4月8日(日) 桜満開六郷土手に遊ぶ
昨日に続き、今日もお花見。昨日より、風も弱まり、晴天で、お花見日和となった。素庵、もとは街のスーパーのオーナーであったが、川崎区内にヨーカドーなどの一万坪級の大型スーパーの出店相次ぎ、店をたたんだという経歴で、今も街の商店街の副会長の席を汚している。
今日は、多摩川の六郷土手(大田区)で、わが商店街のお花見会が開催された。普段は名ばかりの副会長だが、本を読んでおかせば一日でもじっとしていられるという、比較的希有なキャラクターを見込まれて、宴会場死守の任を与えられてしまった。朝七時、近所のホットモットのオーナー社長が車で素庵を迎えに来た。長男の高価な暖かいスノーボード衣類(長男はもと、ムラサキスポーツの店長なのだ)を着こんで、ポットにウイスキーのお湯割りを入れて、いざ出陣!
六郷土手にはおよそ桜の木が200本はある。土手の外側に木は植わっていて、木の下は狭めであるので、土手の内側の下に陣を張る事にした。ここからも土手の向こうの桜並木が麗しく見える。
ホットモットのオーナー社長と二人で、建築用の青い新品のビニールシートを敷き、キャンプに使うペグ(留め金)を土にたたき込んだ。
「それじゃね」冷酷にあっさり、オーナー社長は去って行ってしまった。素庵は、このとき島流しにあった帝王の気持ちがはっきり解ったのであった。大きいブルーシート2枚・ディレクターチェア二脚・還暦過ぎた親父が一人、広い河川敷に残されたのであった。
そこで、素庵、チェアを桜の方に向けて座り、ホットウイスキーをコップに注ぎ、ぐいと飲んだ。12時開催の宴会まで、あと5時間はある。この時間をやり過ごすために、「遠野物語」(柳田国男著・岩手県遠野に伝わる伝承、奇談を集めた本)「現代語訳日本書紀上・下巻」(宇治谷孟著。氏は1988年時、滋賀文教短大教授)計三冊を用意したが、まずは「遠野物語」を開いた。
こうして12時まで若干の桜見物と河川敷仮設トイレの点検をのぞいて、ついに5時間、遠野の怪奇物語に引きずり込まれてしまった。時は春、陽気は良好。これはこれで良いときの過ごし方であった。この際、「遠野物語」は著作された年月が古く、やや難解、冗漫なので、「紫式部日記」に続いて現代語訳・抄訳をネットの「小説を読もう」に、載せようかと思いつく。
桜花下怪奇物語読んでおり 素庵
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