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素庵日記  作者: 春野一人
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3月11日(日)薄日さす日 横浜元町・中華街に遊ぶ

 今日は、東日本大震災からちょうど一年目の日だ。二万近い人々と数多くの人家・漁港・工場が失われたのは、誠に残念だ。原子力発電所の崩壊によって、人類の歴史にいまだ見ない、核汚染地からの避難という、黙示録的状況になったのは、原子力発電所に対する安全過信が原因であったと思う。


 天気も良い。今日という日だから、妻の父が眠る、東横線白楽駅からほど近い墓園ビルに墓参りに行く。墓参を終え、白楽駅より直結のみなとみらい線の中華街・元町駅で降りる。元町の洒落たお店を眺めながら、スーパーユニオンでホワイトデイの品を選ぶ。我が家は、わが山の神・次男の嫁さん・小三の孫娘・三才の孫娘と女系かぞくであるから、ジジは散財せねばならない。元町ではバグパイプ・イングリッシュハープの演奏がイベントとして行われていた。二曲ほど演奏を楽しんで、昼飯を食べに、歩いて十分ほどの中華街へ足を向ける。中華街の大きい道筋にある、鳳林ほうりんに入る。悪妻は「ふかひれあんかけ炒飯」1800円(ふかひれ一つ入り)居候の素庵は、「五目焼きそば」800円なりに、中生ビールである。さすが中華街!値段・味・豊富な食材で満足である。

 ふと、壁をみると、森田芳光もりたよしみつ映画監督の色紙が貼ってあるではないか。おかみに聞くと、取材で来たのではなく、渋谷の歯医者で顔見知りになったそうである。色紙には2007年2月7日の日付入りで、「ごちそうさまでした。おいしかった」とある。森田は昔の知人であって、先日亡くなった。ふと入った店に、森田の色紙が張ってあって、それが今日という日であることに奇遇を感じる。

 中華街ではチャーシューを買い、焼き栗を買った。焼き栗を買ったころが恐らく。震災のあった2時46分ごろであったのだろうが、中華街では「黙祷」の放送が流れず、黙祷を逃してしまった。ああ!


 今日から、思いついて、「紫式部日記・素庵の気楽訳」を始めた。こうすれば、自堕落な自分でも、まじめに読み込めるに違いないと思うからである。岩波文庫の注だけでは、充分に意味がとれないので、図書館に研究書を注文してある。それを見て、書き出してしまった部分も書き直すつもりである。

 

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