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東方閉瞳神録  作者: 夢
第ニ章〜世界樹編〜
12/15

閑話 【三貴紳】 其の一

お待たせしました。

東方閉瞳神録 閑話 三貴紳編です。

睡魔に勝てず、書いている途中で寝落ちしてしまい、更新が遅れました。


本編とはあまり関係性がないですが、また時間軸をぶっ飛ばしますので、その間の出来事です。

幼少期の紫ちゃんはおそらくもう出ません。


三貴紳たちをオリキャラ扱いするのはどうかと思うので、簡単に説明しておきます。


天照大神

主人公にデレデレの変態淑女

一人称はわたし


月夜見

主人公以外に興味がない

ヤンデレでミステリアスな口調


須佐男

男みたいな格好をしているが実は女

主人公に対して素直じゃない。(たまに素直になる)

初心




『・・・・・』

俺は今、もの凄く気まずい空気が流れている場所にいる。

俺の両隣に久遠と神楽が座り、向かいには天照,月夜見,須佐男が座っている。

(あとでわかったことだが、男だと思っていた須佐男は実は女だった)

何故こんなことになったのか?

「ご主人様、たまには三人で一緒に出かけてみませんか?」

始まりは、久遠のこの言葉からだった・・・





紫と桃蘭、それぞれに稽古をつけ始めてからはや300年。

紫も今では、久遠と神楽、桃蘭と並ぶほどに

(色々と)成長していた。

今では、あのかみかみだった口調もしっかりとしたものになっており、能力に関しても制御できるようになっている。

その能力で、”すきま”とかいうのを開けるらしく、その”すきま”に入ることもできるらしい。

だが、それでも我が家に留まり、あの頃と変わらない面々で過ごしていた。

そうそう、いつか言ってた青い鳥なんだが、いつからか、俺が草笛を吹き終わったあとも、その日の日の暮れ時まで俺の肩に止まるようになった。

久遠たちによると、「ご主人様と、その肩に止まる青い鳥は絵になります」だそうだ。

大陸の方では、青い鳥は幸せを運ぶ存在だと言われているらしい。

そうなると、青い鳥の方から擦り寄ってくる俺は幸せなんだろうか。

そんな毎日をいつものように過ごしていたときに、久遠から久しぶりに三人で出かけないかと言われた。

確かに、ここ何年も(実際には数百万単位かな?)三人で一緒にいることがなかったのでちょうどいい機会だった。

それで次の日に、紫と桃蘭に留守を任せて、俺達は久しぶりに三人の時間を過ごしに出かけた。

そのときに、紫と桃蘭が羨望と嫉妬が入り混じった顔をしていた。




〜神様&式移動中〜




三人で過ごすといっても、周囲には人間たちは住んでおらず、数km離れた場所に妖怪や妖精が住んでいるだけなので、とくにどうということはなかった。

ちなみに、この地域一帯に住んでいる妖怪は以下の通りだ


河童

猫又

覚り

鴉天狗

白狼天狗

鎌鼬

雪女(冬限定)

ハクタク

セイレーン



などだ、ハクタクやセイレーンは大陸の妖怪らしい(当人談)のだが、ここに住んでいるのは、なんらかの理由で住む場所を失くした者たちだ。

そもそも、何故こんな場所に妖怪たちが住んでいるのかというと・・・




俺が家から1km程離れたところで草木の様子を見ていると、東の方角から大多数の何かが飛んでくるのが見えた。

先頭には、おそらく長のような存在なのだろう存在がいた。

じっと眺めていると、こちらに気付き、先頭の奴を始め、一斉にこちらに降りてきた。

そのとき始めて気付いたが、彼等は人間と変わらない姿をしており、背中には黒い翼が生えていた。

そして長と思わしき人物が、こちらに挨拶してきた。

見た目は随分と若々しく、かつ言葉使いは丁寧だった。

話しを聞く限り、彼女たちは鴉天狗という種族らしく、ここから東の方にある山に住んでいたらしいのだが、最近山の状態が悪くなり、住める状態じゃなくなったので、住む場所を探していたという。

話しを聞いた後、俺は彼女たちを今いる場所から更に数km離れた場所にある、平原地帯に連れてきた。

当然の如く、何故ここに連れてきたのかと聞かれたが、俺はほくそ笑んで、その平原に山を作ってやった。

ありえない光景に、彼女たちは終始口を開けているばかりだった。

幻でもない、飾りでもない。正真正銘の山だったのだから。

山の中を案内してあげたあと、長と思わしき人物(天魔というらしい)にもの凄く感謝された。

なんでも、彼女たちが以前住んでいた山よりもはるかに大きく、自然の状態もかなりいいらしい。

その後、何かお礼をしたいと言われたが、丁重に断った。

そのかわり、この山や周辺に妖怪たちが住み着いたら、追い出したり争うようなことはせずに、他種族同士だからこそ、互いに助け合って生活してほしい、とだけ言っておいた。

それ以降、俺が言っていたことを守ってくれてるらしく、上記のような種族の妖怪たちが住み着くようになってきた。

それは別に構わない。むしろ喜ばしい。

ただ何を言われたのか、新しく住み着いた者たちが、わざわざ我が家まで挨拶しにくるようになったのだ。

日に日に山やその麓、周辺に住み着く妖怪たちが増えてきているので、こちらとしては毎日挨拶されるおかげで、以前みたいなのんびりとした時間がなくなってきた。





それで今俺達三人は、そんな多種多様な妖怪たちが住む山に遊びにいっている道中で、いきなり現れた天照たちに連れられ(強制連行)て、高天原にいる。

久遠も神楽も、目に見えて不機嫌になっており、かくいう俺も少し不機嫌だ。

向かいには、にこやかな笑みでこちら(俺)を見ている天照、顔には出してないが、おそらく喜んでいるのだろう月夜見、そして何も言わず、じっと座っている須佐男。

この場には、俺達以外、誰もおらず、八咫烏やアメノウズメなどもいない。

本来なら、せめて誰かいてくれた方がいいのだが、この状況だといてくれない方が助かる。

余計な口出しをされて収集がつかなくなったら困る。

互いに何も言わず、静かな時間が流れ続ける。

このまま時間が過ぎていくのもいやなので、仕方なしに口を開いた。

「久しぶりだね、天照、月夜見、須佐男。本当なら、再会を喜びたいところだけど、何故ここに連れてきたのか、聞かせてもらっていいかな?」

声に若干怒気を含んで発する。

「お久しぶりです、真火様。勝手に連れてきたことに関しては謝罪します。」

「そういうのはあとでいいから、連れてきた理由を聞かせてもらえないかな?」

「あ、それはですね?ただ単に会いたかっただけです。」

『・・・・・は?』

え?今なんと言ったの?このお嬢さんは。

「だってわたし、寂しかったんですよ?いつまでたっても真火様が来てくれなかったんですから。」

いかにも泣いてますみたいな感じで顔を袖で隠す天照。

「またですか、ご主人様・・・」

いや、俺なにもやってないからね?

そんな顔しないでよ二人とも。

「「ご主人様ですから仕方ないですね。」」

いやだから、ほんとになにもやってないからな!?

「真火、そんなに夜見たちのことが嫌いか?夜見は、もっと真火と一緒にいたいんだ。」

そういって、月夜見が俺の右手をとった。

「真火・・・夜見は、真火のことならなんでも知ってる。真火の好きなものも、嫌いなものも全部。だから真火、夜見と一緒にいてくれないか?」

「月夜見・・・「夜見でいい」・・・夜見、悪いけどそれは出来ない。」

「な、何故だ!?夜見は、真火の為ならなんでもしてやれるぞ!?そ、そうか、身体か?夜見の身体がいいんだな?それならそうと「夜見」な、なんだ?真火・・・」

月夜見がそう想ってくれるのは嬉しい。けど・・・

「俺は、君の想いに答えることは出来ない。それに・・・





俺には、やらなきゃいけないことがあるから」

『・・・・・』

世界樹をなんとかしない限り、なにも始まらないからね。

「・・・わかった。真火がそういうなら仕方ない。じゃあ、せめてこれを持っていてくれ。」

そういうと、月夜見はなにかを渡してきた。

「これは?」

「夜見の加護を入れた首飾りだ。」

「そうか・・・ありがとな、夜見。」

月夜見に笑顔で返すと、真っ赤にして照れ臭そうに顔を背けた。

「月夜見ちゃんに先を越されてしまいました・・・真火様、わたしからはこれを」

今度は天照、なにやら輪っかのようなものだ。

「指輪?」

「はい、月夜見ちゃんと同じく、わたしの加護を入れております。」

「ありがとな、天照。」

笑顔で返すとまたもや顔を赤くして背けた。

そんなにひどい笑顔なんだろうか?

「真火・・・私からはこれを」

最後に須佐男、月夜見は首飾り、天照は指輪だったが、須佐男は・・・

「・・・刀?」

「そうだ、私自ら鍛えた刀だ。それがあれば、真火の身を守ることが出来る。」

「ありがとな、須佐男。」

普段から俺に対してだけは素っ気ないので、つい嬉しくなって須佐男の頭を撫でていた。

「っっ!!な、なにをする!!?」

「すまんすまん、嬉しかったからつい。」

そういうと須佐男は、耳まで真っ赤になっつ動かなくなった。

「須佐男ちゃんだけ狡いです〜。わたしだって頭撫でてもらいたいのに・・・」

「まったくだ、後で須佐男はお説教だな。」

「ははは・・・手加減してやれよ?」

動かなくなった須佐男に嫉妬する天照と月夜見。

一方で、久遠と神楽は更に不機嫌になっていた。

彼女たちに話せば、間違いなく協力してくれるだろう。

だが、出来れば今回の件に天照たちは巻き込みたくない。

罪も憎悪も全て、俺だけが被ればいいだけだ。

だから、世界樹は俺が・・・




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