第86話 ええっ! 今っすか?
短いです。
仲間の妖精との再会に一先ず満足したのか、真実の鏡の妖精は、クローディアの前まで飛んでくると一言告げた。
<それじゃいくよ>
「へ? どこに」
<ばかじゃないの? 鏡の前までだよ。鏡の中の陰の気を解放するよ>
そんな。こちらは奉納舞を連続で踊ってへとへとなのに。
「あ、明日ではだめでしょうか? ほら、我々も、あちらにいる殿下もずぶぬれですし、せめて着替える時間をいただけませんか?」
少しでも猶予と休む時間が欲しい。
<仕方ないなあ>
その言葉に、クローディアは目を輝かせる。
<あたたかな風よ。この者たちを包む水を吹き飛ばせ>
その妖精の言葉とともに、クローディアたち5人の衣装や髪の毛までも乾いた。乾いてしまった。
<ほら、これでいいね? あちらの2人にも風を送ったよ。僕って、寛大だね>
いや、言葉の使い方間違ってるからっ。
横に浮かぶ目覚めたばかりの妖精さんは、すまなそうにしている。
そちらは常識人らしい。
せめてもの救いである。両方、尊大野郎だったら、目も当てられない。
<さっさと立って! 今が最高にぼくらの力が高まってるんだよ! さあ、早く!」
そう言うと、鏡の妖精は、銀のくせ毛の妖精を連れて、ふわりと飛び上がった。
<ごめんね>
そっと聞こえた言葉が心にしみる。
とにかくも、ユーリ殿下に、早急に、話にいかなければならない。
「くう!! もうひとふんばりですわ」
クローディアは小鹿のように震える足になんとか力を込めて、立ち上がった。
そして部員へも簡単に説明すると、今度はユーリ殿下に状況を告げる為、歩き出した。
早く休みたいぃぃぃ!! 休ませてえええ!!
次で第2章終了です。
皆様、最後までお付き合いよろしくお願い致します。




