護衛依頼
宿に泊まった次の日、早速闇ギルドに来ていた。
「この依頼を受けたい」
「これですか?暗殺や殺しじゃなくて護衛依頼ですよ?」
「そうだ」
「じゃ、裏に来てください」
受付の男に付いていき裏に行く。裏では山賊の頭のような人や、不気味な風貌をした女など様々いる。
たくさんいる中から受付の男は見つけ出し、その名前を呼ぶ。
「お、いたいた。ゼグウさん依頼を受けてくれる人が見つかりましたよ」
依頼人が裏で待っているシステムなのか?変なシステムだな。
心の中でそう思うが受付の男はそれに気が付いたのか教えてくれる。
「ここはまあ、暗器や毒薬など殺しに使う物を取り扱ってたりしてる所です」
「そうなのか」
「毒薬の調合や、武器の手入れ、暗器の制作など時間が掛かるからな、ここで待って時間を潰したりしてるのが殆どだよ」
「それだけなのか?」
「個人で賭け事をやったりや、気の合う仲間を探したり、手伝って貰う者などを探したりとか様々だ」
そうなのかと俺が言った後、受付の男はゼクウと名を呼ぶ。男の元に向かい依頼を受けるや、腕は問題ないなど聞こえて来る。
「魔装のセルドか、なんで闇ギルドに入ったんだ?」
少し威圧が込められたように言われるが、死に瀕したモンスターから与えられる威圧と比べたら小さい。おそらくわざと抑えているのだろう。これで怯んだら護衛はさせないとの意味を込もってるのだと思った。
「奴隷にされた復讐だよ」
「ゴドは?」
「俺だけ奴隷から偶々解放出来た。だがあいつは解放出来ずに死んだ」
「同士討ちか?」
貴族が奴隷を使って戦わせて楽しむという行為を刺しているのだろう。だが、そんな事は無かったし運の悪い事故があって俺は逃げれたが、あいつは死んだと俺は言った。
それにと、付け加えて言う。
「俺よりもあいつの方が持続力も効力も強いんだよ。だから戦っても勝つことは出来なかっただろうな」
「そうか」
「俺の魔装は魔力を使うんでな、ゴドの呼吸で闘気を練って増やすことも出来なかったからな、どうしてもそうなるんだよ」
「おいおい、大丈夫なのかよ、そんなんで護衛が務まるのか?」
「ああ、魔力も増えてきたし調整が出来るようになってきたんでな、1時間戦うくらい大丈夫だ」
「よし、こいつを護衛にする」
ゼクウはそう言うと、受付の男が分かりましたと言い、依頼書にサインを貰っていた。
俺もサインを求められたのでサインをする。
「初の依頼頑張れよ」
そう言われて俺はゼクウの護衛をすることになった。だが、ゼクウの姿や筋肉の付き具合から護衛なんて要らないように感じるが、どうして護衛なんて雇ったのだろう?
「お前にやって貰いたいのは娘の護衛だ」
「娘の?」
「闇ギルドをやっているとな意外と恨まれるもんなんだよ。娘を養うためには依頼を受けないと稼げない。その稼ぐ間に襲われたら元も子もないだろ」
「そういうことか」
納得する。だがそれと同時に驚くが、顔には出さないでおく。娘がいるのかなんて表情に出した日には依頼が無くなってしまうかもしれない。
「今から家に連れてくから、俺が依頼の間娘を守ってくれよ?」
「分かった、絶対に守る」
男の暗器は俺が依頼の話をしている間に出来ていたようだ。
仕事内容を聞きながら俺は歩いてゼクウの後ろを連いて行った。
・・・
お父さんが今日は誰か連れてきた。
いつも怖い顔の人を連れて来るけど、いつもよりは大人しめな人が来た。
いつもお父さんが出かける時に来るの。
なんでだか分からないから聞いてみたの、そしたら私の事が心配だって言われたわ。
もう私は子供じゃないのにって何度も言うのに聞いてくれないの、おかしいわ!
「俺の名前はセルドだ。今日と明日の間一緒にいる」
「私の名前はマリーって言うの!よろしくセルド!」
いつもは怖くて言えないけど、この人には言えた。私の頭を偉いねって言って頭を撫でて来たけど、子供じゃないって言ってはねのけちゃった。
セルドは怒ってないかな?
「子供じゃないのか、じゃあ大人と同じように扱わないとな」
よかった、セルドは怒ってなかった。
優しい声で言ってくれたから間違いないわ!
「そうよ!私はもう子供じゃないの!」
私は嬉しくって大きな声で言ったわ。それに対しても穏やかに返事を返してくれた。
「私と遊びなさい、セルド!」
「どんな遊びがいい?魔法を教えることも出来るぞ?」
「魔法!魔法が使えるの!それでいいわ!教えて!」
セルドって魔法が使えるんだ!凄いわ、私の知ってる魔法使いなんて魔法屋にいるヨボヨボのお婆ちゃんだったり、怖い顔をした冒険者だったりしか知らないわ!大人しめな人で魔法を使えるなんて教えるのに最適だわ!お婆ちゃんのゆっくり話すんじゃなくて、冒険者のように怖くないから安心して魔法を覚えられるわ!
「どんな魔法が使えるの!」
「魔法か、火属性や土属性をよく使っている。まあその二つが使えると認識した方が早い」
「どうしてその二つを使ってるの?」
「火属性は見た目も派手だし威力もある、それに比べて土属性は地味だが野営の時などには便利だ」
「へー」
冒険者をするときには役立つのね!教えて貰おうかしら?でも回復系も使えるか聞いてみようかしら?
「回復系は使える?」
「回復系か、どの属性がいい?」
「どの属性があるの?」
「全ての属性にあるな」
「そうなの?光くらいしか無いと思ってたわ」
「例えば、火属性は活性化で傷の治りが早くなる。水属性は毒の治療、土属性は腐敗または石化の回復、風属性は疲労の回復、光は欠損の回復、闇は精神の回復など属性によって分野が変わってくる」
マリーは矢次早にどんどんと質問を繰り出す。それにセルドはしっかりと答えていく。
「なんで風属性だけは疲労の回復って微妙なの?」
「風属性は入れ替えるといった方がいいのか、すまん、他の属性の回復の原理などは調べていないからわからん」
「でもいいわ!どんな属性でも私は回復させれるって聞いたからね!」
「回復は攻撃魔法とは違い、扱いにくい。使うときも状況に合わせて使わないといけないから大変だ。それにそこは適正も表れてくる。それに、陰属性の方だけに片寄ってたら使えないぞ」
「私の属性って分からないの?それからじゃないとどんな魔法が使えるか分からないじゃない!」
「はあ、まあいい。属性が分かってから教えるとするか」
魔法を教えてくれるなんていい人だわ!属性が分かったら早速教えてくれるのかしら?ああ、早く属性を調べて欲しい!でも、どうやって調べるのかしら?
「どうやって属性を調べるの?」
「属性は六芒星の陣に魔力を込めることで分かるんだが、その前に魔力を込める方法など出来ないだろう?それ以前に魔力を感じることも出来ないだろ?」
それにと付け加えて、六芒星の陣に魔力を吸収させる術式を組み込み手を触れることで、魔力の属性が何れかが分かる。その際に出る属性の色の量、そしてその色によって陰か陽かが分かる。そう伝えると一刻も早く調べたいというのが顔から伝わってきた。その前に気になる事が合ったのか口にする。
「詠唱で簡単に確認できるんじゃないの?」
「詠唱は一種のイメージの根源だ。詠唱でイメージを掴み、魔力を操作して発動させるんだ。これは頭の中でイメージして発動させることも出来るが、慣れない内は詠唱することを勧めるが、今は魔力を感じられない状態だから無理だ」
「魔方陣もあるわよね、あれはどうなの?」
「魔方陣か、魔方陣は属性を込めた魔力を魔法粉というエントの葉の灰や、魔石を磨り潰し粉にした物、それにスライムの核を練り合わせて乾燥そうさせた物に込めた物がそれになる。それは属性に関係が無く魔法が使えるが、それもやっぱり魔力を扱えないと無理だ」
「分かったわ。あ、エントの葉の灰に、魔石の粉、スライムの核を混ぜて乾燥させるのね!でもスライムの核は混ぜずに乾燥させた物を混ぜるのじゃ駄目なの?」
「それだと完全に定着しない。因みにだ、一度乾燥してしまっても水で戻せば使える」
「定着しないのは何で?」
「スライムの核は属性を取り込みやすい。だが乾燥した途端に取り込まなくなる。だが乾燥前にエントの葉の灰と魔石の粉を混ぜることで乾燥しても効果は維持したまま使えるという感じだ」
「なんでエントの葉の灰を入れるのかしら?」
「エントの素材は魔力を溜め込む性質を持っている。一番手軽で取引できたり、落ち葉としての回収が容易だからエントの葉がよく使われている」
「凄いわね。私にはそんな事も思いつかないわ。それに簡単に聞いただけでもう何が何だか」
「だろうな。これが理解できていたら魔法なんて誰でも覚えられる」
「休憩にしましょ?」
「ああ、そうだな」
「やった!」
楽しかったけど途中から何を言ってるか分からなかったわ。それに、頭の中がクラクラするわ。休まないと倒れてしまうかもね。
私はそんなことを考えながら、休む準備へ取りかかる。その手伝いをセルドは手伝ってくれた。
魔法で回復が一属性だけ、または二属性ってのがここ最近気に入らなかった。
だから増やしてみたぜ!
これにより全属性を持たないと全部直せない。
聖女=全属性使いって出来る日が来るかな?




