キンドルな日々
2013/12/20 金曜日
キンドルではかなり多くの版権が切れた小説・エッセイが無料で手に入る。使っている三万円ほどのカシオの電子辞書でも千冊が収納されているが、これはあまり利用していない。PCでも「青空文庫」のサイトをクリックすれば同じように利用できる。
いろいろあるが、キンドルの良さは簡単に文字の大きさと明るさが変えられる事である。素庵は翁であるから、視力も落ちて小さなコントラストのない文字は苦手だ。
先週、湯河原・山水楼(すばらしい野天風呂・料理だった)に泊まった。持ち物はシャツ・パンツ・整髪料・キンドルだけで済んだ。キンドル一つあれば森鴎外・夏目漱石・芥川龍之介エトセトラ読書OKだ。従来は文庫本数冊をバッグに入れていたものだ。キンドルは旅先でも利点がある。旅館・ホテルはおおむね充分な光量の読書灯が用意されていない事がおおい。ホテルのツインベッドでは隣に悪妻が寝ている。ベッドサイドのランプの光量を上げると「まぶしい!」と怒鳴られる。それで不十分な光量で文庫本を読むことが多いのだ。キンドルがあればこれが解決される。これで山の神の雷撃をか弱き翁はやっと避けられる平穏な日々を手に入れる事ができたのである。
しかしながら、このキンドル、まだまだ所蔵量は村の図書館なみである。わが愛す「日本書紀」などもない。もっと充実して欲しいものだ。
現在読める作品のなかでも、素庵は永井荷風の小説・随想を偏愛している。古今まれなる名著なり。(荷風の口調になってしまった!)
二十三区配達オヤジ荷風故地見とれるあまり運転あやし 素庵