最初の街は不吉な匂い-3.戦闘-
長い髪の女は彼を離して、こっちを向き
俺を女の対象として捉えた。
「さあ、始めるぞ!」
戦闘態勢に反応したのか、女は
コテッと、首が折れたかのように首を傾げて、不気味に口角を上げた。
「アナタモ アナタモ アナタモオイデ!」
その瞬間、無数の細い糸が現れ
俺の周りを囲むように張り巡らされ、逃げ道を失った。
(っ!これじゃあまるで檻だ!どうする!?この糸、良くない魔力が宿ってて、触れたら、身体に深いダメージを負うかもしれない。なら!)
正直今の状況を打破するのは無傷で突破するのは難しい。
「リスクはあるが、策はある!」
"デスクラルーズリスト"
俺は詠唱を唱え、指をパチンと鳴らす。
するとドカーンと爆発し、すべての糸を吹き飛ばした。
仕組みは、自らの体を軸に回る物質、それに魔力が宿ったものを作り出す。魔粒というのは簡潔に言うと魔力の結晶体だ。それを本人の意思で爆発させることで、擬似的に体に軽い爆弾をつけた状態にするそれを指を鳴らして合図をすれば爆発しその衝撃で糸の檻を飛ばす事が可能になる。
パラパラと舞い落ちる糸屑、自分もダメージを負い
表情を苦痛で歪ませるも
相手をしっかりと捉えて希望の笑みを浮かべていた。
「次は・・・・こっちの番だ」
ふぅーと息を吸い込み、詠唱を唱え始める。
"夢の幻浄化の光を我に力を与えたまえ"
光に属する魔法、それはどんな悪を祓うとされるもの。
基本の魔法の1つである為、進化させていなければ、取得難易度は簡単。
長い髪の女の下に魔方陣が展開される。
「ロックオン!」
-ライトソルド-
魔方陣が強く光り、無数の光の柱が女を貫ぬく。
これは基本から一段階の進化を遂げた光の魔法だ。
彼が昔、独学で身につけた基本魔法に、プラス自力で進化させた魔法が長い髪の女をじわじわと追い詰めるが
女はまだ、両足で立っている。
わずかに聞こえる息づかいは何処か悲しそうだ。
「ア アハ イタイ ナンデ?ナンデ?ワタシヲキラウノ?アハ アハ 嘘つき」
コテンと首をかしげた女、その瞬間、不気味な笑みと共に現れる、良くない魔力の霧をさらに濃くした霧を噴出する。
「!?くっ!これは!やばい!」
(これはここまで来るまでに感じたものとそっくりだ!はぁはぁ、力が・・・・落ちていく)
気分の悪さが襲い、徐々に体力が削られていく。
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(くっ、神殺しとして この失態は 恥・・・・です)
チラリ
(せめて はぁ コイツをなんとか しないと )
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「はぁはぁ」
「・・・・・」
女と向かい合う
「ネェ アナタは 嘘をツイテ自分ヲ守るか嘘をつかずに真実をツタエルカ アハ アナタハドッチナノ?オシエテ・・・・?」
「っ!?」
女は長い前髪を上げて見えた、その痛々しい傷、
右目が使い物になっていない真っ黒い闇の瞳。
そしてさっきの攻撃で流れた赤黒い液体が頭から流れる液体はポタリポタリと落ち、地面に触れると
腐敗を進行させた。
それに対して唾を飲む。
(・・・・・。下を向くな、上を向け。俺は英雄になるんだろ?)
俺はもう一度彼女と向き合い
口を開いた。