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第80話 試練は続くよ

 今回の奉納舞は雄々しさを表現する男性パートととたおやかさを出す女性パート、異なるパートを踊り合わせる。

 本来なら男性2人、女性3人になるが、今回雄々しさを強めに出したいというゾルジの意見から、槍を持って踊る男性パートにカレンに加わってもらう。

 踊りは5つのパートに分かれる。

 まずは序盤女性陣2人による、始まりを告げる舞

 次に男性陣が槍を持ち、天の神、地の神に挨拶と2神をたたえる舞。

 中盤、女性パート、大地を労り、息吹を促す舞。

 次に男性陣が力強く、祈りを力を地に捧げる舞。

 そして最後終盤、男女ともで、天と地の神を高らかに称え、祝福を願う舞で、締めくくられる。


「これだけ盛り込まれた奉納舞ですから、この前の音楽室の怪の倍以上の長さの舞になりますの」

 本当、どうしてこんな事に。練習できる期間は4日しかないのに。

 ゾルジとララ曰く。

 地を鎮めるとなると最低限これくらいはとの話であった。

 それを話し合った時には、まだその地がどのくらいの広さかわかっていなかったのに。

 結果的に、訓練場という、この前の音楽室より、かなりかなり広い場になったから、結果良好というところか。

 私的には泣きたくなるくらいに、ハードである。

 体力が持つかというところだ。

 明日から庭で走り込みが必要かもしれない。

 なのに。

「すばらしいですわ!」

「うん。やりがいがある」

「ああ、槍を使っての舞か。楽しみだ」

「いいんじゃないかな」

 サーラ、カレン、シュタイニー、そしてエルネストあっさりである。

 まるで苦悩が見られない。

 そればかりか、やる気ノリ気満々である。

 誰か。このハイスペック集団をなんとかして欲しい。

 ぜひ普通の、私とこの苦悩を分かち合える仲間、部員大募集だ!

「クローディア様、早速お手本を見せてくださいまし!」

 くっ! そうなのだ。型を知ってるのは、ゾルジとララから教えられたクローディアのみ。

 どうして一番のロースペックなクローディアが、このハイスペック集団の前で躍らなければならないのか。

 嘆いてもしかたない。

 恥を忍んでみてもらわないと。

 部のセカンドフィールドがかかっているのだから。

「畏まりました。ですが、女性パートはすでにサーラ様にお教えしておりますので、省略させていただければと」

「いや、個人練習が多くなるだろうから、イメージしやすいように、女性パートも見せて欲しい」「わたくしも、おさらいでもう一度見せていただきたいですわ」

 くっ! シュタイニー、サーラ。君たちの言う事は最もだが、みんなの前で1人踊る気持ちを察して欲しい! けれど、否はない。元々部を欲したのはクローディアだし、奉納舞を一番やりたいのも自分だし。えっ。自分で自分の首を絞めている? ほっといて欲しい! 理想と現実は同一ではないという事だよ。厳しいよね。くすん。

「畏まりました。ではまずは女性パートから」

 奉納舞の型は基本崩してはならないようなのだが、今回の意義に合わせて、多少のアレンジされている。いじっていいとこ悪いところ、その判断はクローディアにはさっぱりである。

 すべてゾルジやララにお任せである。

 クローディアはテーブルから少し離れて、背筋を伸ばす。

 知り合ったばかりのシュタイニーもいる前での舞。

 赤面の至りであるが。仕方ない。

 息を整え、身体を整え、気を足の先、手の先まで通す。


「参ります」


 そうしてクローディアは女性パートを踊った。

 踊った時間は音楽室でのそれよりは長いがそれほどでもない。

 けれど結構体力を、もっていかれた。精神的負担が大きすぎるよね。

「素晴らしいですわ! わたくしも頑張りますわ!」

 サーラが真っ先に褒めてくれる。

 他の3人も、それぞれでうんうんと頷いてくれる。

 ありがとうサーラ。お世辞でも嬉しい。そしてみんなの頑張ったね、との労りの目がしみるね。

「では、次に男性パートですわね。楽しみですわ」

 サーラがワクワクを目に載せて、クローディアを促してくる。

 うっ。そんな目を向けないで欲しい。

 今から言う事が言いにくくなる。

 ああ、カッコ悪い。

 本当、試練は続くよ。とほほ。

まだコロナワクチンの影響があります(涙)

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