称号回収
◆Side:怪しいおじさん
ふう、なんとか話を聞いてもらえるようになった………
あれは俺が悪かったな、どっからどう見てもチンピラNPCだし。しかもさっき「犬耳で胸のでかいねーちゃん」って言っちゃいそうになったし。うん、10:0で俺が悪い
迷い猫のクエストを受けているということは、彼女もおそらくエンジョイプレイヤーだろう。なので、それに合った情報を提示してみたら見事食いついてくれた
エンジョイ勢じゃ難易度の高い要求は断られそうなので、対価を下げに下げまくった結果、ウサギをモフることになった。いやぁ、豆知識覚えててよかったぁ〜
「そんじゃ撫でさせてもらったことだし、猫集会の参加方法を教えるぜ」
そういうと俺は紙とペンを取り出し、思考入力で文字を書き込んでいく。ちなみにペンはまったく動いていないが、中のインクは減っていってる
「どうやって書いているのかしら…?」
「できた。まずはこの2つのレシピにあるものを用意するんだ」
「これは……焼き魚と、猫じゃらし?」
「焼き魚はレシピ通りに作った方がいい。猫じゃらしの方は形が似てればなんでもいいが、材料に[二又エノコロ]ってのは絶対使った方がいいぞ?」
「『料理』は私ができて、『裁縫』は……あの子今ログインしてるかしら」
「それができたら、手に持って街の中をうろつくとネコの方から声をかけられる。それについていけば猫集会だ。あ、猫が欲しいなら焼き魚は多めに持ってった方がいいぜ?」
「ありがとうございます!あと、ごめんなさい。最初に冷たい態度をとってしまって……」
「いやいや、あんたの態度は正解だったぜ。こんな怪しいやつに絡まれても無視が安定だ。俺はコオロギ。健闘を祈るぜ───」
「あっ……!!行ってしまったのかしら?どうしよう、お詫びをしたかったのに……」
『シャドウダイブ』で強制的に話を打ち切った。お詫びとかいいからネー、おっちゃんただのNPCだヨー
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『錬金』のレベリングは全然できてないが、気晴らしにフィールドに出ることにした
さっきので精神力がゴリっと削れた気がする。美女の冷めた目にはゲームで慣れたと思ってたんだけどなぁ……中身が入ってる違いか?
俺が今からやろうと思ってることは、BPが増える称号の収集だ。BPは終盤で余り始めるが、序盤で手に入らなかったら意味がない
ここで取れる称号はいくつかあるが、まずは『ラビットスレイヤー』にしよう。スレイヤー系称号は短時間に同系統のモンスターを100体倒すと貰えて、そのモンスターへの特効が得られる
『ラビットスレイヤー』は、スレイヤー系称号でBPがもらえる数少ない称号の一つだ。『スライムスレイヤー』や『ゴブリンスレイヤー』ではBPは増えない
人が減っているこのタイミングなら、簡単にウサギを100体倒せる
……さっきまでピョン太君をモフってたことはもう記憶の彼方に行ってしまった
「出たぞぉ!激怒スライムだーっ!!!」
「よっしゃ囲め囲めぇ!!」
「もっと広がれお前ら!!他のやつが撃てないだろ!!」
「抜け駆けすんなよ?せーのでだぞ?露骨なラスアタ狙いは晒すからな?」
「俺たちが一番スライム沢山狩ったんだし、俺たちに取らせろよ!!」
「そういうの事前に取り決めてただろ!!直前でごねるなら参加すんな!!」
「いいか!!誰が取っても恨みっこナシだかんな!!全員位置についたな!!いくぞ!せーの!!!!」
「「「「「「『ファイアスフィア』!!!!!!!!!!」」」」」」
「ピキィィィィ───」
「おい!今誰かアロー放ってただろ!!」
「社会不適合者もいますと」
「犯人探しは後でにしろ!!次の激怒沸かせるぞ!!スローター班行ってこい!」
「「「へーい」」」
人が少ないと予想していたが、思った以上に賑わっているようだ
どうやら激怒個体を沸かせて狩っているらしいな。ドロップ目当てか称号目当てか知らないが、スライムなら足も遅いし遠距離からの一斉斉射で倒せているっぽい
ただ、称号を貰えるのはラストアタックを入れたパーティのみだ。つまり最大5人ずつしか貰えない。何十人といるあの団体では、全員に称号が行き渡るのは一苦労だろうな
いやぁ、早い段階で激怒を倒せといてよかった
俺は彼らを尻目にウサギを狩ることにした。彼らはスライムを狙ってるし、獲物の取り合いになることはなくてよかったぜ
ええと、これが終わったら俺も猫集会に参加して、露店を『鑑定』で暴れ散らかして、街の周り一周タイムアタックして、モンキーをワンパンして……
あとはボス周回ぐらいか?カマキリのとこまだ空いてるかな……あ、途中で作物の収穫もしないとな。あー忙し




