子供は風の子?私はエルフのこですので
「新たな街というのは心が躍るものですね」
門の所で兵士と話、軽い質疑応答を済ませた私はドラクマの街に入りました。
街に入ったとしても至る所に雪が降り積もってますし、道やよく見たら屋根ね上の雪を落としてる人もいました。
「場所が変われば生活も変わるんですね」
『だねー』
『そうね!』
くーちゃんは相変わらず肩に座りながら。なぜかついてきたイフリュートは私の後ろを歩いてきながら同意の言葉を出します。
「なんでついてくるんです残念精霊」
『大精霊よ! なによ、付いて行ったら文句あるの』
唇を尖らしながら反論してきました。
いや、別に悪くはありませんがね。ただ、あなたのその態度にイラっとするだけなんですが。
「そうですね。文句はありませんよ。イラっとするだけで」
『いや、あなた本当に私のこと嫌いなんですか?』
「嫌いじゃありませんよ、イラっとするだけで」
『いやそれ嫌いってことなんじゃ……』
「イラっとするだけで」
『うわぁぁぁん!』
あ、泣きながら逃げましたね。精霊は空を飛べるから気楽に逃げれますし羨ましい限りですよ。
『リリカはイフリュート様が嫌いなの?』
「そうですね。本音は嫌いじゃありませんよ、ただ、」
途中で言葉をきり私は顔を顰めます。
「ただ、あの性格が私の里にいた幼馴染と全く同じだったのでイラっとするだけですよ」
『他人のせいで嫌われてるの……』
あのあざといようで天然な発言。まさしく私の幼馴染と同じでしょう。思い出したらイライラしてきましたね。
「特に急ぎませんし酒場に情報収集と食事に行きましょう。もしかしたらくーちゃんが気に入る果物もあるかもしれません」
『さんせーい』
賛同を得たので近くで雪かきをしているおじさんに近づいて行きます。
「すいません、酒場にはどう行けばいいですかね?」
「ん、ああ、このまま真っ直ぐ進んで別れ道を左に曲がればすぐだよ」
おじさんは雪かきを辞め、指をさして教えてくれます。
「ありがとうございます」
「いやいや、ん? あんたもエルフかい?」
「も、とは?」
「いや、今日だけで三人位エルフに酒場への道を聞かれているもんでね。なにかやるのかい?」
おじさんの言葉に驚きます。私以外にもエルフがこの街に来ているとは。
「いえ、たまたまでしょうね」
軽くお辞儀をした後にいやな感じがします。
『どうかした?』
「いやな感じがするだけです」
くーちゃんが気を使ってくれているのがわかります。
酒場にいって早くお酒を飲むとしましょう。
『お酒は飲み過ぎたらダメなんだよ? 子供は風の子って言うし』
「残念でした。私、エルフなんで」
『屁理屈だなぁ』
くーちゃんの声に笑いながら私は酒場に向かい足を進めました。
嫌な予感を胸に抱きながら……
今日は短い……いつもだけど