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素庵日記  作者: 春野一人
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5月14日(月) 晴 旅行に持って行った2冊の本

 五月五日は奈良・京都旅行の二日目であった。前日、平城京跡(ここでは、平城京祭りが開かれていた、地元産物や企業が売店などを開いていた。奈良時代の衣裳を貸し出し、着替えて大極殿を歩く催しなどもあった。・・・奈良観光興隆のためのこうした企画はそのうち必ず芽吹くだろう。美しいロマン溢れた奈良・飛鳥・吉野は、次世代の人気観光地になるにちがいない。人々が古代の歴史に関心を持つほどに、人気は鰻登りになるに違いない。)を、見たあと、弥次喜多夫婦は特急電車で40分ほどの京都に向かった。

 この旅行は、読売新聞掲載のJR東海の企画で、東京から行き帰り新幹線+京都駅構内「近鉄ホテル素泊まり」の内容で一人3万円なのである。ゴールデンウイークのさなかに、この値段で、良い時間帯の新幹線が確保出来ることはメリットがあると思え急遽旅行と言うことになった。

 行きは品川発七時という、臨時ツアー新幹線で、帰りは午後八時という自由選択の新幹線が確保出来たので(行き帰り指定席)、一泊としては、時間が充分に確保できて、飛鳥まで足を伸ばすことができたのは実にラッキーであった。


 さて、京都での夕食は京料理でもと、考えていたが、新幹線3時間+10キロサイクリング+10キロ歩行+近鉄特急電車2時間というハードな旅程に疲れ果て、京都駅で弁当とビールと梅酒サワーを買って、早々にホテルに入り込んでしまった。


 翌日の午前9時、保津川渓谷のトロッコ電車(旅行社で指定席券を押さえてあった。以前乗ろうとしたときに、すでに予約が売り切れていた苦い経験がある)

 保津川は、すでに桜は終わってしまっていたが、新緑が鮮やかで気持がよかった。そのあと、蒼蒼とした竹林を抜け、文化遺産、天竜寺の嵐山を借景とした、中国風の壮大な庭を眺め、太秦東映撮影所へ向った。そのあとは、菅原道真で有名な北の天満宮、祇園、三年坂を歩いた。今回は竜馬の墓は行かなかった。庭が美しい名店イノダ三年坂店で珈琲を飲んだ。濃厚なパンチのきいた珈琲である。水は美味しい。


 旅行中持ち歩いた本は、井上靖作「天平のいらか」と映画化原作の萩原浩作「愛しの座敷わらし・上」である。天平の甍は、平城京から唐に出発した遣唐使たちの苦難な運命を描いた作品。当時の、国を興す情熱の熱さが伝わってくる作品である。今回、当初は平城京見学を予定していなかったが、悪妻の要望で、途中下車が実現した。この作品と、平城京の現在の対比は、なかなか感無量のものがあった。

 あれから、1300年、われわれは、また沈みそうな国を興さねばならない・・・しかし、遣唐使達の命をかけた渡海に比べれば、現代日本人はまだまだ余裕の中に生きている。ご先祖さまに負けずに子孫のために良い国を造ろうではないか。


 遊びにも学びの素があるんじゃい   素庵


 


 


 


 

 

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