06:エターナル
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「え? 実験打ち切りっすか?」
「ああ、学園編に入って同じ様なイベントの繰り返しになっちまって、これ以上続けても意味が無いってよ」
それはその通りだと思うが……だったら何で学園なんて用意したんだって話だよな。
俺達のあの苦労は一体なんだったんだ。
「取り合えず、コイツを使っての実験はもうおしまいだ。
次の被験者が来るまでは今回のデータを整備するのが仕事だな」
個人的には学園編のデータはもう見たくないんだが。
「この人、どうなるんすか?」
「さあ? そいつは他の部署の仕事だからな。
俺達の知るべきことじゃねえよ」
ま、大体予想は付くけどな。
元々、まともに生きていけなくなってここに流れてきたんだから、ここでもお払い箱となりゃ行く先は見えている。
「そう言えば、センパイが投稿してた小説はどうするんすか?」
「どうするも何も……続きを投稿出来なくなっちまったからな。
消すのも勿体ねえし、このまま放っておくしかねぇだろ」
「何だか切ないっすね」
「全くだ、書籍化の夢破れたり……か」
思えば儚い夢だったな。
「うぅ、奢って貰う約束が消えてしまったっす」
「それが切ない理由かよ……まぁいいや。
なんか今日はもう仕事する気にならねえし、いつもの天麩羅屋に飲みに行くか?
流石に寿司とまではいかねえけど、それくらいなら奢ってやるよ」
「マジっすか!? 行くっす行くっす!」
「途端に元気になりやがったな……現金なやつだぜ」
「予想通りエタって終わりか」と思われたでしょうが……後一話続きます。