悪夢と真実と
夢みてるのだろうか?
僕の目の前にあるのは人の手首だ。
血溜まりの中ポツンと置かれていた。
僕じゃない。
僕はそんなことしない。
でもなんでこれがここにあるの?
誰の手首??
その手首が一瞬だが動いた気がした。
気のせいだろ?
そもそもこんな状態のものこのままにしとけない。直ぐに警察に通報したよ。携帯からだけどね。
どこかに犯人がいるのかもしれないと思うだけで怖かったよ。
でも一番怖いのは手がひとりでに動くという事。
ピクッピクッと動くそれは恐怖でしかない。
早く警官来ないかなぁ〜などと本気で怖がる僕はある意味怖がりだ。
でもね?動く方が怖いよ。
指が一本ずつ動く様は見ていていいものじゃない。
その手首が徐々に動き出した。
そう…僕の方に近寄ってきているのだ。
僕はガタガタと震え上がったよ。
でもおもちゃじゃない。だって骨が見えるんだよ?
作り物にしてはリアルすぎる。じゃあやはり本物?
僕はその場から動けずにいた。
まるで地に足が埋まってしまっているかのようだ。
ビクリともしない。
なのに心臓の鼓動が聞こえてくる。
これでもか〜ってくらいに。
手を当ててもはっきりとわかる。
その時首筋に何かが触れる感じがした。
突然の事だったので驚いて声を上げたが、ここにはあいにくと僕以外誰もいない。
助けはまだ来ないのだ。
振り返る勇気もなかった。
それほど驚いたのだ。
でもね?
肩を叩かれる感じがして振り返ろうかどうしようか迷ってしまっていた。こんなに僕弱虫だったっけ?
悪寒は取れないが目を瞑って振り返った。まだ目は開けていない。
開けられるわけがないんだ。
どうしよう…早く誰か来ないかな?
そんなことを考えても目の前に来ているであろう手首の事が気になる。
すこーしだけ薄目を開けてみた。
何かが見える。
何が?
怖いが誰もこない為自身で確かめるしかない。
徐々に目を開けた。
そこにあったものは…。
首だった。
首だけが目の前にあったのだ。
怖いやらなんやらごちゃごちゃしてしまって気持ちの整理もつきやしない。
「わぁ〜〜!」
自分の出した声にも驚いたが、手首以外もあったことにさらに驚いた。
首があったということは…バラバラにされてるのかもしれない。
犯人は何処に?
近くにいるのか?
僕を狙ってる?
恐怖しかなかった。
この場から逃げ出したかった。
でもさっきのおまわりさんとの会話で待ってること言っちゃってるんだよね〜。
どうしたらいいんだろう…。
とにかく隠れる場所がないかまず探すことにした。
犯人が来たら逃げられるようにである。
手からも逃げたいのだが、とにかく何でもいいからこの場から立ち去りたかった。
そうこうしているうちに気を失ってしまっていたようだ。張り詰めた緊張が解けたのだろう。
一瞬、さっきまでの事が夢ではないかと思ったが、おまわりさんがようやく来て状況を説明する事に。
手ははじめあった場所からは全く動いていなかった。
首は床にゴロンと転がっていた。
おまわりさんはテキパキと現場保存をかけていく。そして僕に何か触ったかと尋ねられ、さっきまでの事を思い出して何も触ってない旨を話した。
そうするとここから出るように言われた。
荒らされないためかと納得して僕はその場を後にした。そもそもこんな場所に何故来たのかって?
それは…罰ゲームだったんだ。
遊びで負けてみんなからこの場所には幽霊が出るからと言われ肝試しを兼ねての罰ゲームだったのだ。
ダチはここからそう離れていない場所にみんな固まっていた。
そしてたまたま居合わせたおまわりさんに実は…と言って話して内容を聞いて震え上がっていた。
僕の事も気になっていたようで、何だか聞いてくれたようだ。
友達ってありがたいよね。
ただ罰ゲームは…ちょっと、ね。




