魔法教室 その1
「今日は、何を教えてくれるの!」
家の中に入るとマリーは俺を見て元気そうに駆け寄りながら、そう言ってくる。
おはようと、俺は返して頭を撫でる。
「もう!子供みたいに扱わないでよ!」
怒って手を払いのけてくる、でもそれは心の底から怒ってるのではなく、頬を膨らませるという可愛らしい物だった。
「すまんすまん」
「もう、セルドったら止めてよね!」
また頭を撫でようとも思ったが、止めておくことにする。
俺が来た理由は、魔法を教える先生だからだ。
「おいセルド、さっさと魔法を教えるよな」
ゼクウは声を低くしながら言ってくるが、その顔は笑っているので威圧感など出ていない。
「はいはい」
俺はそう返事をして魔法を教える授業を始めることにする。
道具は魔法の杖を用意しておいている。
「やっと始まるのね!」
「で、何をするんだ?」
「じゃあまず、魔法を発動させるときの補助の為の、魔法の杖を上げとく」
二人は何の変哲も無いような杖を見て不思議がってる。だけと、その杖には少し秘密がある。
昨日の夜、スキルの能力を調べると同時に、魔法の授業や道具について考えていた。それが、魔法の杖だ。
「じゃあ、まず魔法の杖について教えるぞ」
「はーい」
「おう」
返事をしてくれるため、しっかりと話を聞いてくれるのが分かる。それをみて前世の同級生を少し思い出す。
前世の友達の中に不思議な奴が居た。数学の授業中に手が痺れたと言ってマッサージをしてたのだが、先生に指摘され。ノートを纏めていたのに先生と目が合わないという理不尽な・・・理不尽だな!
多分あいつは数学の先生に嫌われていたんだろ、変なことに反論する癖して、弱気だったし。
おっと、今は授業の最中だ。
「杖には魔法の補助と成る効果を持った物がある。それは魔物の身体の一部を使った物が多い。そえは何でか分かるか?あ、間違っていても怒らないから何でも言っていいぞ」
「はーいはーい!」
マリーが手を挙げて元気に声を出してくれる。それを微笑ましいと思いながら、名前を呼ぶ。
「マリー」
「やった!」
「どうしてだと思う?」
「えっとね、魔力を多く持ってるから!」
「そうだ」
「パパどうよ!」
マリーはえっへんといった感じに言ってる。
俺はマリーが少し落ち着くのを待ってから説明する。
「魔物は魔力を多く持つ、それは魔物が生まれる原因が魔素溜まりから生まれるからだ」
「魔素溜まりって?」
「魔素溜まりか、あれは嫌だぜ」
「ゼクウは知ってるようだな」
「パパそうなの?」
「ああ、知ってる。あれは魔物暴走が発生する原因になるし、時にはダンジョンにもなるから嫌なもんだよ」
ゼクウは魔素溜まりについてそれなりにしっているようだ。それは俺が説明しなくてもいいくらいだった。
「そうだ。その魔素溜まりから生まれるから、魔物はその身体に魔力を多く持つ。その生まれてくる過程は魂が結びつき生まれるや、魔素が集まるからできるなど、仮説は沢山あるが、まあ、それは置いておこう」
「うん!」
「おお」
ゼクウの顔が少し苦笑いに変わっているが、そこまで辛いのかよく分からない。
「でだ、この生まれる過程でその土地にあった属性を吸収する。その吸収した属性で杖にしたときの効果の上昇に幅が出来る」
「属性って昨日教えて貰った奴?」
「そうだ。その属性が基準と成ることが多いから覚えとくと後々楽だ」
「分かったわ!」
マリーは楽しそうに聞いてるが、ゼクウは疲れた感じを醸し出している。
ゼクウは感覚的な方がいいかもしれない。まあ、そこはマリーもかもしれないため、魔法理論を教えることは止めると心に決める。
「じゃあ、魔法を使うための、魔力の感覚をこの後教える」
それを聞くと、ゼクウの死にそうだった顔は、少年のような表情になっていた。
片方投稿したら、二日後の朝に投稿していこうかと悩み中。集中力が続くならそうなる。