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妖怪転生  作者: 骸骨紳士
狂気の淵
4/13

宵闇の襲撃者

相変わらずの駄文。こんな作品を読んでくれる人が果たしているのだろうか。

ここはヘルディアの家である。ここに訪れるのはこれで二回目となる。最初の一回は俺が仕事帰りで初めてヘルディアに合った際だ。あの時は仕事終わりの疲れと、初めて妖怪になってから妖力を大きく使う大技を使った事もあり、あの後倒れてしまったらしい。その時に俺はヘルディアの部屋に運ばれ、ヘルディアのベッドで横になって眠りこけていたらしい。俺は改めてここが魔界なのだと言う事を実感した。元両親の家に行くときはこの家から出たとき直ぐに人間界に戻っていた為、自分が魔界にいたという実感が沸かなかった。

俺とヘルディアは部屋で向き合うように床に座り込んでいた。そのヘルディアと言えば終始申し訳なさそうな顔をし続けていてなんだかこちらまで申し訳なくなってくる。俺が下手に動いたせいでヘルディアには心配をかけてしまったからだ。


「もうそんな顔するなよ。お前が悪いわけじゃないんだからさ。俺が力を手に入れて少し調子に乗っていて後先考えなかったのが悪いんだから」


「うぅ・・・」


ヘルディアは今にも泣きだしそうな顔をしている。俺が調子に乗らなければ、ヘルディアにこんな思いをさせずに済んだんだろうな。本当に申し訳ない。


「それよりもさ、今後の事を考えようぜ。もうやってしまったことは悔やんでも仕方ないし、俺たちの今後の身の振り方でも考えようよ」


「・・・うん、そうだね」


そうは言いつつも、ヘルディアの目尻には薄っすらと涙が見える。こうして見ると初対面の時のどこか妖艶な感じを放っていた面影は一切なく、今はただの女の子といった感じだ。

何の慰めにはならないかもしれないと思いつつも俺はヘルディアに近づき抱き寄せて頭をポンポンと優しくたたいた。


「だから、もうそんな顔するな、俺正直お前に会えてよかったって本気で思っている。お前は唯一俺の事を理解してくれた。俺の事を本気で憐れんでくれた。あの時スゲー嬉しかったんだよ、今はそれだけで十分だろ。・・・、ありがとうなヘルディア」


「・・・うぅ、ありがとうコウイチ、私も嬉しい」


ヘルディアは俺の胸元に少し顔を埋めると、ようやく落ち着いたのか俺から離れてさっきまでの子供みたいな顔を一転させて真面目な表情になった。


「それじゃあ、これからの事を話し合おっか」


ニマっと笑みを浮かべて、ヘルディアはこれからの事について一つの提案を始めた。それは、しばらく俺の妖力を高める所謂修業期間を設けると言う事だ。その方法は俺は人間の恐怖心を糧に生きる妖怪と言う事もあるので人間は殺さずに恐怖心だけを煽る様にして、妖力を蓄えていくというものだ。ヘルディア曰く本来心食族(しんしょくぞく)は戦闘には向かない種族だと言う事なのだが、おれは異例イレギュラーらしく戦闘に秀でた能力を持っていると言う事らしい、その上で才能もかなり高いらしく三か月から四か月も妖力を高めれば戦闘特化型の妖怪も軽くあしらえるほどに強くなれると言う事らしい。それまでは、いくら能力の秀でた俺でも妖怪治安維持管理委員の連中に目をつけられれば、下手をすれば抹消される可能性もあるという。その話を聞くだけでぞっとする話だったが、これ以上人さえ殺さなければ、目をつけられる可能性はまずないという話を聞き少し安堵する。それから、これからは俺が元住んでいた家には住まないで、ここで暮らすように言われた。さすがにそこまでは申し訳ないからいいと断ろうとしたがその瞬間すごく寂しそうな顔をしていたので、半ば渋々了承。・・・この部屋ベッドが一つしかないんだがな。

そこまで話が付くと「今日はこれでお終いっ」と言いつつ手をパンッと叩き、明日の夜から修行を開始する事になった。


「と言うわけで今日はもう寝ましょ、ほら結構妖力を使って疲れたでしょ?」


「いや、別にそこまで疲れていないけど、と言うか俺はどこで寝ればいいんだ?」


「ふふーん、この部屋にはベッドは一つしかない。なら決まっているじゃない」


「そうだな、おれはゆかでねることにすr」


「当然一緒のベッドで寝るのよ」


ヘルディアは俺の言葉を思いっきり遮り、目を輝かせて言った。


「ちょ、ちょっと待て、一緒のベッドってなかなかハードルがたk」


「つべこべ言わなーい!一緒に寝るって言ったら一緒に寝るの!」


また遮られた。


「そうだ、その前に着替えないとね。そんな血みどろのスーツ姿じゃ寝心地悪いでしょ?今着替え用意するね」


「まぁ、確かにこの姿じゃ寝ずらいと言えば寝ずらいが・・・。そもそも着替えなんていつ用意したんだ。」


「んーとね、今朝方ぐらいかな。コウイチをここで暮らさせる事は決定事項だったし、魔界で何か良い服が売ってないかリサーチして買って来たのよ。あっ、それと部屋着以外にも仕事着として別の服も用意してあるから楽しみにしててね」


ヘルディアはタンスをゴソゴソと漁りながらうきうきした様子で話す。さっきまでの落ち込んでいたヘルディアは何処へやらと言うぐらい上機嫌だった。そんな彼女が取り出したのは黒のインナーと同じ色の無地の長袖の服、それに合わせて動きやすそうなこれまた黒のズボンを取り出した。


「はい、これ。着替え終わったら呼んでね。私後ろ向いてるから」


俺は言われるがまま渡された服を着る。これが思っていた以上に着心地がよく俺の体にフィットした。

「おぉ」と、つい感嘆の声を上げてしまうほど上質な肌触りだった。


「ねぇ、どうかな?コウイチには黒が似合うと思ったんだけど気に入ってくれたかな?」


後ろを向いたままのヘルディアが、少しそわそわした雰囲気を漂わせながら話しかけてくる。


「ああ、すごくいいよ。あともう着替えたからこっち向いてもいいよ」


「ほんと?どれどれ、おお!良いね、似合ってるよコウイチ」


ヘルディアが目をキラキラさせて褒めてくる。そこまで言われると照れるな。俺は自分の体に目線を落とし自分でも確認してみる。うむ、中々に良い感じだな。


「それじゃ、私も着替えるかな。あ、見たかったら好きなだけ見てもいいよ」


「い、いや俺も後ろ向いているよ」


そう言い俺は後ろを向いたが後ろから「ちぇ、つまんないの」と言う声が聞こえてきた。さすがに着替えシーンをまじまじと見るわけにはいかないだろ。そもそも、俺にそんな事出来るほどの勇気はない。然し後ろで女の子が着替えていると思うと異様に落ち着かない。後ろから「んしょ、んしょ」と言う声が聞こえてきてその気持ちをより一層深めていく。


「はい、もう着替えたからこっち向いていいよ」


言われるがまま俺は振り向いてヘルディアの姿を見つめる。恰好は紅色のレースのネグリジェを身に纏っただけなのだが、とても艶っぽい雰囲気を醸し出している。思わずその美しさに見とれてしまっていると、不意に声をかけられた。


「ね、ねぇ。どうかな?他人に見せるのは初めてなんだけど・・・似合ってるかな?」


「へぇ?あ、ああ、すごく似合っていて可愛いよ」


「ほんと?嬉しいなぁ。うふふ」


見とれている所に声をかけられたせいで間の抜けた声が出てしまったが、素直な感想を述べると、顔をふにゃあと緩ませ可愛らしい笑顔を浮かべていた。こんなかわいい子とこれから一緒に暮らしていくのかと思うと動悸にも似たドキドキが止まらなかった。と言うかこんな子と緒に寝るなんてやっぱり俺にはハードルが高い。


「それじゃ、寝よっか」


思考を巡らせている俺を無視して有無を言わさずにベッドに押し倒されてしまう。


「ちょ、待てって!まだ心の準備が・・・」


「何言ってるの、もうキスまでした仲じゃない。今更恥ずかしがってないで、観念しなさい」


そう言って強引に俺の横に寝転んで部屋の照明を消す。そのまま布団をかけて俺に密着してくる。うぅ、どうしてこうなった。嬉しくないと言えばうそになるが、ずっと人を避けて生きてきたからこういうのにあまり慣れてないっていうのに、確かにさっき抱き締めたけど、あれはその場の勢いというかなんというか。なんて考えていると、ヘルディアがいつもとは少し雰囲気の違うトーンで話しかけてくる。


「ねぇ、そんなに私と一緒に寝るのが嫌?」


「そ、そんなことないよ!むしろ嬉しいくらいだ。だけどまだちょっと緊張してるってだけで」


「そっか・・・ならよかった・・・。・・・・・・ねぇ一つお願いしてもいい?」


「うん?なんだ、お願いっていうのは」


さっきまで俺の事を強引にベッドに押し倒したりと、イケイケモードだったヘルディアが、少しもじもじした様子で、何か言い難そうにしていた。


「えっとね・・・、その・・・抱っこ・・・してほしいな」


「ああ、いいよ」


俺はその願いにゆっくりと頷き、ヘルディアをそっと抱き締める。抱き締める事でヘルディアの体温とか肌の柔らかさとかが直に伝わってきて、正直かなり緊張したが、俺の胸元で「・・・ありがとうね」と小さくお礼を言ってきたヘルディアを見てその緊張が一気に解けた。俺よりも百歳も年上の癖に今は俺よりも年下のただの女の子に見えてきて、それと同時に俺は初めて誰かを守りたいと心から思う事が出来た。そんなことを胸に秘めながら、すぅーすぅーと寝息を立てているヘルディアに続いて俺も眠りについた。

―――


「ふぁー、んー、今何時だ・・・」


「おはよう、もう午後の二時よ、よっぽど疲れていたのね」


そうか、もうそんな時間か、でもまあこれからは夜に活動するわけだからこれぐらいでむしろちょうどいいのかな。俺は大きな欠伸あくびをしてベッドから体を起こす。そのあとヘルディアの姿に目をやる。どうやら先に起きて着替えていたらしい。今日は紅色のゴスロリに同じ色のフリルのついたヘッドドレスをつけていた。初めて彼女と出会った時とは色が違うだけで、デザインはほぼ一緒だった。


「ん?どうしたの?そんなに見つめて」


「あ、いやその格好も似あってるなって思っただけだよ」


「ん、ありがと」


俺は思っていることをそのまま口に出した後、腕を上に伸ばして体をほぐした。寝すぎたせいか体中が少し痛かったので軽い柔軟をしていたら「あ、そうだ!」と言いヘルディアが突然タンスの中を漁り始めた。もしかして昨日言っていた仕事着の事だろうか。黙って動向を見守っているとタンスから取り出したのは、漆黒のフード付きのマントと、黒のワイシャツであった。


「はい、これが今夜からコウイチが使用する仕事着。そのマントには潜伏能力ハイディングスキルが付与されているから。それを羽織っていると任意の相手から見つかりにくくなる効果があるよ」


「任意の相手って言うのは、知らない相手にも効果があるって事か?」


「えぇ、勿論よ。複数の人間にも効果があるからこれから妖力を蓄える際には活躍すると思うわよ」


「そうか、ありがとうな」


「ううん、これもコウイチの為だもん」


ニコッと笑いそう言ったヘルディアに、俺は感謝しつつ仕事着を受け取る。ヘルディアは俺に仕事着を渡すと家を出る為に玄関の扉に手をかけていた。


「ん?どこか出かけるのか?」


「うん。ちょっと情報収集をね。私もまだまだ魔界の事は詳しくないから。コウイチは夜までゆっくりしていてもいいし、少し魔界を見て回るのもいいかもね。そこは自由にしたらいいわ」


それじゃ、と言い外に出ていくヘルディアを見送って俺は少し放心していた。俺よりも百年も長く生きているヘルディアもあまりここに詳しくないなんて少しおかしいな。それに少し逃げるように出て行ったのも気になる。まぁ疑っても仕方ないか、あいつはここまで俺の為に色々してくれてるんだから。それよりも俺も少しは情報収集した方がいいな。そう思い俺はヘルディアがくれた仕事着に着替え家を後にした。

そういえば家の鍵とか渡してもらってないから鍵とかかけれないな。まぁ大丈夫なのかな。外に出て分かったが魔界は常に暗いものなのかと思ったが、人間界と時間はリンクしているんだな。


――――――


コウイチが私の家を出て行ったのを確認し、私は人間界へと続く道を作り出す。このやり方は光一に初めて合った時に教えてあるからコウイチも問題なく夜には人間界に出て、妖力を高めるための修業を始めるわよね。ううん、今はそんなことを気にしている場合じゃない。コウイチはまだ妖怪になりたてで人間を二人殺めている。いつ管理委員に目をつけられてもおかしくない。早いところこの地域の管理委員のリーダーの正体を突き止めないと、そいつがこの魔界最強クラスと言われている存在だから。それに、コウイチは心食族しんしょくぞくとして転生してしまった。それが私の最大の誤算だった。これじゃあ、コウイチはいくら罪人を殺しても正当な理由が通らない可能性が十分にある。だから今の内に私がコウイチの仇敵を屠らなければ、コウイチは誰にも渡さない。やっと見つけた私のパートナーなの。絶対私が守って見せる。

私は夜になるまで管理委員のリーダーを探したが、その正体は掴む事が出来なかった。その代りもう一人の探し人は見つけた。


「なぁ俊介、お前遂にプロのエースストライカーになったんだってなすげぇじゃん」


「へっ、俺くらいになればこれくらい当然だな。これが俺とお前らとの才能の差ってやつだな」


シュンスケ、コウイチが話していた中で出てきた、コウイチを虐めていた奴と名前が一緒ね。恐らくあいつがカナヤマシュンスケ、コウイチをずっと苦しめてきた人間の一人。


「そういや、昔俺らがサンドバックにしてた光一だっけ?あいつ今頃どうしてんだろうなぁ」


「また、他の奴らにサンドバックにされてんじゃないですか?あいつ超どんくさいし」


「くははっ!言えてるな」


間違いないあの三人の男たちと真ん中にいる男がカナヤマシュンスケ。そう、そうだったの・・・。ターゲットはカナヤマシュンスケだけだと思っていたけど、他二人も同罪のようね。ちょうどいいわ、あいつ等にはここで消えてもらうわ!

私はゆっくりと歩み寄り真ん中の男に話しかける。


「貴方がカナヤマシュンスケね」


「おう、そうだが何故俺の名を知っているんだ嬢ちゃん」


「またまたーとぼけちゃって、俊介ほど有名選手なら知らない人間の方が少ないって」


「ふっ、確かにそうだな。それより嬢ちゃん、いったいこの俺に何の用だ。サインならやらねーぞ」


「冗談じゃないわ、誰があんたなんかのサインを欲しがるっていうのよ。それよりもカザマコウイチっていう人は当然知ってるわよね」


「ああ、知ってるぜ。俺が昔よくサンドバックにしてきたクズの名前だなそれがどうした?まさか、嬢ちゃんあいつの知り合いなのか?くっ、くはははは!こいつは傑作だぜ!」


「何が可笑しいのかしら?貴方自分が今まで何して来たか分かっているの!?」


「はぁ?何お前もしかしてあいつのこと好きなの?ばっかじゃねーの。いいか?俺たちは道端に落ちている石ころを蹴っ飛ばした、ただそれだけだ」


こ、コイツら、選りにも選ってコウイチを道端の石っころですって?どこまで性根の腐った連中なのかしら。


「そんなことより、お嬢ちゃん可愛いね、あんな奴とより俺達と良い事しない?」


「触らないで!汚らわしい!人間風情が下手に出てればいい気に乗ってんじゃないわよ!」


シュンスケの右隣にいる顔の細長い男が私に触れようとするので、振り払う。反省の色は全く見えないどころか私にまで手を出そうととは、どこまでもお頭が腐った連中のようね。


「な、なに言ってんだコイツ」


「頭おかしいんじゃないですかね」


「おかしいのは貴方達の方よ。コウイチを石ころ呼ばわりし、今まで虐げてきたことを、あの世で後悔する事ね!」


私は右手に妖力を集中させる。そして自分の爪を鋼のように固く鋭く変化させる。そしてまずは私に触ろうとした右側の男に狙いを定める。


斬鉄爪ざんてっそう!」


そう叫び右の男に右手を大きく振るい斬り割いた。男は大量の血飛沫を上げ言葉にならない声を上げ倒れる。手に付いた血を舐めてみるが、この男の血は大して美味しくない。流石に性根から腐ってるだけあるわね。


「ひぃ、ば、化け物だぁ!」


「おい、何してやがんだテメェ!」


左側に立っていた男は腰が抜けたのかその場にへたり込んだ。シュンスケはこの状況でもまだ威勢がよく、私を忌々し気に睨み付けている。私はシュンスケは放置し、へたり込んでいる男の元へ近づき左手で首を掴み持ち上げる。身長の差もあって、男は膝立ちの状態になっている。


「ぅぐう、た、たすけ・・・がはぁあ!」


私は持ち上げていた男の心臓を右手で貫き死んだことを確認し投げ捨てる。残るはさっきから睨み付けてはいるけど動けないでいるシュンスケだけね。コイツはそう簡単に殺すのは勿体無い。もっと苦しめてから、もっと絶望を味合わせてから殺さなきゃ私の腹の虫がおさまらない。


「懺悔なさい!裁きの鎌(ジャッジメントサイズ)!」


そう叫び巨大な紫紺の鎌を顕現させ右手で持つ。その瞬間シュンスケが「なっ!?」と言う驚きの声を上げて後ずさりをする。それでもまだ完全には恐怖の感情に支配されていないみたいだったので、シュンスケの右足を斬り落とす。


「ぐあああああ!い、イテー!な、なんなんだよお前は!ぐぅ!なんでそこまで!?」


「私はねコウイチが大好きなの。その大好きな人を目の前で侮辱されて、それも昔からずっと虐めていた相手を赦すと思う?」


「がぁああ!お、お前そこまであいつが・・・、わ、分かった俺が全部悪かった。だからもうこんな事やめてくれ」


「貴方は一度でもコウイチの言う事を聞いたかしら」


「た、確かにあの時はそうしなかったが、殺しはしなかったぞ」


「そうね、でもそれは単純に犯罪になるからでしょ?」


言いつつ私はシュンスケの右腕も斬り落とす。


「うぎゃぁぁぁ!ち、違う!そうじゃない!ただ憂さが溜まっていてそれでただ、八つ当たりをしていただけなんだ」


「はい、よく言えました」


本音を言えたご褒美として腹部に大釜の切っ先を刺す。


「それが原因で死にたいほどの絶望に追いやっていたのよ?それでよく自分だけは助かりたいなんて言えたわね」


「あぐぅあああ!くぅう・・・ま、まさかそれであいつ・・・自殺したっていうのか?だったらなおさら謝る。だから・・・頼む赦してくれ」


「赦してもらえるかどうかは、閻魔様にでも聞くんだね!」


そう言い放ち私はシュンスケの首を斬り落とし止めを刺した。


「ちなみにコウイチは今も生きているよ。あのころよりも強く、生き生きと」


死人に口なしね、無残に転がったシュンスケの亡骸を見てそう呟き。その場を後にした。私は結局コウイチの楽しみを奪った上、管理委員のリーダーについては何の手がかりもなしか。コウイチ今頃どうしているかな。

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