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素庵日記  作者: 春野一人
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12月22日 曇り 寒い

 北陸では雪がさかんに降っているようである。日本海の水温が、例年より高く、蒸気が多く発生したところに寒気が強めなので、この大雪の原因であるという。トーストと珈琲で朝食をすませたが、駅で立ち食いそばに入って、かけそば360円也を食べた。折からの寒さも手伝って、熱い蕎麦は格別の旨さだ。

 安い蕎麦、されど蕎麦である。素庵、新宿高島屋ができたころ、舘内の東急ハンズのイベントの、「新蕎麦を打つ」というコーナーで、蕎麦打ちに参加したことがある。その時打った蕎麦は、素庵の性格を良く表しているような乱切りの見てくれ悪い蕎麦であったが、香りといい、味といい、最高の蕎麦であったと、いまでも思う。

 さて、暮れの街の環七も環八も山手通りも、殺気走った車で満ちあふれていて、弱気の素庵ゴメンゴメンと走る有様である。会社の皆さんは、一次忘年会はとっくの昔で、今や四次、五次忘年会で、飛行機・船・車のメカ物が好きなF氏などは三連休は久々の休肝日にしようと宣われている。

 幸いなことに素庵はそんな、狂騒と無縁な所に佇んでいる。コンビニでトイレを借りたときには、買う物はノン・アルコールビールと決めていて、ノン・アルコールはサッポロが一番、サントリーが二番、キリンが三番、アサヒが四番だと思っている。昼は、タニタの社員食堂の乗りで、セブンイレブンのキャベツサンドに熱お茶缶という事が多い。素庵は生き残ってあと三十五年は小説道三昧の青春人生を送りたいという妄執を持っているが、どうなる事やら。・・NHKラジオ第二、朝十時から十時半まで「カルチャーラジオ」というのを毎日聞いているが、しばしば、昔の放送のテープを流してくれる。志賀直哉・武者小路実篤・古今亭志ん生などなど、それを聞いていると勉強になるが、どんな、優れた人でも「人は老いる」とも感じる。元気な内が花である。体力だけは維持しなければならないのである。


 市立図書館にネットで予約してあった「大佛次郎時代小説全集・第24巻」(ポー作ウイリアム・ウイルソンに触発されて書いたという、「隼の源次」が入っている。朝日新聞社刊)と化学雑誌ニュートン200年6月号・2008年12月号(前記は、今話題の重力粒子「ヒッグス粒子」、後記は「虚数なるほどよくわかる」が載っている)を借りてくる。日本書紀私記解題は、20ページ余りを図書館でコピーして持ち帰った。(安価なら買うのだが、高価で貧乏素庵には手が出ない。素庵風「自炊」である。夕食はホイコローとカボチャ煮物とおでんとイカリングフライと御飯一膳・ノンアルコールサッポロ缶である。お風呂には「バスロマンほのかなゆずの香り」に、ここ数日ゆず2コ入れている。(ちょっと変だね)




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