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品種改良

 とりあえず、収穫したものを持って農業ギルドへと向かう


 農業ランクをCに上げ、キノコ栽培セットを購入。ついでにマーケットから魔力茸を2つ買った


 かなりのぼったくり金額だったが、今の俺はおばけキャロットのおかげで小金持ちなのだ


 冒険者ギルドに行き、中級調合施設を購入。薬師ギルドの方が安いが、ランクが足りないからな


 魔力茸の一本を菌糸にして栽培しておく。もう一本は今使う用だ。急いでタバコを量産する


 調合施設のランクが上がったので、一度に作れる量も質も増えた。ひとまず50本作り上げる


 できたタバコでMPを回復して、キノコセットに『作製加速』をかけて高速生産していく。そして魔力茸をもう二本採取し、もう100本タバコを作っておく


 雨が降り続けるのは今から最短で12時間。タバコ150本で750分、つまり約12時間分はあるわけだ




「……ふぅ」



 作業が終わり、一息つく。さっきまでは焦っていたが、ゆっくりやればいいじゃないか。タイムアタックをしているわけでもないし、何かと競ってるわけでもない



「……続き、やりますかぁ」



 重い腰をあげる。作業ゲーを中断すると、再開するのが面倒に思えるのって俺だけ?


 [雨雲花]を並べて『作製加速』をかける。できたもので大きいもの同士掛け合わせてまた交配


 ……時間に追われてない状況になったらポンポン成功していくのなんでだ?



 途中で昼休憩を挟みながらも交配を繰り返していく


 拳大だった花の大きさが人の頭ほどになったとき、[雨雲花]の名称が変わった


 丸いモコモコから少し縦長になったそれの名前は[積乱花]だ。耳をすますとゴロゴロと雷の音が聞こえてくる気がする



「よっし、中間完成!」



 できた[積乱花]の隣に、一見なんの特徴もない[雨雲花]を植える


 この[雨雲花]は実は、『鑑定』で見た時にとあるパラメータが一定以上になってたものだったりする


 『作製加速』をかけて交配させると、親花より一回り小さい[積乱花]ができた。だが、聞こえてくるゴロゴロは気持ち少し大きくなった気がする


 『鑑定』を使って詳細を調べる



「…成功だな」



 親の[積乱花]が植っているところに、さっき生えてきた小さい[積乱花]を植え替える。そこからはさっきと同じだ。ただ大きくさせるときと違って、いちいち『鑑定』で詳細を調べないといけないのが面倒だが


 複数の高パラメータを狙わないといけないため、さっきよりさらに根気が必要だ。気長にやることにしよう。『時空魔法』のレベリングにもなってるし




 [積乱花]からのゴロゴロが耳をすまさなくても聞こえてくるようになり、たまに花が黄色に光るようになり始めた時、それは起きた




 バチィッ!!!


「いっでぇ!!?!?」



 別に痛くはないけど。気分的にそう言いたくなるような衝撃だ


 生えてきた[積乱花]を『鑑定』しようと手を伸ばしたら、あの衝撃と共に〈スタン〉状態となってしまった


 幸い〈スタン〉はすぐに解除される。気を取り直し、出来た植物を『鑑定』した


 また拳大の大きさにまで戻り、パチパチと帯電しているかのように発光しているそれの名前は[雷雲花]だ。遂に目的のものが完成したぞ!


 これでアイテムを作れば雷属性が付与されるし、上手い事加工すれば『雷魔法』のアーツ『スタンガン』と同じものが使えるようになる


 『スタンガン』は、至近距離にいる相手を一瞬だけ〈スタン〉させる技だ。たかが一瞬、されど一瞬。対人でも対モンスターでも活躍できるだろう


 尚、これをワキに使って『雷魔法』を習得することはできない。ダメージを伴わないからな


 『そよ風』みたく熟練度稼ぎならできるが、それも現状不可能だ



 早速、『栽培』のアーツ『株分け』を使って増やしていく。[雷雲花]も雨の日にしか咲かないため、今のうちにある程度確保しておきたい



 バチィッ!!!


「あだぁっ!?」



 収穫の度にこれなるのどうにかならんかね!?いちいちスタンしてたら効率ダダ下がりだしさぁ!!ゴム系素材はまだないんだよなぁ








 途中から『光魔法』の『アンチパラライズ』をかければいいことに気づき、とりあえず50個ほど収穫した


 こんないらんだろうけど、余ったら売ればいいし。…売るんならもうちょい作っとこうかな?雨もまだ降ってるし



 そして、ここでちょっとした朗報。【農家】のレベルがもう20を超えて、27にまで上がっていた


 ジョブを経験するごとにレベルは上がりにくくなるのにこんな早くレベルが上がったのは、パワーレベリングじみた事をしたのが原因だ


 本来【農家】は作物を畑に植え、()()()()で育つのをじっくり待つジョブだ。畑の面積も限られている。最高効率でレベリングしても、他の生産ジョブより少し遅いぐらいの上がり具合になる


 それを、『時空魔法』を使って無理矢理ブーストした結果がこれだ


 しかも雨の日にしか咲かなくて育成難易度が高いはずの[雨雲花]の品種改良まで成功させた。これ、雨降らす施設買ったとしてもゲーム内で一ヶ月ぐらいかかるし、その施設を買う頃には必要経験値も上がってるはずだからか貰える経験値がかなり多い



 ただ、俺の想定ではこの時点でカンストのLv.30になると思っていた。『公式鯖』じゃ要求経験値が多いんだったな


 もうちょっとなにか品種改良しようかな?[綿雲花]を大きくして、収穫量を増やそうか?あっ、そういやあれは晴れてないと育たなかったわ。[魔草]や[魔力茸]でやろうかな?



 …ふと、もう一つ湿地帯から取ってきたものを思い出す



「実用性はあまりないが……一応複数個取ってたし、こいつらも品種改良しとくか」



 そう言って、俺は[人喰い花の種]を畑に植えた

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