0、血池悪夢《死に体の少年》
どうぞお楽しみ下さい!
アセンブル!!(仮)
ーー嗚呼、これが自身の末路か
少年は地に伏していた。
なぜこんなことになっているのかも覚えていない。
ただ今、自分が死にかけていることだけは分かる。覚えている。
ふと後頭部に険害な視線を感じた。
毛様体筋の動きを必死に働かせ、少年はその何かを見る。
そして捉える凶相の数々。
にたりと見える赤の三日月は底冷えするヒステリックな声と一緒に少年を囲む。
眼瞼痙攣だろうか、視界が幕を下ろしては上げていく。
再び少年は自身が横になる地面へと視線を戻した。
赤い絨毯がそこには敷かれていた。
ーーちゃぷちゃぷ
敷き詰められた赤が波紋を立てながら音を響かせる。
赤といっても少し黒が滲み出ており、不気味さを感じさせた。
ドロドロとした液体は腕の白シャツにまとわりつき、染みる。
ーーあ、違う。これ、俺の血だ。
くそったれ、と手の指に力を込めた。
手の合間から抜ける血は掴むことなど不可能で、手に血がこびり付くのみだ。
腹筋に何か異物が感じられた。
冷たい感触が筋繊維を千切り裂く。
熱い激流が溢れる。
どうやら腹にナイフか何かが刺さっているようだ。
どうりでまだ赤色が広がっていたのか。
納得はしたが、できていない。
こんな刺されるようなことはしていなかったはずだ。
少年は自身の行動をかえりみる。
だがしかし、その前に思考に靄がかかる。
ーーあ、やばい。もう死んだかもしれない。
最後に見えたのは紫水晶の宝石がはめられた古びた指輪。
右手の人差し指にはめられた錆びの付くそれは眩しく光る。
そして世界を、紫気が包んだ。
少年はその大気へと身を落とした。
これは青年がちょうど11歳頃の話であった。
本気で感想ページに題名案を出して頂きたい・・・。




