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エルフさんが通ります  作者: るーるー
大破壊編
151/332

えっ? 味方?

「こんな戦場真っ只中で寝るなんて…… ダークエルフは大物ですね」

『リリカに古代魔導具アーティファクト壊されたショックで気絶したんだよ!』


 なんです。まるで私が悪いみたいな言い方をして。まぁ、確かに私にも落ち度があったかもしれませんが一番悪いのは私に使えなかった古代魔導具アーティファクトであり、それを渡してきたゼィハのような気がしますね。


「つまりゼィハと世界が悪い」

『どういう発想を持ってすればその考え方になるの⁉︎』


 とりあえずは柄だけとなった不思議な短剣(トリックナイフ)はもう用済みですしそこらに捨てていても問題ないでしょう。放り捨てると私は落ちたままの魔ノ華(マノハナ)を拾い上げついていた土を払います。やはり特に問題なく拾い上げれました。重さは全くありません。


「しかし、逃げるために呼んだドラクマ兵ですが乱戦すぎてむしろ逃げにくくなりましたね」


 すでにどこを見ても怒声をあげながら戦う連中ばかりですし、楽には逃げれません。


「リリカぁぁぁぁ!」

「む、」


 怒鳴りつけるような声を掛けられ振り返ると 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)を振りかざすベシュの姿が目に入りました。ため息を付きながら魔ノ華(マノハナ)を向け高速で刃を伸ばします。


「ちっ!」


 舌打ちをしながら迫る切っ先を 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)で弾くベシュですが、弾かれるたびに私は長さを元に戻し、再び狙いを定めると刃を伸ばすということを繰り返していきます。

 大剣を振るい防ぐベシュと切っ先を向けるだけで攻撃が可能な私とでは明らかに攻撃速度が違うだめベシュは完全には防御に回るしかなかったようです。


「くそぅ! 卑怯よ! 剣で戦いなさいよ!」

「剣ですが?」


 ベシュの言葉に首をかしげながら私は刃を伸ばしていきます。ベシュの奴、首とか手首とかエルフの服で覆われていないとこは綺麗に防ぎますからね。


「刃を交えなさいよ!」

「えー」


 気だるげな声を上げながら私は狙いを変え、ベシュの握る 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)の刃を狙いを伸ばします。鋼のぶつかる音が響きベシュは僅かに後ろに下がります。


「交えましたよ?」

『いや、違うと思うよ』

「リリカぁぁぁぁ!」


 くーちゃんの言った通り違ったのかベシュの顔は瞬時に真っ赤になり 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)を勢いよく振り回しながら私へと向かってきます。


「いつもいつも人を馬鹿にして!」

「人を馬鹿にしたことはありませんよ」

「じゃぁ、なんだっていうのよ!」

「人ではなくエルフを馬鹿にはしてましたよ? プークスクス」

「ギィィィィィィ!」


 おちょくりすぎました。明らかにベシュの膂力が増しています。

 仕方なしに魔ノ華(マノハナ)を剣の状態に戻すと大変不本意ながらベシュの望み刃と刃の踊りに付き合うとしましょう。

 刃を打ち付け、躱し付かず離れずの戦いをしていますが明らかに私に不利な戦いです。なにより私の持つ魔力はかなり少ないですからね。


悪食グロリス


 私の弱点を補ってくれる能力を発動。すぐさま黒靄をベシュへと放ちます。しかし、獣のごとく直感を持つベシュはすぐさま後ろに飛び下がりこちらに警戒の瞳を向けてきます。本当に獣のような奴ですね。

 しかし、避けられるのは予定通りです。

 ゆえに私は黒靄を出し続け他のエルフやドラクマ兵の魔力を吸い取ります。


「なっ⁉︎ 味方ごと?」

「えっ? 味方?」


 驚愕するベシュとベシュの言葉に驚く私です。味方なんていましたかね?

 首をかしげている間にも黒靄は活発に動き続け私にドンドン魔力を集めてくれています。それにより私の背中に現れた魔力の羽根が物理的威圧感を放ち始めます。


「ふむ、これで充分ですかね」

「やらすか!」


 私が何をするかを理解していないでしょうに。それでもこちらに突っ込んでくる様はまかに獣ですね。しかし、魔ノ華(マノハナ)の切っ先を向けると 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)を立てのように構えわずかにこちらへ向かう速度が予想通りに遅くなりました。


 切っ先を伸ばす方へとは魔力を使わず、手に入れた魔力をほぼ全身の強化魔法へとそそぎ込みベシュを吹き飛ばすべく振るいます。

 ベシュは盾として構えていた 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)でそのまま受けますが注ぎ込んだ魔力が今までで一番なだけはありました。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」


 構えていた 巨大を討つ剣(ヴァングラミー)ごと軽々と悲鳴を上げさしながらベシュを吹き飛ばします。


「ぎゃぁぁぁはないでしょう」


 吹き飛ばされ地面を転がっていくベシュを楽しげに見ながら私は呟きます。

 想像以上に力が入りましたね。

 ふふふ、これならできそうですね。

 手にしている魔ノ華(マノハナ)へ視線を下げると知らずに頬が緩みます。


『悪い顔だなぁ!』


 くーちゃんの呟きは当然無視します。

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