表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/25

異端戦争編 24話

その日の夕刻。アイルは、兵士と仲間の助命と引き換えに、広場にて民衆の目の前で処刑された。 一人の父親であり、一人の英雄が、その日、短い人生に幕を下ろした。 かくして、後世に異端戦争と呼ばれる戦いは、ついに終わりを告げる。


しかし、物語は終わらなかった。 残された勇士たちは、捕虜となっていた。彼らは、下手に抵抗すれば聖女を処刑すると脅されており、為す術がなかったのだ。 その勇士たちの元に、タナトス枢機卿が現れる。彼は下卑た目で勇士たちを見回し、陰鬱な笑いを漏らした。 「クックックッ……」 スランが、怒りを露わに反応する。 「何だ、てめぇー!」 タナトス枢機卿は、嘲るように告げた。 「お前らの力は、私がもらおう」


枢機卿がそう告げると、禍々しい魔言を唱え始める。すると、呪いにかかった勇士たちは苦しみ始めた。 「うぎぎぎいーーーッ……!」 段々と勇士たちは狂ったように暴れだし、獣のような雄叫びを上げ始めた。彼らの姿は、恐ろしげな魔獣のようにおぞましく変貌していく。


「ははははは!! 愉快、愉快!」 枢機卿は高笑いをする。 「さて、お前ら。ノートレッドの兵士と民衆を殺してこい」 非情な命令が下される。命がけで守った人々を、今度は自分たちの手で奪ってこいというのだ。だが、もはや、勇士たちは人の心を持ち合わせていないようだった。呪いの力で魂まで拘束され、従わざるを得ない。 変貌した魔獣たちは、解き放たれ町中を暴れまくる。兵も民も関係なく、ひたすらに虐殺を始めた。


その頃、タナトス枢機卿は、遥か上空を飛ぶヴェロンに狙いを定めていた。 「ふんッ。あの巨躯で、のろく飛べば見つけることなど容易い」 ヴェロンは、度重なる激戦で思った以上にダメージが深く、全力で飛べずにいたのだ。枢機卿は、その隙を見逃さない。 「おいッ、狂鴉きょうからすのビョルン! あれを叩き落としてこい!」


タナトス枢機卿の非情な命令が下る。 「狂鴉のビョルン」は、かつては**「天翼てんよくのセレン」と呼ばれた、誇り高き勇士であった。しかし、今や枢機卿の魔言**の呪いによって、凶悪な魔獣へと変貌させられてしまっていた。理性も知性も無い、ただのモンスターに成り下がったビョルンは、ただ命令に従うのみ。その漆黒の翼からは、本来の輝きは失われていた。


バサバサッ、バサァーーー! 漆黒の翼を羽ばたかせながら、狂鴉のビョルンは高速の猛スピードでヴェロンの背中を射程距離に捉えた。そして、超音波を発する、けたたましい鳴き声を鳴らしたのだ。 背後からもろに超音波を浴びたヴェロンは、全身麻痺の状態で飛行できなくなり、制御を失って地上へと落ちていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ