リリルと唯の場合
悪魔の力で極悪無双 〜契約者がこんな性悪なんて聞いてない!〜
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より。
「ねーねー跋人ー」
「リリル。何だその格好は」
跋人の言葉に、リリルはにやにやと笑みを深める。
黒い猫耳と猫尻尾。
同じく黒のチューブトップとミニスカート。
水着と大差ない姿で、リリルは跋人ににじり寄る。
「今日は猫の日だから、甘えん坊猫なあたしに跋人メロメロ大作戦なんだよー!」
「凄まじく頭の悪い作戦名だな」
「そんな事言ってさー。けっこードキドキしてるんじゃなーい? 男の人って、ネコミミに弱いって聞くしー」
「そうだな。お前が猫だと言うなら、それに乗って遊んでみるか」
にこっと笑う跋人に、リリルの心臓は跳ねた。
「えっ、そ、それってこう、動物みたいに激しくって事……?」
「とりあえず外に出ろ」
「し、しかも野外プレイ!? わ、わー。ちょっとどきどき……」
顔を真っ赤にしながら玄関を出るリリル。
後からついて行った跋人は扉を閉め、鍵をかけた。
「え、跋人?」
「表に出た飼い猫に気付かず、締め出してしまったシチュエーションプレイだ。猫のお前にぴったりだな」
「えっちょっ」
「私をそんな安易な誘惑で落とせるという思い上がりには、罰が必要だろう?」
楽しそうな跋人の声に、リリルが悲鳴を上げる。
「ま、待ってー! 思ったより外寒いー!」
「それはそうだろう。裸みたいな格好だからな」
「し、死んじゃうよー! 中に入れてー!」
「唯。三分経ったら入れてやれ。それと大方お前も、リリルのような格好をしているのだろう? 早く着替える事だな」
「はい……」
奥にいて姿を見せていないはずなのに、ものの見事に言い当てられた唯は、冷や汗を拭うとそっと白猫耳を外した。
読了ありがとうございます。
跋人の性悪が戻ってる?
三分で家に入れてあげてるんですから、優しくなったと思いますが……(震え声)。
次は『冒険者仲間から追放された幻術師は、異世界転移者に新たな可能性を見出される 〜え、エイガって何ですか!? 僕に何をしろって言うんですか!?〜』でお送りします。
次話もよろしくお願いいたします。