最初の街は不吉な匂い2
俺が鏡の光に導かれ、辿り着いたのは、カロイ村という所らしい。
「おお!賑わってるね~」
初めての世界にわくわくしながら進んで行く。
辺りには沢山の食べ物や武器なとが売っている店があり
顔がにやける。
スタスタと歩いていた時だった
「ねえお母さん・・・なんか気分悪い」
「大丈夫?お医者さんに見て貰いましょう、うっ」
近くにいた親子がしんどそうに、話しているのを見つける。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「え・・・あ、」
「???」
「・・・・・。旅のお方、今この村では異常事態が起きているので早く立ち去った方が良いですよ、うっ、すみません、また吐き気が・・・・」
母親は具合の悪さに咄嗟に口を塞いで、下を向いた。
「お母さん!?大丈夫?お母さんも?しんどいの?」
「大丈夫よ、雪、お母さんは大丈夫だから・・・うぅ。
雪ははやくお医者さんに見て貰いましょう。」
そういえば、と思い
辺りを見渡すと、親子と同じ症状の人が目立つ。
感染症か?と最初思った。
でも
「あぁぁ、なるほど・・・・・凄く顔が歪むほどの憎悪を感じるなぁ、なんで入るときに気づかなかったんだろう?」
憎悪の出所を集中的に、洗い出すために、一度目を閉じて、走り出す。
走りなから探った方が効率が良さそうという単純思考の男は、自分は武器を1つも持っていないという事を忘れている。
ダダダダダ!
パチ
「・・・・・・よし」
"見つけた"
「あそこの山道だ!この奥に何か不吉なモノがある!」
捉えた。だからもう目を瞑る必要も無くなった。
今度は目的地まで走るだけだ。
――――――――
"森に飛び込んだ男は、空が闇に変わったのを知らない。
"
――――――――
森に入ってしばらくの事。
時々上が開けて空が見えるときがある。
(空が暗くなったな・・・まるで夜みたいだ。いやそんなことより)
「ヤバい、良くない魔力がドンドン流れ出てきてる。はぁはぁ」
ざっざっ・・・ざっ
暗い森の中を歩いてく
(俺も気分が悪くなってきたな・・・はやく見つけないと)
草木を避け、土を踏みしめて歩く。
ようやく見えた建物に近づいた。
「よし・・・・・・・誰もいない」
警戒しながら、憎悪に近い場所である
建物の中に入ろうと戸を開けようとした時
「く・・・るな」
「!?」
中から微かな声が聞こえてきたが、俺は無視して
ガラッと戸を開ける。
「っ!何してる!?」
長い髪の女が、ボロボロでぐったりしている青年の両手を押さえつけて
禍々しい杭を打ち込んでいる姿は。まるで、彼を逃がしたくないという意図を感じる。
「く・・・・るな・・・と・・・いった・・・・じゃないですか、、うぅ」
「俺は鏡に導かれてきただけだから」
気にするなよ的な事言いたかったのになんか、声が小さくなる。
「そういえば」
今更な事を言うが、俺は今武器を持っていない。
あるのは、自分の中に流れている魔力だけ。
持っている不思議な鏡は、鈍い光を放つ。
「っそうだな!男なら自分を信じて歩む勇気を持て!」
パシッと頬を軽く叩いて気合いを入れ、構える。