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episode 10

     Side:九



 ちゃんと風邪を引いた俺は、しっかりと鼻の下に水路を作り上げていた。


 「美波、こういう時はだなぁ、優しく寄り添って大丈夫? ってするものだぞ」


「これだから都会暮らしは弱いっていうんだよ。兵衛、お前はこの村で冬を越すことは出来ないな!」


「熊でも冬越すんだから、俺なんか余裕だっての。白け顔の美波の目は、全部黒目になっていた」


「ここちゃん! 心の声だだ漏れなのと、あるから! 白目!」


「兵衛、さっきのお前と今のお前は別人か?」


 俺はいつも通り冴えた推理を繰り出し、謎という謎を千切っては投げ千切っては投げしているだけなのだが、どうやらこいつには凄過ぎて、俺という存在を理解しきれないらしい。


「そういえば、お前の名前聞いてなかったな。恵那のストーカーじゃ周りの目もあるし、あと長いし。なんて呼べばいい?」


「誰がストーカーだ! 俺は、早川はやかわ みなと。湊でいいよ」


「なんだ、どっちかって言うと荒波大五郎って感じなのにな。よろしく、大五郎」


「この距離で聞こえなかったか? 湊だ。み・な・と!」


「しつこい男は嫌われますわよ。おほほ」


「おい兵衛、俺のこと変な名前で呼んだら返事しないからな!」


「それはこっちのセリフだわ!」


「えっ…………いやいや、こっちのセリフで合ってるわ!」


「二人共、子供じゃないんだから、それよりここちゃん。このあとどうするの?」


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