第49話 挑戦だっっ!!
サーラ、カレン頑張ってます(笑)
神事妖精霊部の女子3人組、主にクローディアとサーラに圧されるようにして、部員5人は真実の鏡の前までやってきた。
シュタイニーは来たくなさそうであったが、サーラの迫力に負けた感じである。
今回クローディアも助けは出さなかった。
乙女のプライドの危機だったからだ。
これは何物にも優先されるのだ。
「わたくしからから参りますわ」
階段の踊り場に着くと、サーラがすっと前に出た。
4人は鏡に映らないように、踊り場から2、3段下りたところに待機する。
なんか緊張する。
皆がサーラを見守る中、サーラはふっと雰囲気を一変させた。
シュタイニーに圧を感じさせるほどに力強かった雰囲気が消え、ほんわりとしているがどこか頼りなく儚げな雰囲気を醸し出す。
そうだ。クラスで最初に見かけた時の、サーラの雰囲気だ。
可愛らしい感じで、思わず守ってあげたいというような感じ。
サーラは貴族女子として色々な引き出しを持っているようである。
鏡に映ったサーラ。顔を少し俯けて、不安げな様子が庇護欲を誘う。
これならば、妖精もきっと弱いものと認識して、付け込んでくるに違いない。
クローディアは心の中で拍手を送った。
そう確信することしばし。
何も起こらない。サーラ何も変化なし。
「‥残念ながら、だめなようですわ」
サーラが悔しそうにリタイアを宣言する。
なぜだ。何がいけなかったのか。
完璧だった筈なのに。
クローディアは愕然とする。
「次は私だな」
サーラと入れ違いに、カレンが鏡の前に立つ。
「要は弱々しくみせればいいという事だろう。まかせてくれ」
なんか違う。少し違う。じゃあどのように、と言われても困る。サーラでダメだったからだ。
4人が見つめる中、いつもしゃっきり、きりっと背筋を伸ばしているカレンが、なよんと身体をしならせ始めた。どうやら形から入ったらしい。
それがあまりに似合わなくて、笑いがこみ上げてくる。
いかん。友が一生懸命試行錯誤しているのを笑うとは何事か。
皆はどうだろうとちらりとサーラを見る。
笑ってはいなかったが、残念な子を見るような眼差し。それもわかる。
次に男子2人。
こちらは、顔が異様に固い。
笑ってはいけないと頑張って、顔に思いのほか力が入っているようである。
どうやら、平静を保つのに必死のようである。
うむ。わかる。
笑ったら、サーラが怖そうだ。
それは我が身も同じである。
カレン、もうギブアップしてもいいよ。
いや、して。私の為に。
その願いが通じたのか、カレンが肩を落として、こちらに歩いて来た。
「ダメなようだ。すまない」
カレンには一つのおちゃらけもない。心底悔しがっている。
それにまた少し、笑いがこみ上げてくる。
くっ、耐えろ自分。
エルネストからなんか、むせるような咳が聞こえてきた。あ、シュタイニー様からも。
サーラに睨まれている。
「カレン様、お疲れ様でございました! 次はわたくしでございますね」
「ああ、クローディアが頼りだ」
そのカレンの言葉に押されるように、クローディアが鏡の前に立った。
さあ、参りますわよ!




