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第十話 毎日晩ご飯を作りに来たい紗緒里ちゃん

俺と紗緒里ちゃんとの話は続く。


「まあ買い出しから料理までとなると、時間がそれなりにかかるから、それをもう少し縮められたらいいとは思うけどね。アニメを見る時間やゲームをする時間がどうしても短くなってしまうから」


「でしたら、これから毎日晩ご飯を作りにきましょうか。後、朝ご飯も。お昼のお弁当だって大丈夫ですよ」


「それはさすがに無理だと思う。俺も毎日家事をしているから、その大変さはよくわかるんだ。それに、そういうことは、大切な人が現れた時にしてあげた方がいい。俺なんかにはもったいない」


こんなに気配りができてかわいい子なんだ。惜しい気はするけど、やっぱり恋した人、将来を約束した人にしてあげるべきだよな。


俺がそう思っていると、


「もう。わたし、おにいちゃんのことを将来の旦那さまだと思っているから、こういう申し出をするんですよ。これくらいで大変だと思うわけないじゃないですか」


と言って少し口をとんがらせる。


こういう時に言うのもなんだが、その姿もかわいい。


「わたし、ずっとおにいちゃんに尽くせる日がくるのを待っていたんです。おにいちゃんと会えなくなって五年ですよ。わたし、その間どれだけ会いたかったか。会いたくてたまらなかったけど、距離が遠かったんで、ずっと我慢していたんですよ。心配してくれるのはありがたいですけど、その間のつらさに比べれば、こんなことはなんでもないです。大丈夫ですから」


これだけ言ってくれるのだから、OKしてもいいのではないか、と思う。


俺としても、家事の大きな部分を占める朝昼晩のご飯作りをしてもらえるのは。大いに助かるところだ。


しかし、俺達はまだ付き合っていない。その段階でそのようなことをしてもらうのは心理的に抵抗がある。


彼女は高校一年生。


今はまだその気になっているだろうが、その内、嫌になることだってありうる。


人より思うことは少ないかもしれないが、彼女だって遊びたいだろう。その時間も減らすことになる。


今は俺のことを好きなんかもしれないが、その内に嫌いになるかもしれない。


そうすれば、それまでに俺に対してきたことが、逆に心の傷になるかもしれない。


また体の負担についても、配慮しなければならない。


体の強さは、普通の人と同じぐらいはあると思うが、それでも朝昼晩しかも毎日となると体への負担も相当なものだ。


俺は、昼はパンと牛乳だけにしているのでまだいいが、それでも結構つらいところがあるので、出来ればそういう負担はさせたくないと思う気持ちも強い。


そう思ってくると、毎日ご飯を作ってもらうということについては、もっと慎重にならなくてはならないだろう。


「気持ちはうれしいんだけど……」


「ではいいでしょうか?」


期待を持って微笑む紗緒里ちゃん。


「やっぱり紗緒里ちゃんのことを思うとね」


「おにいちゃん、わたしのこと心から思ってくれるんですね。うれしいです」


喜んでくれるのはありがたいんだけど……。


「とにかく大丈夫ですから」


真剣な表情で言う紗緒里ちゃん。


そう言えば、彼女って、意外と頑固なところがあったっけ……。


「うーん」


俺は、少し腕を組んで考える。


彼女がせっかく申し出ているのだ。全部断ることもないだろう。


「朝は俺の家に寄ってから学校に行かなくちゃならなくて、大変だ。昼はもともとあまり食べる方じゃないので、弁当だと、量的に食べきれないかもしれない。だから、晩ご飯だけでいいよ。それも毎日じゃ大変だから、土曜日だけとか」


「土曜日だけですか?」


「それも晩ご飯だけ」


「それじゃ意味があんまりないですよ。わたし、おにいちゃんのお役にたちたいんですから。平日の朝と昼のご飯や弁当は、おにいちゃんがそう言うならあきらめますけど、晩ご飯は作りたいです。それに休日は、朝ご飯とお昼ご飯も作って、一緒に食べたいです」


俺の為に料理を作りたくてたまらないんだな……。


「うーん、じゃあ、こうしよう。晩ご飯を作ってもらうのは、土曜日だけ。朝ご飯とお昼ご飯は休日の時作ってもらう。後の日については、もっと仲良くなってから、ということでどうだろう?」


「そうですね。わたしとしてはもの足りないですけど」


紗緒里ちゃんは腕を組んで考える。


「わかりました。おにいちゃんの言う通りにします」


「ありがとう」


「もっともっと仲良くなれば、それだけおにいちゃんのお世話ができますし」


そう言うと、紗緒里ちゃんはいたずらっぽく笑った。


「まずは、料理の腕を磨いていきます」


どういった料理を作ってくれるんだろう。期待をする自分がいる。


「後、朝は毎日一緒に登校したいです。それぐらいはいいですよね。毎日おにいちゃんを迎えにきますから」


「それも大変じゃない? 俺の家に来ると、遠回りになってつらいと思う」


「それぐらい平気です。朝ご飯が作れないんですから、これくらいさせてください」


さすがに、これくらいは今の時点でもいいだろうと思う。


「わかったよ。それはしてもいい」


「ありがとうございます。うれしい。これから毎日おにいちゃんと登校できる!」


満面の笑みの紗緒里ちゃん。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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