やってよし!
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翌日
最初はいつも通り夜に生産レベリングして、朝になる
そして今日は、久しぶりにコオロギで助言でもやっとこうかな〜と思ってる。最近全然やってなかったからな
アカハネもテイムして一段落したし、ちょっと頻度高めていこう
なんだかプレイヤー全体の進行具合が気になっていたとこだし
「ん〜〜〜、どんな助言にしようかな〜〜」
質問の内容は相手が決めることだけど、来そうな質問を予想しておいて前もって答えを決めておけば、パッと答えることができる
来そうな質問………効率のいい狩場とか、いい素材の入手方法とか、強いスキルが欲しいとかBPが欲しいとか?
そういうのを、今の段階でできる範囲で教えていく。適当に言って「あ、これチュートリアル中じゃできないや!」ってなったら気まずいし
できれば第二陣をターゲットにしたいなぁ、全然接触できてないし。だから第二陣の行動範囲でできることで教えなきゃな
………難易度高くね?その範囲ってもう第一陣以前があらかた開拓した後だし。俺がドヤ顔で助言したのが「あ、それもう知ってるっす…」ってなったらすんげぇ気まずいぞ…?
なんかもっと、絶対誰も知らないだろ!みたいなことってないかな…?
隠しクエストとかイベント関連とか?それを教えて誘導して、俺のかわりにバッドエンドの火種を潰させるとかアリじゃね?!
いいじゃんいいじゃん!多分まだ『セカン』には悪魔の破壊工作が残ってるだろうし、それを確認させて解除させるのが……………あっ
「やっべ、忘れてたわ」
「悪魔の偵察」イベントをクリアしたなら、続きをやらなくちゃいけなかった
ジアに大口叩いたからな、『こっちで起こされたいざこざはこっちで解決する』って
この国にはまだ、冒険者ギルドの職員達を操った黒幕が潜伏しているはずだ。そいつを見つけて倒すなりなんなりしないと、また問題を起こされる
よし!そんじゃそれを誰かにやってもらおう!!
「じゃあまずは、あの悪魔がいるかの確認だな」
実はもう俺の知らんところで倒されてました〜って展開もありうる。それならそれで全然いいけど
コオロギクエストを発生させる必要があるかどうか。それを判断するために、アイツの潜伏場所を探りに行こう
「あれからゲーム内で10日経ってるから……あそこかな?行ってみよう」
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噴水を使って転移し、そこからさらに移動
現在地は王都の外。森の奥の入り組んだ場所だ
この辺りに黒幕は潜伏しているはずだ。いるかどうかをチラッと確認しに行こう
相手に気づかれちゃいけないから、『上級隠密』を使っていく
もし相手が万全の状態で気を張っているなら、こんな隠密は秒で看破されるだろう。しかし今アイツは絶賛弱体化中だ。普通の『隠密』でも気づかれないだろう
ここにいなかった場合は、誰かがクリアしたか、失敗して潜伏場所を変えているということだ
そう遠くへはいけないはずだから、周囲を探せば見つかるだろう
「もしクリアされてたらどうすっかな〜?代わりになるような、おもろいコオロギクエストは…………うん?」
「急げ!こっちだ!多分!!」
「多分てなんだ多分て!!」
「多分じゃ困る多分じゃ!!」
「わかんねーんだよここ迷うんだから!!」
「クソじれったいな!!向こうの奴らにわかりやすい信号でも送ってもらうか?!」
「それ他のクランにバレちゃうだろ!!」
「ようやく中堅から一抜けできるかもしれないもんな!!テンション上がってきた!!」
黒幕の場所へこっそりと向かっていた俺のすぐ近くを、プレイヤーの一団がなにかを探し回りながら通り過ぎていった
なにか探してたけど『上級隠密』中の俺に気づくことはなかったな。まあ上位スキルだから見つかるわけないんだけど
彼らは何を探してるんだろう?
この辺には特に何もない。強いて言えば今は黒幕が潜伏中ってぐらいで……
………なんとなく勘づいちゃってはいた。いやまさかな〜とは思ってるけど
確信が持てないまま彼らの後を着いていけば、『索敵』に複数人の人間の反応が映った
しかしその中に一人、魔力が異様に高いものがおり、他の反応はそいつを囲むように並んでいる
「マジか、やってる真っ最中かよ…!!」
「いた!こっちだ!『索敵』に映った!!」
「ナイスだ!行くぞ!!」
やはりプレイヤー集団の行き先も同じらしく、その場所へ真っ直ぐ向かい始めた
もちろん俺も着いていく。だってその場所は………
「死ねぇ!!『サンダーボルト』!!」
「あびゃっ───」
「おっしゃ!BP3ゲット!!」
「俺たちでイベント独占だぜ!!」
「まさか偶然悪魔とエンカウントするなんてなぁ!!」
冒険者ギルドを操り、異邦人を陥れようとしていた黒幕、一人の悪魔が潜伏している場所なんだから
悪魔は完全に臨戦体制で気が立っており、やたらめったらに攻撃を飛ばしまくっている
その周囲を30人ほどのプレイヤーが取り囲んでいる。けど、取り囲むだけで何もしていないぞ?
なんで戦わないんだ…?
「見つけたはいいけど、こっからどうすればいいんだ?」
「倒せばいいのか?」
「いや攻撃するのはまずくね?悪魔とは戦わず逃げろって言われてるじゃん」
「それ掲示板で言われてるだけだろ?」
「ソースコオロギだぞ」
「あ〜そりゃダメだわ」
「じゃあ何すりゃいいんだ?見つけたのに放置とか変じゃね?」
「なんか別の……話し合いで解決、とか?」
「……あの状態の相手に?」
「冷静にさせる方法とか、興味を引く話題とか……」
「これ、たまたま見つけちゃったけど、本来はもっと情報を集めて辿り着くものだったんじゃね…?」
「やべぇ、必要なピースが全然足りてなさそう……」
「下等生物が!!『ダークブラスト』!!」
「「ぎゃっ───」」
「早く考えた方がいいな!どんどん死んでくぞ!!」
あ〜〜、もしかして、俺が昨日ジア達と対峙した時に、プレイヤー共に『戦わずに逃げろ』って言ったのが変に伝わってるのか?
そいつは別に倒しても構わんのに
[悪魔族]はモンスターじゃなくてNPC。倒しても復活する。悪魔のリス地で
だから人間界で悪さしてる悪魔を見つけたら、ぶっ倒して魔界に送り返せば解決なのだ
まあ悪魔は一筋縄ではいかないけど、今のこいつは超弱体化してるからチュートリアル中のプレイヤーでも戦える強さをしてるぞ
だってのに、なんでこいつらは手をこまねいてるんだ?さっさと戦えばいいのに
わざわざ位置を共有して仲間を呼び寄せたのに、ただ見物するだけでなにもしてないじゃん。うだうだせずに行動に移せばいいのに
焦ったいなぁ〜〜
……………いや、彼らの気持ちも、ちょっとはわかるかもしれない
いやちょっとどころではなく、彼らの置かれた立場を考えたらめちゃくちゃ共感できちゃうかもしれない
つい直近で、俺も似たような状況を経験したから、この場の難しさは痛いほど理解できてしまう
ああ、なるほど
これが当人と第三者の認識の違いかぁ………
わかるわかる、取り返しのつかない初見要素って超怖いよね
自分の選択が正解か不正解かわからないのに、間違えてもリカバリーできないかもしれない。そんな状況で選択を強制させられるのって辛いよね
ごめんな、さっきまで無責任に「早くしろよ〜」とか考えてて
よし!なら罪滅ぼしのためにも、自信の持てない彼らの背中を押してやろう!!
「───ほぉ、どうやら俺より先にそいつを見つけ出したようだな」
「っ!誰!?って、コオロギキタ!!?」
「マジで!?」
「よく見つけたな。そいつこそが、『セカン』の冒険者ギルドの職員を呪いで操り、お前ら異邦人を陥れようとした黒幕だ」
「え、そうだったんだ」
「よっしゃぁ救済措置だぁ!!」
「なら、この場はお前らに任せるとしよう。そいつを倒して悪魔の世界に送り返してやれ」
「あ、倒していいかんじっすか?」
「本当に大丈夫なやつ…?」
「ああ。何かあったら俺が責任を持つ」
「ゴーサインいただきましたー!!」
「っしゃあ全員戦闘準備だオラ!!」
困った時の「コオロギ」飛び入り参加!
これで行動を決めあぐねていた彼らも、ようやく自信を持って武器を構え始めたぞ
あ、俺は極力参加しない方針で。初見のまま楽しませてあげたいからな
「クソッ!!まだそこにいるんだろ家畜共!!俺のザマを見て嗤ってるんだろう!!全員殺してやる!!」
「やるぜぇ!コオロギにいいとこ見せるぞ!!」
「これで俺らも攻略組の仲間入りだ!!」
「上手くいったら助言イベントも来るかも?!」
「最初から本気出すぜ!!出てこいフェニックス!!!」
「………っっっ!!!?!?」
はぁぁ!!?!?フェニックスゥゥゥ!!!?!?




