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素庵日記  作者: 春野一人
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3月25日(日) 晴 湘南、三浦海岸の河津桜を見にゆく

 休日としては久々の晴天である。首都圏はこのところ、休日の散歩にふさわしい天候に恵まれなかった。したがって晴耕雨読主義の素庵は、宮沢賢治の住居の入り口の黒板に書かれた「シタノハタケニイマス」のようではなく、足の筋肉を使わずに「イエデホンヲヨンデイマス」が多くなってしまっていた。

 それで、今日は衰えた足を回復すべく、散歩に出かけることにした。京急「三浦海岸駅」には早咲き桜として知られる「河津桜」が千本ある。情報によれば、かの河津桜も、およそ1ヶ月開花が遅れたが、見頃を迎えたらしい。ポケットには、現代語訳「日本書紀」下巻を入れた。現代語訳でも何でも良いから、日本書紀の内容はすみずみまで、壊れメモリーのいい加減な頭であるが、入れておかねばね、「小説を読もう」で、連載執筆中の「太安麻呂日本書紀を・・・」の、この先の展開が難しいからである。

 素庵、息子(次男)と共同で車を持っているが、このところ余り利用しない。電車は良い乗り物であるからだ。移動中本が読める。昼寝ができる。風景を眺められる。音楽だって聞くことができる。綺麗なお姉さんと乗り合いになる・・・。


 三浦海岸駅から、京急線沿いに歩いて10分ほどで、線路際に河津桜の並木が始まっている。満開をやや過ぎたが、散り始めた桜が、風情を添えている。桜の木の下には、びっしり菜の花が植えられている。それから15分ほどのこの道の途中に、掃除の行き届いたトイレ休憩所がある。去年は、ここに地元の農家の人たちが売店を開いていたが、今年はあまりの開花の遅れで、売店はすでに終了したようである。

 この先に。この桜見物の最終地である。小松が池がある。この池は一見、人工的に作られた用水池のように見えるが、古くからある自然の池であるという。300㍍四方の池の周りにも桜が植わっている。

 池のそばには、屋台の焼き鳥屋と太鼓焼き屋が店を出している。素庵はネギマたれ焼き2本と日本盛コップ酒熱燗、山の神には粒餡太鼓焼き1個にお茶パックを買って、池際の桜の下に座り、ソメイヨシノ桜よりはやや赤い花を愛でながら、お茶タイムを楽しんだ。・・・ああ、良きかな人生・・・

 帰り道は桜のない、農道を通る。農家のオオヤジさんがブロッコリー等を100円で売っているので買う。桜見物のために設けられた百台ほどの駐車場にも野菜の売店があって、そこでも100円で、大根、切り干し等も買う。


 三浦海岸駅に戻ったのは、まだ昼前だったので、海岸に出てみることにした。三浦海岸駅より300㍍

の海に出た。今日は房総半島の鋸山のこぎりやまをはじめ、山々がくっきりと見える。海では折からの強めの風を受けて、ウインドサーフィンの連中50人ほどが海をすべっている。駅から海岸道路に出た左側に古民家を移築したと思われる「海わ屋(かいわや)」という、駐車場七台ほどをそなえた店がある。素庵はここで昼食をとることに決めた。ここの料金はファミリーレストランなみでありながら・・・シラス丼、そばセット(1200円)・魚天丼、そばセット(1100円)、満足の味でした。ここでも純米酒1合弱(680円)飲む。


 

長冬で花ハンターと呼ばれけり  素庵



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