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えと・せとら   作者: 三波 圭太
8/8

 エピローグ

 僕は今、懐かしい道をゆったりと歩いている。その道には今までの湊との思い出が鮮明に刻み込まれていた。


 僕はその一つ一つを‘彼’に話して聞かせた。‘彼’は柔らかい表情で、じっくりと僕の話に耳を傾けてくれている。


 湊との約束の場所は近い。桜並木を通り抜けて信号を一つ渡ったところ、はっきりとその場所が見えた。


 信号が青になった瞬間僕は走り出した。目の前の扉を開けて、息を整える。


「……いらっしゃいませ」


 聞き覚えのある優しい声が耳に届いた。見上げると、見慣れた栗色の髪がカウンター越しに覗いていた。今はすっかり短めにカットされているけれど、間違いない。


 遅れて、‘彼’が入ってきた。


 僕は‘彼’の手をギュッと握る。


「ねえ、あの日の約束、覚えてる?」


 何年ぶりかに見るその目が、まん丸に開かれた。


「……おかえり、千広」


「ただいま、……湊」

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