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依頼の成功

 ただ無言で二人は向き合う。

少女は恐怖のためなのか、それとも目の前で人を殺したということが理解できていないのか、理解するのを拒絶しているのか。

少女はじっと見るだけで分からない。


「・・・怖いのか?」


「・・・・・」


 少女はただ黙るだけで何も口にしない。

どんな考えが頭の中を駆け巡っているのか分からない。

俺があっさりと人を殺したことに、自分の父親もが同じ職業だと言うことに気が付いたのか、それとも・・・・・自分が狙われる存在だから、迷惑を掛けないように消えてしまおうかとか考えてるか。

決して、最後の一つは予想だけでしかない。

最初に転生した子が親に迷惑を掛けてると気付き家を出たのことがあった。

記憶の中での出来事だっていうのに妙に引っかかる物がある。

それだけの理由で出た考えだ。


 静かな部屋の一室で、ただ時間だけが過ぎていく。

外から聞こえてくる隙間風や、野良猫がネズミを追いかけているのか鳴き声が聞こえてくる。

意識を外に向けていると、また近づいてくる人物がいた。

それは、依頼人だった。

体つきや歩き方、その装備も依頼を受けたときと変わりがなかった。

唯一変わっていることは、武器の類が変わっていることだろう。

依頼で使い潰したか、一度きりで終わらせる物だったのか。

俺には分からない。

それに、無駄に詮索しない方が、これから先この世界で生きて行くには重要だろう。


「ただいま」


「おかえり」


 元気そうな声に対して、返された声は暗い返しだった。

その返しだけで全部理解したのか、それともその原因を作ったのが俺しかいないからなのか、こちらを見てくる。


「すまん、隠れているように言ったんだが、見られていたのかもしれない」


 俺は近づいて小さい声でそう言う。

ゼクウ"ハァ"と溜息を吐いて俺の目をしっかりと見て言う。


「依頼主の俺が原因だ。護衛だけだって依頼を出してたせいだ」


「いや、俺がしっかりと見えないようにしなかったから・・・」


 二人でこそこそと話し合っていると、マリーがそれを遮った。

弱々しいが力強い、その小さな身体でいった。


「セルドは捕まっちゃうの?」


 その言葉を聞いて二人して呆気にとられてしまった。

どうやら、マリーは俺が人を殺した事で衛兵に差し出されるんじゃなのか、そんな事で悩んでいたらしい。

どうやら、完全に俺の予想は外れていたらしい。


「マリー大丈夫だ、セルドは捕まらない。盗賊を殺しても捕まらないだろ?」


「さっきの人って強盗しようとしてたの?」


「ああ」


 ゼクウはそう軽く返事をする。

俺は内心こう思っていた。

盗むって彼女の命を刈り盗るという意味なのかという、不謹慎な考えが浮かんでいたが表情には出ていなかったため、気付かれなかった。


「よかった!これで明日もセルドから魔法を教えて貰えるわ!」


 魔法という単語が出てきてゼクウは驚いている。

それは娘が魔法を教えて貰っていることに驚いているようだった。

 教えちゃ悪かったかと思っていると、ゼクウは娘から俺の方に視線を向けてきた。


「魔法はどこまで使えるんだ?」


「まあ、火と土だったら中級くらいには使える。それ以外だったらせいぜい初級だな」


「茶髪だから大体は分かったが、陰と陽のどっちだ?」


「陰が中級まで、陽が初級までだ」


「回復は?」


「全属性が初級だったら使える」


「全属性って・・・中々珍しい体質だな。まあいい、魔法は誰から教わった?」


「俺の村の村長が使える人だったんでな、子供の時に教えて貰った」


「それなら、教えてもいいな」


 その言葉を待ってましたと言わんばかりに、マリーは言う。


「せルドが魔法を教えてくれてもいいでしょ?ね、ゼルドもいいでしょ?」


 二人の顔を見ながら、少し困ったような顔をして断りにくい空気を醸し出してきた。

そんな顔をされてしまったら、断る事も出来ないし、断ったらゼクウに殺されてしまうだろう。


「いいのか俺で?」


「セルド以外に誰がいるのよ!」


 元気に言い放ってくれた。

俺は少し口元を緩めながら了解する。


「じゃあ、明日からは護衛依頼と魔法を教えることでいいのか?」


 俺はゼクウにそう聞くとゼクウは少し悩んで返答する。


「明日は魔法を教えるだけでいい。護衛は俺がするからな」


 そう言ってゼクウはニヤリと笑う。

俺はそれにつられるように笑いこちらも言う。


「護衛分の依頼がないからその分は差し引くとして、魔法の授業って依頼はどれくらいにするか?」


「そうだな・・・これくらいでどうだ?」


 指でその数を示してくる。

俺は念の為聞いてみる。


「銀貨でか?それとも銅貨で十の位でか?」


「銀貨でだ。娘が自衛の手段を覚えるならこれくらい安いぞ」


「わかった、じゃあギルドで指名依頼にでもしておいてくれ」


 そして、話が纏まったため二人で手を握るのだった。

そこでふと、思いついたことを聞いてみる。


「もし、マリーに適正がなかったら魔方陣を書くことでいいか?」


「ああ、それでもいいぞ。だが、適正を調べるときは俺もいさせろ。いや、俺にも教えてくれ」


「いいさ、教える」


 魔法を教える程までの腕でもないが、現代知識と魔法の知識、そして自分の中にある魔力が膨れあがってるから、それらの確認を魔法を教えるついでに確認したい。

あと、魔法の適正も忘れないで調べておきたい。

転生の影響なのか、適正も幾ばくか変わってる気がする。


 明日確認することを心の中に決めて、闇ギルドへ行くのだった。

その目的はもちろん報酬を手にすることだ。

報酬の提示は既にしてあるので、それを手にして道具類を買いに行こう。

それに、チェドに払わないとな。

いや、出来てからでもいいか。


 頭の中でそんな事を考えながら歩いていると闇ギルドに付いた。




 扉を開けると受付の男が俺が入ると何か言いたそうな顔をしてこちらを見ている。


「待っていたよ」


「どうしたんだ?」


 言われたことに取り敢えず聞いてみる。


「君ねえ、相手は暗殺者だよ?それなのに少女を一人おいて戦いに行くとかアホじゃない?」


「アホって・・・」


「他にもいたらどうしてたんだい?少女なんて簡単に殺されちゃうんだよ?」


「魔法で調べてもいなかったし、それにしっかりと魔法を掛けてたからーーー」


「は、魔法は万能じゃない。暗殺者だって感知できないようなアーツを使えるんだぞ?」


「え・・・」


「僕が君のお守りをしてたのに全然気付かなかっただろう?」


「え!」


「それに、君が彼女と戦っている間に来た暗殺者のことも気付いていなかっただろう!」


「マジ!」


 思わず驚きの余り、転生前の言葉を言ってしまう。

それに指摘することなく、受付は無視をして言ってくる。


「いいかい、暗殺者を舐めるんじゃない!それに魔法に頼りすぎるのも良くない!闘気だったら多少はいいかもしれないが・・・」


「闘気だったら幾らかは使えるぞ?」


「っは!?」


「ゴドに教えて貰ったら出来るようになったぞ?」


「じゃあ、明日からそれを使ったりしろ。闘気は生命力みたいなもんだから誰にでもある。まあ、それを扱える物はいるが、魔法が使えない欠点もあるが、まさか両方使えるとは」


 なんとか誤魔化すことが出来た。

ぽろっと出るとか直さないといけないな。

いや、転生すれば性格も変わるから大丈夫か?


「わかった。明日から闘気で探索してみる」


「そうしてくれ」


 なんだか少し疲れたような声で言ってきた。

だが、俺はそんなことに気にせず報酬のことを聞いてみる。


「報酬はどうなるんだ?」


「忘れてた。まあ、僕が助けたのもあるけど成功は成功だから、あのままで支払われるかな。まってて、今から持ってくる」


 そう言ってお金を出した。

それは報酬通りのお金だった。


「ありがと」


 俺はそう言ってお金を受け取る。


「明日はゼクウさんから俺に指名依頼があると思うぞ」


 思い出したことを取り敢えず言っとく。

それを聞いた受付は分かったと言って受付に戻っていった。


「じゃあな」


 俺はそういった後、宿屋に向かうのだった。

 ちょっと短いけど、テスト勉強してるから仕方ないよね。

だって、学生なんだもん。

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