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エルフさんが通ります  作者: るーるー
突撃、近くの魔王城!編
330/332

はいはい、悲鳴が止まるまでいきますよ〜

本日二話目です

「……」

『えっと、見晴らしがよくなったよね!』


 異界と化していたはずの魔王城の一部が吹き飛び、外の景色が見えるほどの大穴を開け絶句する私をくーちゃんが慰めるかのように私の肩を叩きます。

 私はというと煙が上がる右腕と自分で作り上げた穴を何度も見直しています。

 自分の総魔力量を把握していなかった私もまずい話ですがまさかここまでの威力とは……

 魔王城にかかっていた異界化の魔法はかなり高度なものだと思っていたのですがまさか城の一部と共に吹き飛ばすとは想像もしていませんでした。


「しかし、それ以上に予想外だったのはあの穴が意外と頑丈だったことですね」


 作ったて時よりもなんだか揺らめいているような感じがしますがまだ道は繋がってはいるようです。ついでに言うと穴の中から焼けた肉の匂いが漂ってきているわけなんですよね。


 《おぉぉぉぉ……》


 ついでに痛みに耐えるような声も聞こえてくるわけなんですよね。どうやらフラグブレイカーはきっちりと役目を果たし穴の向こう側にいた存在を焼いてくれたようです。


「で、どうしました? 魔界なんちゃらさん? 酷く苦しそうな声が聞こえてきますが」


 体を固定していた魔力の羽根だけを解除し、右手は魔力の筒にしている状態で私は楽し気に穴の方へと歩いていきます。

 こいつには最後のストレス発散に付き合ってもらうとしましょう。


 《魔界五天の一角! 容易く落ちると……》

「はい、どーん!」


 再び体を固定化し、右手の筒を今度は穴の中に突っ込み、僅かな威力も逃げないようにしてフラグブレイカーを再び放ってやります。

 穴の中が僅かに光で輝いたのが綺麗でしたがそんなものに見惚れる間も無くまた大絶叫が響きます。


 《ぎぃぃぃやぁぁぁぁぁ!》

「はいはい、うるさいですよー」


 まだ悲鳴をあげる元気があるというのは驚きですがさすがは魔界なんちゃらさんです。

 ここは油断などせずにもう何発かぶち込んでおいたほうがよさそうです。

 大丈夫、まだまだ魔力はたっぷりとあるわけですからね。


 《がぁぁぁぁぁぁぁぁ!》

「はいはい、悲鳴が止まるまでいきますよ〜」

『なまじ力を手に入れてるから言ってることは酷そうに聞こえないのにやってるのは悪魔とさほど変わりないんだよね』


 さてそんな感じにしばらくフラグブレイカーを穴へとぶち込み続け、放つたびに私を襲う衝撃に私の体が少しばかり痛み始めた頃になり、ようやく穴から悲鳴が聞こえなくなり、かわりにうめき声とすすり泣きのような声がが響き始めています。


 《もうやだ、いたいのやだ、われおうちかえるぅ》


 威厳とか全くなくなりましたね。恐怖と痛みからか子供みたいになっています。

 でも逃す気なんてありませんがね。


「さ、消しますよ」

 《このわれを、たおすとは……》


 ん? 急に強気な、でもたどたどしい発言ですね。

 しかし、この流れはもしかしてあれですか? 我を倒しても我は最弱とか言う流れになるんじゃないんですかね?


 《我は魔界五天の最強の存在! ゆえに我に勝った事を誇るが……》


 え、あなた最強だったんですか?

 いや、それよりも、


「最後まで言わしませんよ」

 《あぁぁぁぁあっぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁあぁぁl!》


 なんだか弱ってたはずなのに急に強気な態度に戻って不穏な発言をしそうになっていたので私は躊躇うことなくフラグブレイカーを穴の中の存在に向かいぶち込みました。

 まだでるのかというほどの大きな悲鳴が再び響きますがそれは唐突に収まり、あたりは静寂に包まれます。


「よし今度こそ終わりですね」

『もう終わるのはリリカが魔界治めてからでもいいんじゃないかなぁ?』


 そんな面倒なことはゴメンですよ。そもそも私は平和主義ですからね?

 戦いは憎むべきでしょう。

 でも蹂躙とかは大好きです。だって私にあんまり被害が出なさそうですし。


「でもリリカさん、この穴をこのまま開けておくのも危険ですよ? またさっきと同じ位のが出てこられたらそこに倒れてるベシュさんならまだしもあたしはやられちゃいます」


 ふむ確かにゼィハの言うとおりですね。

 私なら消し飛ばすことが出来ますが他の人には荷が重いかもしれませんね。

 ベシュならできそうですが……

 でもあの魔界なんちゃらさんは一応最強だとかいってませんでしたかね?

 あれ以上強いのは魔神の力を取り戻したアルくらいだと思うんですが。


「じゃ、閉じますか」

『「え、そんなあっさりと!?」』」


 一応はみんなのことを考えて発言したにもかかわらず、なぜか驚愕したような顔を二人に向けられるのでした。

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