第41話 生徒会との交渉の結果報告です
少し長めです。
翌日火の日、授業が始まる前。
サーラとカレンは早速生徒会の返事を聞きたがったが、今日はシュタイニーが部に顔を出すと言っていたので、放課後の部室で詳しく話をすると2人に伝えた。
そのクローディアの返事からどうやら状況は悪いとの雰囲気を感じ取ったのか、2人は素直に頷いてくれた。悪いといえば悪いかもだが、決してそれだけではない。メリットもあった。今ここで伝えてもよいのだが、この朝の時間帯だと時間もないし二度手間になるし、少し話が長くなるので、できれば、腰を落ち着けて話したいと思っただけである。
早速聞いてきてくれたのは、関心を持ってくれている表れだから、嬉しく思いつつも、少し申し訳ない気持ちになった。
授業が終わり、放課後の部室。
お茶を入れているところで、シュタイニーがやって来たので、彼の分も入れてから、テーブルにつく。
皆がお茶を一口飲んだところで、クローディアは昨日生徒会室でのやり取りをサーラ、カレン、シュタイニーの3人に話して聞かせた。
ちなみにエルネストは本日生徒会活動中。まあ、昨日のやりとりを直接見ているから連絡は不要だ。
要点としては、2週間後の5の月の初旬の月曜日までに、学院七不思議の残っている6つのうち1つを解決もしくは解明すれば、第3音楽室が使用できるようになる事、ただし、最終的にはすべての七不思議を解決する事が条件で、だ。
「随分と沢山条件を付けられたもんだな」
シュタイニーが難しい顔をする。
「まったくだ。実質6つ課題が出たって事だろう」
カレンの眉間にも皺が寄る。
「生徒会に、いいように使われているようで、腹立たしいですわ」
サーラも目が三角になっている。
「だめだろうと思っていた部の新設を認めないとならなかったので、生徒会の皆様に多大な、お手数をお掛けしてしまっていますから、仕方がないのかもしれません」
クローディアはけしょんとしながら説明する。
おかしい。クローディアも弱みに付け込む生徒会、いや生徒会長のユーリ王子に怒っていたが、目の前の3人が怒りを露わにしたところを見て、なぜか生徒会を擁護する言葉が出てしまう。
うむ。怒っている人間を見ると冷静になるのかもしれない。
なんか、乗り遅れた感があるが。
「期限が切られているのは、最初の1つだけですし、後は期限が切られていませんから、じっくり対処していけばよろしいかと」
「だが、毎月定期報告を求められているんだろう?」
サーラの言葉にカレンが指摘する。
「はい。まあ、その報告と合わせて新設の部の様子を聞きたいのかもしれませんね」
クローディアは頷く。
そうだ、そうかもしれない。やはり最初は部を統括する生徒会としては、新設の部をちゃんと見なければならないのかもしれない。
そう考えると、少し納得できた。ほんの少しであるが。
「それに、その報告いかんによって、ダンスホールの使用もできるようになるかもしれませんから」
「飴とむちか」
シュタイニーがぽつりと零す。
いや、なにそれ怖い。
そうなの? そうなのか? やはりあの王子は腹黒なのか。
「生徒会としてはこちらが課題をクリアできなくても、なんら損害はないですし、課題をクリアできれば、生徒会は何もせずに、不穏な案件を解決できて、学院側に報告できるという訳ですわね。ふふふ。やってくれますわね。第2王子様は」
あれ。なんかサーラが黒い。初対面ではふわふわして可愛らしいお嬢様だったのに。なんか黒い。いかん。女子は可愛くあらねば。しかし小悪魔も捨てがたい。
いかんいかん。脱線しかけた仕掛けた思考を戻す。
「わたくしの力不足だったのかもしれません。申し訳ございません」
なんかみんなの話を聞いていると、ユーリ殿下に上手く転がされたような気になってきた。
「そんな事ございませんわ!! クローディア様はよくやりましたわ! ただ、それ以上に第2王子様が腹黒、いえ、交渉上手なのですわ」
「うん。クローディアはよくやったよ」
「最終的には、こちらの要求をかなえられるんだから、上々だ」
うう。サーラ、カレン、シュタイニーのフォローが身に染みる。
ふう。私、もしかして簡単な奴かと思った。
「ありがとうございます。わたくしの一存で、勝手に決めてきてしまいましたが、皆様、第3音楽室使用許可を勝ち取る為に、協力していただけますか?」
「もちろん。俺もできるだけの事をするよ」
「ああ、私もだ」
「ええ。すべて見事に解決して、生徒会にあっと言わせて差し上げましょう! そしてその暁には更なるよい条件を引き出してやらなければ。ふふふ」
「ありがとう存じます!」
うん。若干一名、不穏な台詞を述べているが、スルーしよう。
全員が協力してくれるというのが大事だからね。
「だが、妖精や精霊、亡霊なんて、普通は視えないものだろう。この部の新設の課題だった七不思議の1つを解決したとはグレームズ嬢から聞いてはいるが、どうやって解決したんだ? これからどのように解決していくんだ?」
シュタイニーが至極当然の質問をする。
カレンとサーラが目を合わせてから、クローディアを見る。
2人はクローディアが普通の目には見えないものを視る目を持っているのを知っている。
だから、残りの七不思議もその目を使って解決するつもりだろうと思っている。
しかし、シュタイニーはそれを知らない。
ここで話すか話さないか。うーん、どうしようか?




