表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小ネタ集  作者: ポンカス
4/19

たんぱく質

 鈴田君は、今日も元気に虫かごの中を跳ね回っています。自慢の後ろ足で、土を蹴り、阿呆のように跳ね回っています。先程、新鮮な茄子をむさぼったばかりなので、とても元気です。飽きもせずにプラスチックの壁面に頭突きをしていると、同じく虫けらの鈴野さんが近づいてきました。鈴田君は、笑顔で振り返りました。

「やあ、鈴野さん。もうお食事は済んだのかい?」

 鈴野さんは太っちょで、食いしん坊なので、いつもはまだまだ餌を食べている筈の時間でした。鈴野さんは、問いには答えず、黙ったまま鈴田君の方へ歩み寄ります。どうしたのだろうか、と鈴田君の方も近寄っていきます。

 すると、突然、鈴野さんは口についた頑強な左右の歯で、鈴田君の腹を挟み込みました。歯はやすやすと肉に食い込みました。歯から滴り、口元へと流れ込む体液を音を立てて吸います。マックシェイクのようです。やがて黒い蛇腹を歯が食い進みます。体表面のやや硬い部分を噛み砕く音は、人間が小枝を踏みしめる時に出るそれに似ていました。パキパキ。グチュグチュ。フルーツシャーベットのようです。

「鈴野さん、一体なにをするんだい? 痛いよ。死んじゃうよ」

「……」

「鈴野さん、やめてよ! どうしてこんなことするんだい?」

「たまには肉たべたい」

 五分後、鈴田君は自慢の健脚と羽根だけの姿になりました。

友人と話しているときに、子供のころ飼っていた昆虫の話題に。ちなみに友達は、飼っていたカブトムシを、弟に殺されたそうです。ざまあ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ