出会い
魔力の才能無し、つまり『無能』の烙印を押された俺、ハースは絶望という深い谷に落ちていた。そんな中、孤児院に戻った俺はさらなる絶望を知る。信頼を守るためだと言われ孤児院から追放された。訳がわからなかった。魔力がないってだけで追放された。
「じゃあな異端児」
最後にこの言葉を聞いて。
俺は歩いた。仕方なく歩いたどうしようもないまま。
ふざけんじゃねえよ...魔力がないってだけでこんなっ...!
何時間、何日歩いただろうか。空腹で意識も薄く、さらに歩きすぎたせいか吹雪も発生して来た。
「ふざけんな...ふざけ..んな....こんな..せ..かい.........
変え......て...」
俺は意識を失った。最後に忍び寄る足音をかろうじて聞き取りながら
「ほう。今の時代にこんな子が。これはきっと可能性があるな。ふふ、楽しみだ。」
吹雪く中ひとりの人間が呟いた。
「いやー君は幸運だねえー。本当に。」
急に聞こえた声に目を覚ました。真っ白な世界にひとり、そこに少女がいた。小柄な浮いてる少女が。
「ここは?ああ、死後の世界か。あんたお迎えか?」
「あはは、君は冷静だねえ。相当追い詰められてたのかな。」
凛とした声が頭の中に響きわたる。
「ここは君の意識の中さ。勝手にお邪魔してるよ。僕はリストレイン。一部の間だけだけどよろしくね。」
意識の中?意味わかんねえ。俺本当は死んでるんじゃねえか?
「は、はあ。リストレインね。よろしく。俺は」
名乗ろうとしたが遮るように「ハース。だろ?」
なぜ知ってるのだろうか。多分俺の意識の中だからなんだろうな。
「ところでさあ俺結局どうなったの?死んだの?」
シンプルに気になった。
「ああ君の体は無事だよ。本当にラッキーだよ君。五体満足で残れるなんて。」
ラッキー?五体満足?どういうことだろうか。五体満足に関しては意味すらわかんねえ。
「とにかく、僕はこれで失礼するよ。じゃあね。」
「おい!待ってくれ!まだいろいろ聞きたいんだが!」
「残念、時間切れだよっ!」
遠くに飛び立とうとするリストレイン。
「じゃあ最後に一言!君の武器はまだまだこれからさ!」
白い世界はよりいっそう白くなって何も見えなくなり……
「あれ、ここは……ベットの上…?」
「やあ、ようやくお目覚めだな。」
そこには将軍みたいな美人のお姉さんがいた。
なんか恥ずかしい感がすごい