表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/87

第63話 妖精さんの魅力恐るべし。でもうちの子が一番だ!

 上々の収穫を得て、森を後にした4人。

 1人は蜜に代わりなる甘美なるものを考え、後の3人は花の妖精に心を奪われており、どうにも部活動を続けられる状態ではなかった。

 その為、部室に帰り、クローディアと花の妖精とのやりとりを共有した後は、解散と相成った。

 クローディアが話した内容は部にとって重要なものであったが、妖精の可愛らしさに魅了された3人は妖精のしぐさや細部言葉尻などまで聞きたがったが、それを振り切ってクローディアは帰宅の途に就いた。

 クローディアには考えなければならない事があったからだ。そう、蜜の代替品である。

 サーラ、カレン、シュタイニーの3人にも、蜜の代替品を考えてくれるように頼んだが、妖精に魅了された、ぽやっとした頭ではどうにも頼りなかった。

 花の妖精が超絶にプリティだったのはわかる。ポーとなるだろう。

 サーラやカレンは初めて妖精を視たのだから。なおさらである。

 シュタイニー真実の鏡の妖精を視ているのに、すっかり花の妖精に魅了されてしまったようだ。可愛もの好きがサーラとカレンにモロバレだがいいのだろうか。まあ2人はそれを言いふらすようなことはしないだろうが。

 とにかくも明日は幸か不幸か陽の日で学院は休みだ。

 3人の沸騰した頭を冷やすには丁度いいだろう。

 月の日までに、妖精への熱が下がってくれるのを祈るばかりである。

 家路へ急ぐ揺れる馬車で、今日森であった出来事を手紙に書き、エルネストへと送る。彼にも蜜の代替品についての案を頼んだが、忙しい身であるので、難しいだろう。

 休日でも侯爵家のご子息は忙しいからね。

 やはり頼れるのは。

「ゾルジとララね」

 うむ。良き相談相手に恵まれ、私は幸せである。



<おかえり~!クローディア~!>

 ガーブス家の屋敷(タウンハウス)の中庭。

 そこに足を踏み入れるとすぐにララが出迎えてくれた。

 はあ。癒しである。花の妖精も可愛かったが、ララはもっと可愛いと思う。

 やっぱりうちの子が一番である。

 決して身びいきではない。

 うむ。

<して、どうだった>

 木から降りて来たゾルジがテーブルの上で尋ねてくる。

 はあ。ゾルジも凛々しいよね。そして優しい。

<クローディア~、かなり疲れているわね~。きっと頑張ったのね>

 ララは椅子に座ったクローディアの頭にのり、いいこいいこをしてくれる。

 うっ。やめて。涙で前が見えなくなるからっ。

 クローディアはぐっと喉の塊を紅茶で流し込むと、頭を切り替えた。

 はあ、紅茶美味しい。

 そして帰るとすぐにお茶をさっと用意してくれる、うちのメイドさん最高だ。

 ほっと一息ついたクローディアは、早速ララとゾルジにも森での出来事を話して聞かせた。

<なるほどのお。蜜の代わりか。とすると、甘味であろうの>

 ゾルジが器用に前足を曲げて、顎に当てる。

<そうね~。さらりとして甘いものよね~>

 ララもクローディアの肩の上で首を捻る。

 2人にそう具体的に必要な要素を言われて、クローディアは思いついた。

 前に父に連れられて遠くの地に行った時に、食べた事があるものだ。

 ただ、材料も珍しく、また手間もかかる為、滅多に作る事がなかった。

「ちょっと、2人とも待っていてね、リフティン!」

 クローディアは立ち上がると、小走りに屋敷へと入った。

「はい。お嬢様、お呼びでしょうか?」

「お米と、乾燥した麦芽が欲しいの、急ぎ用意できる?」

「乾燥麦芽はうちの商会にあるので、大丈夫ですが、米ですか。王都では米は食べませんからね。よく家畜のえさに使われますが、さて」

「前に叔父様からもらった事があるわ。難しいかしら」

 手に入らなければ、別のものを考えなければならない。

「わかりました。急ぎ店に使いを出して、旦那様に聞いてみましょう」

「お願い」

「かしこまりました」

 リフティンは一礼するとさっと踵を返した。

 ああ、叔父が商会してて、本当よかった!

「どうかありますように」

 頼むよ。ニコル叔父。

 そう願いながら、中庭へと引き返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ