表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天の川。  作者: ゆうわ
8/17

8。si


 「では、お渡し致します。」


 イッタは全く理解できなかった。見知らぬスーツ姿のその男の話が。病院のベットの上で、呆然となりながら、話を聞いた。そのXXXX(イッタは聞き流してしまった。)と名乗った男はイッタより年下で、何も分かっていなさそうな雇われ職員だった。


 「で、ですね。昨日、ご了解をいただきましたので、こちらで処理をしておきました。」


 「処理?」


 「ええ。」


 男は中途半端な大きさの陶器の容器を、イッタに差し出した。


 ……骨壷……処理?


 イッタは一瞬で何もかもがわからなくなり、点滴の管を引きちぎり、その若い男に殴りかかった。後にも先にも、イッタから誰かに殴りかかったのはこの時だけだった。叫びながら男を殴った。殴りながら、ハナが死んでしまったことを理解して、もうこれ以上ハナに罵られることがないのだと安心した。安心してしまった自分を恐ろしく思いながらも、イッタは、目の前の若い男を殴った。イッタは自分の代わりとしてその若い男を殴った。ひどい話だが、自分の代わりだった。ハナを見殺しにして、その結果に満足して安心している自分を罰するために、イッタはその男を殴っていた。お前のせいだ、お前が悪いのだと。

 すぐに病院は、大騒ぎとなり、イッタは取り押さえられ、鎮静剤とか、色々怪しい薬を投じられ、再び茫漠とした意識の海に沈んでいった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ