突撃女子高生vsつれない先生の場合
元ネタ。
『突撃女子高生vsつれない先生シリーズ』
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【今日は猫の日 フッフー】
「先生」
「何ですか」
「今日は猫の日です」
「そうですか」
「なので私も猫になってみました」
「その全身タイツに猫耳は、何かに頭をぶつけた訳ではないのですね」
「どうですか? どきどきしませんか?」
「いとこである君が正気かどうか、若干の不安があります」
【ほら猫だぞ 鳴けよ】
「花の女子高生の猫耳全身タイツへの感想がそれですか。他に何かありませんか」
「何だかミュージカルを思い出します」
「あー。そっちですか。残念です」
「他に何かあるのですか」
「ほら、えっちな動画とかのマニアックなコスプレとか」
「そんなもの見た事がありませんし、今後も見る予定はありません」
「そうですよね。見るどころか触れる私がここにいますもんね」
「興味がないのです。わかってください」
【ぬくもりがほしくて】
「他には何かないですか」
「後は寒そうだな、と」
「若干身震いはします」
「ならば服を着てください」
「先生が身体で温めてくれればそれで」
「暖房の温度を上げました。これで暖まるでしょう」
「このままの格好でいてほしいって事ですね」
「風邪を引いてほしくないだけです。服は着てください」
【愛でてにゃんこのように】
「猫を目の前にしたら、したい事とかないんですか?」
「君は猫ではないので」
「なら私にしたい事でも良いですよ」
「首根っこを掴んで家に送り返したいです」
「首なんて敏感なところを先生に掴んでもらえるなんて」
「掴むのは叔父さんです。今から電話します」
「やめてください。父の目からまた光が消えてしまいます」
「自覚しているならやめましょう。それが親孝行です」
【ナデナデシテェ……】
「ならばせめて猫のように撫でてください」
「その願いを叶える必要性を感じないのですが」
「だって今の私は猫ですよ?」
「違います」
「猫なら背中とかお腹とか、尻尾の付け根とかも撫で放題ですよ?」
「わかりました」
「やったぁ」
「頭を撫でるとしましょう」
【悲鳴をあげろ 猫のような】
「頭は今日じゃなくても良いじゃないですか。もっと他のところを」
「おや? 撫でてほしくないのですか?」
「だって頭撫でられたら、私何もできなくなっちゃいますから……」
「それが狙いです」
「駄目ですよ。全身をくまなく撫でてもらって、仕上げに頭を撫でるのが最良の」
「猫なら黙って撫でられなさい」
「だ、駄目……、先生、お願い……。あぁ……。にゃあああぁぁぁ! らめぇ! もっと! もっとなでてぇ!」
「毎回思うのですが、何故頭を撫でるだけでここまでなるのですか」
【二人出会い方が違っていたら】
「ふにゃあ……。せんせぇ……」
「まったく今日はまた一段とおかしな感じでしたね。何かありましたか?」
「……わたしが、いとこじゃなかったら、ねこだったら、せんせぇ、すきになってくれました……?」
「猫に欲情する趣味はないです」
「そうじゃなくて……、わたしと、せんせぇの、であいが、ちがったらって……」
「仮の話をしても仕方がないでしょう。今私と君は、いとこ同士で、十三歳差で、教師と生徒なのです」
「ずっと、そうなの……?」
「えぇ。だからこそ側にいられるのですから」
【新たな誓い】
「なら、じかん、かけて、せんせぇを、ふりむかせます……」
「私以外の男性を好きになる方が早いと思いますが」
「なんねん、かかっても、ぜったい……」
「きっとその間に君の考えも変わるでしょう」
「まけない、もん……」
「私も譲るつもりはありませんよ」
「……うゅ……。すぅ……、すぅ……」
「寝ましたか。やれやれ、困ったいとこですね」
読了ありがとうございます。
この後逸人(先生)は、千夜子(女子高生)の猫耳を外し、毛布にくるんで同じマンションの階下にある自宅まで届け、千夜子の自室のベッドに置きました。
千夜子の父にして逸人の叔父の目の光は守られました。
次話は現在連載中の『平民いびりを命じたら女神と呼ばれるようになった公爵家令嬢と、計算高い腹黒王子はすれ違う』からお送りします。
次話もよろしくお願いいたします。