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エルフさんが通ります  作者: るーるー
出会い編
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敵情視察

「さあ、リリカ行きますよ!」

「急にやる気になりましたね?」

「殺る気? 殺る気になるのはリリカもですよ! 金づるがすぐそこにいるんですよ!」

「いや、なんか違う気がするけどまぁ、いいです」


 男を尋問というか私がひたすら怪我をした場所を殴り続けた結果、手に入れた情報はこの上なくいいものであり私はかなりご機嫌です。尋問を終え情報を手に入れたマリーも既に目がお金の形に変わってますね。マリーのお金に対する執着が半端じゃないですね。怖すぎます。


「尋問の結果ではアジトはこの先、敵の数は約十人といった所らしいですし、武器もほぼ剣らしいですしね」

「弓がないのはありがたいね」


 剣を振るってる時に弓を警戒するのは難しい。戦う場が広ければなおのことだそうです。確かに逃げ場がないと弓兵としても狙いやすいですからね。まぁ、マリーなら血が出ても輸血すればいいと思うんですけどね。


「無駄な心配だと思いますが気をつけてくださいよ?」

「わかってまーす」

『まーす』

「……この人本当にわかってるんですか?」

「人じゃなくてエルフね?」

「わかってますから揚げ足とらないでください!」


 小川を更にさかのぼり、木々が生い茂る森の中に入ります。そのまましばらく獣道を歩き続けるといくつものテントが張られた広い空間が見えてきました。ここまでは情報通りですね。


「ここみたいですね」

「そうみたいだね」


 所々で焚き火があるため間違いないでしょう。

 軽甲冑、皮の鎧などを着込みそこいらに武器を無造作に置き、男達が談笑しているのが目に入ります。


「見える範囲では確かに二十人位いますけど」

「リーダーぽいのがわからないな」


 私が見渡していると同時にマリーも同じように見ていますが同じ結論にたどり着いたようですね。


「「あの野郎、嘘つきやがった!」」


 先程まで傷口を殴りつけていた男を思い出しながら私とマリーは同時に悪態をつきます。あの男、次にあったら覚悟してもいましょう。生きていることを後悔さしてやりましょう。


「さて、マリーどうします?」

「そうですね〜 感じ的に何処かに略奪に行ったところといった感じですが。もしくは今から行くところ?」


 私に尋ねられたマリーは少し考えを口にして、


「私とリリカが突撃したら楽勝なんじゃ……」

「……まぁ、できなくはないでしょうけど」


 そういい再び私は敵の数を数え直しため息を付きます。


「十人位ならいける気がしますけどみえてるだけで二十ですからね。更にまだいると考えると微妙ですね。なによりあなた、血剣ブラディアナ使ったら貧血で倒れるじゃないですか。お荷物を抱えながら戦うのは面倒だから嫌ですよ。」

「それでも十人はいけるんですか……」

「初撃が見つからない状態からの攻撃が可能ならばです」

「なるほど」


 そう呟くとマリーは口元に手をやり考え始めました。私はそんなマリーを邪魔しないように盗賊団の監視にくーちゃんと共にに戻ります。

 私の見ている限り盗賊団のくせにやたらと重武装に見えますね。確か全身甲冑フルプレートと言うんでしたか? それが無駄にいっぱいいます。


「射抜くのは大変そうですね〜」

『わたしのでばん?』


 なぜかウキウキとしているくーちゃん。ふむ、精霊も出番が欲しいんですかね?


「そうですね。くーちゃんの力が必要ですね」

『がんばる!』


 くーちゃんが珍しく殺る気満々ですね。


「よし、決めました」

「ん? どうするんです?」

「正面突破です」

「え?」


 あまりの無計画さには絶句してしまいました。マリーのことだから必ず策があると考えていたんですが。期待しすぎましたか、がっかりですね。


「なんだかとてもバカにされた気がします、といってもすぐに正面突破するわけじゃありません」

「よかったです。狂ったかと思いました」


 マリーがすぐさまに正面突破を仕掛けないことに安堵の息を漏らします。もし突撃をしようものなら殴ってでも止める所でしたね。


「いえ、リリカ、むしろあなたが突撃しないかがわたしくしは心配でしたわ」

「勝てるならしますけどこの数は微妙な所ですからね。確実に行きたい所です。大規模魔法でもあればすぐに片が付くんですけど」


 あいにくと私には魔法の才能はないものでして。低級の物しか使えませんし。


「あなたに魔法の才能がないことは今は喜びましょう。今突撃しても勝てないですし」

「ならどうするんです?」


 リスクを負わずにあっさりと勝ちたいところですが現状では無理そうですし。


「わたくしも余計なリスクは避けたいですわ。それでリリカ、あそこにいる全身甲冑フルプレートの人、リリカに背丈が近くありませんか?」


 そう言いマリーは見回りををしている全身甲冑フルプレートの一人を指差しながらニヤリと笑うのでした。


 

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