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26 スイーツ&ティー

 ルナに教えてもらった海中はまさに私が夢見たジェラシックで、いまだに興奮が冷めやまない。


「いやー首長竜の決闘も良かったけど、その後のサメとの死闘もすごかったわね!」

「うん……すごかった……海だったら……前の私でも負けると思う……」


 巨鎧種は巨体を維持するために呼吸器官が非常に発達してるせいで比重が軽く、その体は容易に水に浮いてしまい水辺には近寄らなかった。

 そのため海に進出した恐竜は無事に繁栄することができたのだ。

 現代ではゲンゴロウなど水棲昆虫もいるが、カブトが陸棲だったために水棲の巨鎧種は生まれなかったのかもしれない。


「ルナ教えてくれてありがとう。とっても良いものが見れたわ」

「いえいえ、喜んでいただけたようで何よりです。あと先程のハチミツを利用したおやつもどうぞ」

「ほんと、できたメイドだわー」

「……美味しそうなにおい……」

「ラヴィーちゃんの分もありますよー!」

「ありがとう……ルナおねぇちゃん……」


 あれれー? おかしいなー? ラヴィーのほう三倍ぐらいあるなー?

 ま……まぁいいわ……早速いただこうかしら。


 ルナが作ってくれたおやつは、水につけて灰汁を取った木の実を蒸してハチミツを絡めながら鍋で熱して、ハチミツの水気をとばしてトロミをつけたものだ。

 一言で言うなら『木の実で作った大学芋』が一番しっくり来るだろうか。


「これ美味しいわね!」

「……ルナおねぇちゃん……おかわり……ある?」

「まだまだありますよぉ!」


 そう言ってルナはキッチンへと引っ込んでいった。

 というかラヴィー食べるの早すぎじゃない?

 あっ、すっごい目をキラキラさせてキッチン見てるわ……可愛いなぁ……もう!

 

 ラヴィーがスプーンを握りしめて待っていると、ルナが先程のおやつを土鍋で持ってきた。

 そのまま食べさせるのかと心配したが、ちゃんと小鉢によそってラヴィーに渡してくれた。


「……こんどは……じっくり味わう……」


 どうやら私もおかわりできそうだ!


「シア様、こちらもどうぞ」


 そういってテーブルに出されたのは日本人に馴染み深い『緑茶』だった。 


「お茶じゃない!? どうしたのこれ!?」

「お茶の原料となる茶の木はまだ誕生していませんが、その祖先となる近縁種が出てきましたので味が近くなるように数種類ほど選出してブレンドいたしました」

「やるじゃない!」


 この部屋の中では『星の願いを』や神力でいろいろ生成できるが、食べ物や生き物は星に存在するものだけという制限がある。

 私のいた時代の食べ物はほとんど存在してないのだが、ルナは今の星にあるものでやりくりして見事なお茶を用意してくれたのだ。


「うーーーーーん! おいしぃ~! とても懐かしい味だわ」

「お気に召したようで何よりです」

「ん……お茶、おいしい……自然の……いい匂いだけ集めたみたい……木の実とあう……」

「そうだ! この調子でいろいろと調味料を作っておいたら料理もできるんじゃない!?」

「今の所ですと塩と砂糖と植物油は生成できます。胡椒などの香辛料や醤油と味噌などの発酵食品は、様々な代替物の調査や食物と微生物の配合を試しているところです」

「仕事が早い!」

「お菓子だけではラヴィーちゃんの味覚が偏ってしまいますからね」


 さすがはラヴィー大好きメイド。

 

「塩があるなら焼き魚とかいけるんじゃない?」

「食べれなくはないと思いますが味は保証できませんねぇ……それではそちらはシア様にお任せいたしますね」

「えーー! わたし魚なんて捌いたこと無いんだけど……」

「能力で生成する際に寄生虫と病原菌さえ除外すれば、あとは内蔵を取って棒に挿して焼くだけですよ」

「ずいぶん大雑把ね……」

「慣れてきましたら鱗をとったり、塩で表面のぬめりを取ったり、三枚おろしにしたりと色々ありますができることから始めてみましょう」

「そうね。こんどラヴィーと焚き火でもしながら試してみるわ」

「うん……やってみる……」


 その後も様々な食材の可能性を議論しながら穏やかな時間が過ぎていく。


「お茶もお菓子も美味しいわねー。ルナまた作ってくれる?」

「一度作りましたので、次からは『星の願いを』で生成できます。いつでも大丈夫ですよ」

「あ、この部屋で作ったものもカウントされるのね。でも際限なく食べるのもあれだし、おやつの時間とか決めといたほうがいいわね」

「そうですね。ではシア様の体感時間に連動する時計を生成しておきましょう」


 ルナが壁に手を向けると床から二メートルほどの高さで壁がポワッと小さく輝き、丸くて白い壁掛け時計が生成された。




 せっかく生成された時計だったがお茶の懐かしい味と甘いお菓子の虜になった私達は、時を忘れてまだまだスイーツタイムを楽しんでしまうのだった。



 

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