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素庵日記  作者: 春野一人
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11月19日(土) 雨

 朝三時起床。昨晩は九時には寝てしまったから、六時間以上は寝たわけである。お気に入りのテレビ番組「和風総本家」が、日本シリーズの延長によって、放送時間が遅れてしまったので、早々に寝てしまったので、早寝早起きとなってしまったのである。日記、太安万侶書く。朝食はホットケーキを焼き、ヤマブドウジャムとハムをそえる。珈琲・紅茶付きである。朝から暖かい雨が降っている。十時までPCにへばりついている。今日は要介護3の母が入所している介護老人保健施設まで洗濯物をとりにいかねばならない。雨の中、片道2キロ、往復4キロを、運動のためにも歩いて移動する。90歳のこの母にはもはや言葉は通じない。かろうじて私が息子であることが解るだけである。ほぼ全員が座っている集合室の片隅に母もちょこんと座っている。声をかけると「あら、来てたの、用事があったの」と、いつも言うようにしかものを言わない。返事をしても「座ったら」「何か食べる?」と、一方向からの返事しか帰ってこない。会話は成立しないのだ。したがって早々に施設から退散して帰路につく。今日、ここの月費用6万4千円なりを支払うが、市より介護保険の還付金が1万5000円あるので月費用は5万円である。この費用も安いとは言えないが、普通民間老人ホームであったなら20万円近くかかるようであるからかなり安い費用といえる。素庵の所得などたいしたものではないが、母が素庵の扶養家族のままであるのなら、このような施設でも倍は払わねばならぬはずである。母をわが家族から切り離し、わずかな年金収入の老人所帯とすることによって、この費用ですんでいるのである。施設に入るのにも、テクニックがいる。母の場合は死にそうな肺炎にかかって、入院して回復したからリハビリとして現在の施設に比較的順調に入れたワケなのである。このような認知症の老人をかかえる方には入院は施設にはいるパスポートであることを強調しておきたい。ちなみに、ここの入所にあたり、保証金10万円を入金している。(退所時返還される)

 ネットで午後一時十分より、駅前のシネコンに「素敵な金縛かなしばり」を予約してある。「素敵な金縛り」は、人気監督の三谷幸喜脚本・監督作品。主役に「悪人」で好演の深津絵里、金縛りする武者の幽霊に西田敏行を配している。すでに公開から三週間を経ているが、三週間の興業成績は第一位であるという。内容は、ある殺人をめぐっての検察と三流弁護士と落ち武者幽霊を交えた法廷ミステリーコメディである。笑いあり・なみだホロリありの、良くできたコメディーに仕上がっている。

 映画前に「ドンク」にて、ランチを買う。フランスパンに鮭・タマネギ・チーズ・マヨネーズを挟んだサンドイッチにアイスティー各二人前しめて千円以内である。映画のあと四時過ぎ、チエーン寿司店(回転寿司ではない。本マグロをさばく店で夫婦二人で飲んで食べて7千円で済む、リーズナブルな店である)に入り夕食とした。生ビール・冷酒・ハイボール各一杯飲む。したがって、読書も執筆ならずテレビ「アド街ック天国」草加編をボウと眺めるだけである。そして今日も午後九時就寝のよい子となってしまった。


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