三話 道中と迎撃と宵闇
主人公のイメージは優しいクールなキャラなんだか上手く表現出来てるかな?
蒼side
紅い霧が漂う空を消耗しないようにそれでもなるべく速く紅魔館を目指して一直線に向かう。
道中では霧で興奮した妖精や妖怪が襲って来たが最低限を迎撃して適当にスルーした、だって倒す理由もないし弾幕放って無駄に消耗したくない。
『本当にミスティアには感謝してもしきれないな。』
弾幕を放ちながらそう思う、ミスティアが弾幕ごっこを教えてくれたおかげで私はこうして紅魔館に向かえるのだから。
『さてと、道はこっちであってるよね。』
「お腹すいた~・・・。」
『・・・。』
できれば幻聴であって欲しかった、しかし向かう道の直線上にふよふよと飛んでいる一見幼い少女。
『あーそこの君。』
「むー?あなたは食べてもいい人種?」
『いや、私は食べても不味いと思うよ。』
「そーなのかー。」
両腕を広げて残念そうにうつむく少女、余程空腹なのか声に力がない、うーんなんかこっちが悪い気がしてきたぞ。
『そうだ、私は駄目だけどこれならいいよ。』
私はリュックから昼食用のおむすびを差し出した、いや、なんかもう見ていられないし。
「いいの?」
『まあ、自分が喰われるより幾らかましだしね。』
「いただきまーす!」
やはり空腹だったようで勢い良くおむすびにかぶりつく金髪に赤いリボンの少女、まあ間違いなくルーミアだよね、この子。
「うぐっ、の、喉に詰まった・・・。」
『大丈夫?はい、水』
竹を切って作ったお手製の水筒を渡すとこれまた勢い良く飲み干したルーミア、なんか見ていて微笑ましいな。
「ぷう・・・ご馳走様でした。」
『はい、お粗末様でした。』
とりあえず満足したのか幸せそうにお腹を擦るルーミア。
「ありがとねー私はルーミアだよー。」
『どういたしまして、私は蒼だよ。』
「そーなのかー♪」
『ルーミアはなんであんなにお腹を空かせてたの?』
「んーさっき巫女が通って来て食べようとしたら返り討ちにされちゃって次に白黒が来たんだけどまた返り討ちにされちゃったの。」
うーんつまり霊夢と魔理沙はもう行ってしまったのか。
追い付けるかな?
「ねえねえ、蒼もこの先の湖の先の館に用があるの?」
『え?まあ、そうだけど。』
「あのね、このままいくと妖怪や妖精が沢山いて面倒だよ。
だから私が着いていって近道を教えてあげる!」
『それは嬉しいけど・・・ルーミア、いいの?』
「おむすびくれたお礼だよ♪」
そう言ってルーミアは抱き着いてきた。
『そっか、じゃあお願いしようかな?』
「まっかせて!」
頭を撫でるととても良い返事が返ってきた。
「じゃあ出発ー♪」
『おー!』
可愛い同行人が増えて私はルーミアにしがみつかれながら紅い霧の空を進んで行く。
霊夢や魔理沙は何処まで行っているのかな。
ルーミアの同行料はおむすび数個と水筒一杯の水。