宿屋で
今回短めとなっております。
次回から前と同じ量になりますので安心してください。
宿屋に戻るとあの少女が今日も店番をしていた。
夜遅くだが少女は起きていても大丈夫なのだろうか?
そう思っていると少女はこちらに気付いていないのか、欠伸をしている。
途中で"あ"と声を出してこちらに気付いたようだ。
「すいません、遅くの時間となるとどうしても出てしまうので」
笑いながらそう返してくれた。
俺はそのことに気にしていないと伝えると安心したような表情を見せる。
「お母さんには内緒にしてください。さすがに恥ずかしいので」
「大丈夫だ、言わないよ」
「あ、お休みになられますか?それともお食事にしますか?」
忘れていたようで話題が急に切り替わった。
俺はその話を聞いて確認のために聞いておく。
「この時間でも、まだ食事は出てるのか?」
「ぎりぎり大丈夫だと思います」
「分かった、頂こうか」
ではこちらにと、欠伸をしたことを隠すように真面目に対応している。
なんだかその姿に先程の姿と比べて"ッフ"と軽く笑ってしまった。
それを聞いた宿屋の娘は"もう"と頬を膨らまし怒る。
何となくそのほっぺたを潰してみたいと思ったが、これ以上長引いたら料理が食べられないと思い、ほっぺを潰すことなく食堂へ向かった。
「あんたで最後だからね」
女将さんが料理を盛って俺にそう言う。
俺はすまんと少し謝りながらスープとパンを貰う。
スープは少し、というよりかなり冷えている。
俺は魔法を使ってそのスープを温めることにした。
前までは精密操作が苦手だったが、転生をしたおかげなのか前よりも扱いが上手くなっていた。
想像力で魔法を発動させる。
この方法は一般的ではないと心の中で思いながら発動させる。
村長がおかしな人だったのだ。
魔族の魔法は想像だけで発動させるだとか、こっちの魔法は魔道具を作るみたいに魔方陣を大事にする、詠唱を大事にして威力が弱いだの、ホント変な人だった
魔法の教え方も想像だけで発動させるように特訓させられたし、魔方陣も指で魔力を使って空中に書かされたり、とんでもない教え方だった。
他の冒険者仲間に魔法を交換したときに驚かれたこともあったな。
うん、おかしい。
おっと、今は食事の最中だった。
食事を温めたのにまた冷めるところだった。
また温めるのも嫌だし、さっさと食べないと。
急いで食べ始める。
今回も塩と香辛料、まあエントの種な。
昨日と材料は殆ど同じだが、野菜が少し違うだけでこんなにも感じ方が違うのか。
昨日のと甲乙付けがたい。
堪能して食べようとしたが時間が迫ってることを思い出し、直ぐに食べる。
雑穀パンの配合が昨日と違ってこれまた美味しかったが、急いで食べる。
なんと芸の細かい料理かと思ったが、さっさと食べる。
食べ終わると食器を渡し部屋へと戻る。
服を脱ぎベットに横になると久しぶりの人との戦いに疲れていたのか、この身体で闘気を使ったことが初めてであったから、疲れやすかったのか分からないが瞼は直ぐにふさがった。
その直ぐ後に緩やかな寝息が部屋になり出すのだった。
目が覚めたら知らない天井・・・今更か。
昨日のうちにこのネタをやっておけば良かったかも。
何ともどうでもいいことだが、部屋を"コンコン"と叩く音が聞こえる。
どうやら朝食が出来たようだ。
今日は女将さんが呼びに来たようだ。
娘は遅くまで起きてたからなのか、それとも食堂の方で働いてるのか分からないが、俺は返事をする。
着る物は装備ではなく、町中を歩くように買っておいた物を着る。
なるべく地味な物にしたが、ダサくはない格好にもしている。
昨日は闇ギルドに・・・・・今日も行くんだった。
"ハァ~"と溜息を吐きながら、着ている最中の服を脱ぎ、鎧に着替える。
食堂に着くと肉を焼いたものにソースを掛けた物が出る。
口に入れてみるとそのおいしさに驚いた。
ソースはエントの実を磨り潰し液状にした物に酢を少し加えて塩で味を調えている。
その御陰で朝でもあっさりした物になっている。
俺は肉をパンに載せて一緒に食べる。
これもパンに合わさって美味しかった。
肉を食べ終わったら、パンを使ってソースを掬い一緒に食べる。
最後は口の脂っこさを無くして良かった。
外の井戸で口を濯いだ後、俺は闇ギルドに向かった。
そこでは予想していたとおり、ゼクウが俺を待っていた。




