白面へ贈る
昔々、白面というそれは美しいお姫様がいました。狐の血を引くというお姫様は、とてもわがままでいつもみんなを困らせていました。赤い花を持ってきなさい!私が見えないところへ行って!お姫様は、自分はこんなに美しいのになんでみんな言う通りにしないのだろうといつも怒っていました。そんな折、一人の男がお姫様に贈り物を持ってきました。それは、男が作ったという一本の尻尾でした。
私にはもう尻尾が九本ある。こんなにふさふさでしなやかで綺麗な尻尾なのに、あなたは何の文句があるの?お姫様は男を叱りましたが、男は言いました。
「もう一本あると、素敵だと思ったので」
お姫様はもらった尻尾をたいそう気に入って、これがあればもう何もいらない、と思うようになったとさ。
もらう物と欲しいものが違うと納得しない、というシンプルな話である。