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素庵日記  作者: 春野一人
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1月20日(金) 小雪

 冬に入って初めての雪らしい雪が朝から降っている。山の神は今日はパートが休みで家にいられるらしい。素庵はもう一日頑張らねばならないのが辛い。会社が特殊化学製品製造業の直営販売部で、それでライバル会社が少ないので、土・日・祭・正月・ゴールデンウイーク・夏、の各休みは充分に取れるのだが、それでも、本を読んだり文を書いたり、遊んだりするには、まだ足りないと素庵は思っている。まあ当節の勤め人としては良い方なのだが・・・。山の神は、閑と言うことなので、今日は午後から「モツ鍋」に取り組むという。材は、豚モツ・ゴボウ・大根・キャベツ・人参・ニンニク・味噌、である。

 

 三十代の長男に、先日、就職面接を受けた会社から落ちた旨の、例の慇懃無礼な書面が今日届いた。その会社は高収入であるが残業がある上に、週一度の休みしかない会社である。今までが販売業店長であった愚息は忙しい上に低賃金という仕事に疲れ切り退職したのであるから、今度は、同じ給与ぐらいでも休みの多い仕事を探していたのだが、ハーローワークで見つけた仕事が、その会社であった。万事塞王が馬である。給与に引かれて、会社にはいれば、時間に余裕のない生活に又はいることになってしまう。落ちてしまったのをさいわいとせねばならない。親としては残念というより良かったという気持が先立つ。


 夕食のモツ鍋の酒としてワインを買ってこいと山の神の勅命がくだる。そこで素庵は前から目をつけていた会社近くの、京急平和島駅前の、酒のディスカウント店「マルセ」(駅から国道15号を渡ったところにある)で、980円のフランスワイン・シャトークープレ2007年産赤ワインを1本を手に入れて、いそいそと帰宅した。

 夕食はもつ鍋・里芋煮物・成田のウリ浅鉄砲漬け・御飯・このワインである。ワインはいま一つという所であるが、悪くはない。この値段としては仕方がないかという所である。ワインにうるさい長男も満足して飲んでいる。値段を伏せて飲ました時に1500円ぐらい?と言った良品であった。


 ツンドクの書物の窓辺に雪が降る  素庵


 



 

 



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