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プロローグ

 「あっつー、この暑さどうにかなんないの―?なんか涼しくなる魔法とかないの―?」 


 「あるにはあるがあまりお勧めしないぞ。加減がきかないので凍結してしまうがな。」


 「ええ・・・。それはちょっと・・・。」


 「戦闘特化型なんでな。汎用性より専門性だ。より鋭角に、鋭く、ピーキーに、ハイパワーに


 「あーはいはい分かった分かった使えないやっちゃなー。 あーお腹減ったー。」


 交差点の信号待ちに女子高生がそんな会話をしているのが聞こえたが、その女子高生は一人で髪をいじりながらつったっており、会話の相手が見当たらない。

電話でもしているのかと思ったがどうやら鞄に付けたストラップ(らしきもの)としゃべっているようだ。


 一昔前なら痛い子なのかな?とかそういった感想が浮かびそうなものだが今となってはそう珍しい光景(・・・・・)ではない(・・・・)

実のところ会話の内容にもおかしいところ(・・・・・・)なんて何もない(・・・・・・・)




 何故ならば魔法も存在するし、戦闘だって日常茶飯事だからだ。



 

 ―――・・・ん?

会話内容ばっかり気を取られていたが、よく見てみればこの女子高生なかなか容姿が優れていることに気付く。俺としたことが一生の不覚だ。

少しウェーブしていて赤みがかった長めの茶髪を後ろでまとめた髪型に、気の強そうな釣り上がった目に、キリッとした眉、鼻筋も・・・っと。

いつの間にか信号が変わっているじゃないか。早く帰らないと昼休みが終わってしまうぞまた先輩にどやされるぞと俺は早足で信号を渡り始めたが―――。


 「おいゴルアァ!どこに目をつけてやがる!」


 女子高生に気を取られていた所為かチンピラにぶつかってしまい絡まれてしまった。

いや、でもあっちからぶつかってきたかな・・・。


 「てめぇ早く謝った方がいいぞてめぇ!」

 「てっちゃんは気が短いからなぁ!」

 「ちゃんと誠意見せたら見逃してやるからよぉ!」


 取り巻きA、B、Cが現れた!

 逃げ道を塞がれてしまった!


 チンピラたちは身体を鍛えているようで小麦色の焼けた肌に割れた腹筋を晒している。

てっちゃんと呼ばれたチンピラは俺の二回りは大きく、取り巻きでさえ俺の一回りは大きい。

面倒くさいな―、どうにかして逃げられなかな。


 「いやちょっと先急いでるんで・・・。すいません・・・。」

 「すいませんですむわけねーだろオルルァア゛!!」


 なんというかテンプレなチンピラだ。まだ生き残っていたのか。いや、むしろ増えたのかな、うーん。


 「無視かましてんじゃねーぞこのガリメガネェ!」

 「いい度胸じゃねーかどうなってもしんねーぞてっちゃんは気が短いからなぁ!」

 「やんのかてめぇやんのかてめぇ!」


 取り巻きが吠える。

 なんというかほんとに・・・テンプレです。

 まあ時間もないしちゃっちゃと片付けますか。


 「やんのかてめぇね・・・。いいね、やろうか。」

 軽く挑発してみる。こういう手合はもちろん―――


 「あン?やる気かてめぇ後で後悔してもしらねーぞてめぇ!」

 乗ってるくよね。

 

 「やるってったのはてめぇだかんな!」

 「今更謝ってもおせぇかんな!てっちゃんは気が短いからなぁ!」

 「てっちゃんのランクはB+・・・・・・だぜ!てめぇなんか一捻りだ!」


 取り巻きがまた騒ぐがそんなことどうでもいい。今なんつった?


 「今B+って言ったか?ほんとに?」

 少し驚いてそう言うとそのことが嬉しかったのかチンピラはドヤ顔になった。うぜぇ・・・。


 「あン?ビビっちまったか?土下座するんなら許してやらねーこともねぇぞぉ?」

 ドヤ顔からゲス顔に。表情がめまぐるしく変わってなんか面白い。

もう少し見ていたい気もするが本当に時間がなくなってきた。もう片付けよう。


 「や、いいよ。早く始めよう。」

 「チッ、ぜってぇぇぇブッコロおォォす!!!」




 「「フィールドセット!!」」




 そうして俺の戦いは始まった。

いきなり決闘が始まるなんて異常に見えるかもしれないがここではさっきも言ったとおりこんなこと日常茶飯事だ。


 


 そうあのとき世界が壊れてからは―――。





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