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小ネタ集  作者: ポンカス
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いらんやろ、コレ

 コンビニで飯を買ってきた。かき揚げうどんとおにぎり、サンドイッチ。計743円だった。

 早速、うどんの包装をひっぺがし、一口すする。コシがあり、コンビニ弁当にしては頑張っているんじゃないだろうか、などと上から目線の感想。かき揚げにもダシが染み込んでいて、さりとてふにゃふにゃにはなりすぎずと良い塩梅。満足して、おにぎりを開ける。ひも状に切り口を入れたフィルムの一部を引っ張り、中央を開けて、残りを左右から引っ張る。左の方が頑固で、海苔の大部分を持っていかれる。イラッとはする。だがまあ取られた海苔を取り返して、裸ん坊になった側面のご飯に貼り付ければ見てくれも何とかなる。これくらいで怒るほど狭量ではないつもりだ。

 続いてサンドイッチ。こちらもおにぎりと同じようにひも状の一部を引っ張り、包装を破る。サンドイッチの悪い点は、包装を完全に取り払うタイプではないため(パンの粉が散らばるのを防ぐためだろう)一切れずつ取り出して食べられるようにしていることである。包装がまだ残っているため、ぎちぎちに詰まったサンドイッチを抜き取るのに苦労する時がある。そして下部がフィルムの切れ目に擦れ、粉が散らばる。こうなると本末転倒である。パラパラとテーブルの上に転がる白い粉。結構イラッとはする。だがまあこれくらいはペロペロしてもいいし、指に唾をつけて逐一回収しても良い。どちらにせよ、言うほどの手間はない。これくらいで怒り狂うほど狭量ではないと思いたい。

 食事は進む。おにぎりを平らげ、サンドイッチを頬張り、その間も少しずつうどんを食べ進めていた。そして完食。途中、色々とイライラさせられたが、終わってみれば何てことはない、平和な食事風景だった。

 最後にうどんの出汁を飲み干しにかかる。濃くもなく薄くもなく、やはり自分好みの味付けで、大変満足だった。ありえべからざる違和感に、口を慌てて容器から離すまでは。

 鼻頭に何かがへばりつく。ベタリと嫌な感触。確認したところ、セロハンのようなものだった。しかも意味がわからないくらいデカイ。既に頭に血が上る感覚はあったが、とりあえず何か書かれているので読んでみる。どうやら、麺と具を間仕切りする役割のものらしい。それを読み終えた瞬間、爆発した。

「何なん、これ? 誰がかき揚げうどん買って来て、かき揚げとうどん切り離して食べるんじゃ! バカか!」

 怒りに身を任せ、セロハンを床に叩きつける。ぺちーん、と小気味よい音が鳴り、胸がすく。床が濡れているが、知ったことか。俺は悪くない。ふざけたもん入れやがって。

 しばらく息を荒くしていたが、二分ほどして冷静になって、片付けた。

 

この歳になると、滅多な事では怒らないけど、カッとなると止まらない。つまり実話。実は実話。

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