめできません」


「うぅぅ……じゃぁ第二案! 星に隕石の形に穴を開けてそこを通す!」

「…………」

 

 ルナから呆れたような雰囲気がひしひしと伝わってくる。

 仕方ないじゃない……これでもない頭を絞って精一杯考えたんだよ!?


「穴……というかトンネルを支えるだけの強度が確保できませんね。惑星中心部は高温の溶岩ですし、自転によって隕石の通過経路は相対的に曲線を描きます。他にも小惑星の重力もかかりますから、それにも耐える構造と強度はやはり現実的ではありません」


 なんだかんだできちんと考えて計算してくれるルナはいい人なんだなぁと思う。

 しかし今は存亡の危機! 早く次の案を出さねば! 


「うーんそれじゃ…………隕石が来たらすばやく横に避ける! とかは?」

「それだけのスピードで加速しますと隕石がぶつかるより大きな衝撃が加わって、被害がより甚大になってしまいますね……」

「ぐぬぬ……あっ! それなら今から無理なく加速して移動すればぶつからなくて済むわ!」

「残念ですが、その場合でもシア様の重力に引かれて隕石が軌道修正してしまい、結果的に衝突は免れません」

「結局ぶつかるんじゃ……振り出しに戻っちゃったわね……八方塞がりってやつかしら……」

「…………」


 場を沈黙が支配する。

 いろいろ考えたけどどうやら私はここまでらしい……そう考えていた時、ルナから思いがけないことが告げられた。


「……シア様の案を組み合わせればなんとかなるかもしれません」

 

 ……まじで?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ