表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフさんが通ります  作者: るーるー
勇者の武器編
252/332

気持ち悪いんで近寄らないでください

 結果から言いましょう。

 ダークエルフの守護している森の一角をぶっ飛ばしました! 以上。


『すっごいまとめたよね。ほんとは呪いによる汚染とかいろいろあるのに』

「そんなことを言われましてもねー」


 今やダークエルフの里は大騒ぎです。というのもどうやら呪華で切り裂いたのはダークエルフ達が張った結界だけではないようなんですよね。


『多分、森自体を使った結界もやっちゃったんだと思うよ。森を呪い飛ばしちゃったんだし』


 くーちゃんの話ではダークエルフ達が使っていた結界はこの森の木々を魔法陣に見立ててつくあげた強大な結界らしいんですが私が呪華で切り裂いた森の範囲が広かったらしく結界を維持することができなくなったらしいということです。

 警戒用の結界とは別物のようなんですね。


「ちなみに貼ってあった結界ってなにかわかります?」

『んー、多分だけど隠蔽用と迎撃用の結界だと思うよ』


 まあ、そうですよね。

 そうでないとダークエルフ達が森の中で過ごせるとは思えませんし。確かエルフの里にも同じような結界があったような気がしますし。


「つまり、この里は今は発見されやすい状況なわけなんですよね」

『そうなんだけど、誰かに見つかったらまずいのかな?』

「エルフやダークエルフというのは希少ですからね。成人を捕まえたりするのは難しいらしいですが子供でも捕まえると大金になるからちゅういしろと里で聞いたことがあります」

『ふーん』


 ちなみにですが成人が狙われにくいのはエルフは知的で魔法の扱いが凄まじいということとダークエルフは古代魔導具アーティファクトの扱いが凄まじい、狙うならまだ洗脳されていない子供にしておけという噂が人間の間では流されているかららしいです。まぁ、実際のところはエルフの里に関して言えば小さい頃から訓練をしているので並みの侵入者では太刀打ちできないらしいですが。


『ということはここにも来るのかな?』

「さあ?」

「それはありませんわ」

「その通りです。お嬢様」

「ん?」


 会話に参加して来るならゼィハかと思っていましたが違う声が二つ混じってきました。


 そちらに目を向けると場違いなまでにヒラヒラが大量についた服を着こなし、湯気の上がるティーカップを片手にしたシェリーといつも通りその背後に控えるアリエルの姿が眼に入りました。

 こいつらいつの間に来たんでしょうか?


「ご機嫌よう、リリカさん」

「いや、微塵もご機嫌ようではありませんが……」


 この二人、ダークエルフ達の結界がなくなった途端に姿を現しましたね。


「リリカさん、心配したんですよ? 水の都に行くと言ってましたので用件を伝えるために水の都に行ったんですがいらっしゃらないのでしばらく探したんですが気配も消えたので」

「あなたは私の母親かなにかですか? いちいち居場所を手紙にでも書けと?」


 いや、そもそもどうやって居場所を伝えるというんですか。私はシェリーの居場所なんて知らないんですから。


「そう言われればそうですわね」


 可愛く首を傾げていますがこいつはやっぱりバカなのでしょうか?

 というさなんとなくですがシェリーはこのダークエルフの里に入るまでは私の位置が分かっているような口ぶりです。


「このダークエルフの里に入られては結界でわかりませんでしたからね。しかし、なぜか結界は無理やり潰されたかのようになったために位置がわかりました。それにしても……」


 急に目がトロンとしたようになったシェリーが私にもたれかかるようにして密着してきます。


「ああ、なんて濃厚な魔力! 近くにいるだけで感じてしまいますわ」

「えっと、気持ち悪いんで寄らないでください」


 なんとなく身の危険を感じたのでシェリーを無理やり引き剥がし距離をとります。


「ふふ、順調に魔の欠片の力を引き出しているようで安心しましたわ。今のリリカさんの魔力量は上位魔族に匹敵する総量です」

『化け物だね』


 魔力に関しては落ちこぼれ扱いを受けていたのが上位魔族並みですか。

 今度ベシュにでもあったら自慢するついでにボコボコにしてやりましょう。


『それでシェリー。なんで侵入者がこないと?」

「簡単ですわ。ダークエルフやエルフの里がほとんど知られてないからです」


 なるほど。確かに郷に人間が来たところはあまりみたことがありませんね。納得です。


「で、シェリー。私たちになにか用があったから来たんじゃないんですか?」

「ああ、そうでした」


 思い出したかのようにシェリーは手を叩き悪戯を思いついたかのような笑みを浮かべてきます。なんとなくですが嫌な予感しかしないような笑みです。


「実はですね。勇者の妨害をしないといけないんですよ」

「妨害?」


 ほら、また面倒なことを持ち込んできましたよ。せめて楽しそうならいいんですがねぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ