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魔王様の場合

元ネタ。

『魔王様はクソザコナメクジ』

https://ncode.syosetu.com/n0200ha/

「今日も平和やなぁ」

「そうですね」


 ナメクジ然たる魔王と、側近の吸血鬼ラーミカは、城内をのんびり見回る。

 会議や来訪の予定もなく、平和に過ぎると思われた日常。

 そんな日に限って、


「またお前かラズタイ!」

「あっはっはー! ゆかいゆかーい!」


 廊下の奥から上がった叫び声と笑い声に、魔王とラーミカが頭を押さえる。


「……とりあえず捕まえたって」

「承りました」

「あ! 穏便にやぞ! 穏便に!」

「……承りました」


 若干不満そうなラーミカは、黒い霧の中に消えると、


「ら、ラーミカ様ー……。お早いお着きでー……」

「捕らえてまいりました」


 悪戯妖精ピクシーのラズタイを掴んだ姿で戻ってきた。


「またかいなラズタイ。悪戯するなら事前に話したってほしいんやけど……」

「でもね! さっき厨房に材料運んできた人間の商人が、昨日は人間の街では猫の祭りで、至る所で猫耳を付けたり猫の仮装をした人間がいたんだって!」

「そないな祭りがあるんやなぁ」

「そんな面白そうなのを知らなかったなんて、ピクシーの恥だよ! だから今からでも取り返そうって思ったら、相談を忘れちゃってた! ごめんなさい!」


 素直に事情を説明して謝るラズタイに、魔王は諦めに似た溜息をつく。


「まぁ次から気ぃつけてーや」

「魔王様!?」

「ありがとー! 次から相談するー!」

「まったく……」


 主の言葉には逆らえず、ラーミカはラズタイの拘束を解いた。


「にしても猫の祭りかぁ。どないな事をするんや?」

「猫の仮装をしたり、猫の絵を飾ったりするんだってー! だから私もこんな風にー」

「えっ」

「あっ」


 ラズタイの魔法が魔王にかかり、


「え、ワシ、どうなったん……?」

挿絵(By みてみん)


 猫耳魔王が爆誕した。


「ぶふっ! ……ね、猫耳クソザコナメクジ様……!」

「そこに生えるんだ! おもしろーい! きゃはははは!」

「え!? ちょ、どないなってるの!? 自分では見られんのや! 鏡どこー!? 誰か鏡見せてェー!」


 この叫び声をあげてしまったせいで、集まった者達の腹筋相手に無双してしまう事を、魔王はまだ知らない……。

読了ありがとうございます。


最近使い始めたタブレットに『スケッチ』という機能があるので、それで猫耳魔王を描いてみました。

そのせいで当日は過ぎてしまいましたが、後夜祭と思えばセーフセーフ(震え声)。


後一話か二話書いて、幕を下ろしたいと思います。

よろしければお付き合いください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 魔王様のネコ耳イラストに私も腹筋を破壊されてしまいました(笑) 本当に自宅で読んでる時で良かったです、危なかったです(笑) [一言] ラーミカさんまで思わず噴きだす破壊力、魔王様は本当に…
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